概要
TCGアニメ『バトルスピリッツ』シリーズにおいて、バトスピを表現する際に使われる言葉。
元ネタは『バトルスピリッツ ブレイヴ』47話での異界王の言葉より。
一見すると単なるネタのようだが、「バトルスピリッツというコミュニケーションツールを通じて、対戦者同士がお互いを理解し仲を深め合う」ということに沿った言葉。
冨岡淳広氏がシリーズ構成を務めた「少年激覇ダン」~「最強銀河究極ゼロ」ではそれが徹底されていたのが特徴。
細かな差異はあれ、バトル中の会話で、時にお互いの意見をぶつけたり時に相手を諭したりなどバトルを通じて思いをぶつけ成長していく・友情を築く人物たちの姿が描かれていた。
歴代作品
少年激覇ダン・ブレイヴシリーズ
「この時代にきておまえは考えた。俺の作った時代をどう生きるか。どう変えるか。考え、そして実行した。」
「バトルスピリッツという対話で、魔族も人間も、ひとりひとりの心に語りかけた。」
『少年激覇ダン』にて、激突王馬神ダンはどこまでも真っ直ぐな姿で人々に自分の思いをぶつけ、自分の信じる道を突き進む。そのまっすぐな姿は周囲の人々、米国大統領まで変えていき、ついに世界を滅ぼし新たな世界の創造を目論む異界王を倒した。
しかし、その先に待っていたのは、ダン達が世界の矛盾を正そうとすることをよく思わない人々達(フィクサー)の情報操作による世界からの迫害だった。
ダンは自分のしてきたことが正しかったのかと悩み、ただバトルにのめり込む日々を送るが、彼の力を必要とする未来へ向かう。バトルスピリッツによる人間と魔族の代理戦争(代闘士)が行われる未来世界で、自分の役目を全うしつつもただそれで良いのかとダンは自問自答し続けながらバトルを続け、バトルを通じて自分の思いを訴え続けていくことを決意する。
ダンの真摯な思いは多くの人々・魔族に影響を与え、バトル一辺倒だったバローネを変え、暗闇のザジの心の闇をも晴らした。
最後の戦いの赴く直前、ダンの前に現れた異界王の魂は彼に語り掛ける。かつては知らなかった世界の闇を知り、それでも自分なりに世界と向き合い語り続けたダンを上記の言葉で評し、ダンもまたかつては理解しえなかった異界王を「見方を変えれば、あんたが一番世界を案じていた英雄だった」と語り、異界王はダンを激励してその姿を消した。
バトルスピリッツというコミュニケーションでの『対話』が貫かれた作品である。
バトルスピリッツ覇王
「勝っても負けてもバトルは最高なんだ!」
陽昇ハジメは、時に勝って勝利を喜び、時に負けて悔しがりながらも、バトルを通じて初対面の人とも友情を築いていった。
前作とは180°趣きを変え日常でのバトルを描いた本作は、当初前作の結末もあってその作風への逆風もあったが、「バトスピを誰かとやる楽しさ」を真っ直ぐに描いた作品となった。
バトルスピリッツ ソードアイズ
「光があれば闇が生まれる。それだけのことだ! 光と闇、絶対に分かり合える!」
ツルギ・タテワキはただのスケボーが好きな少年だった。しかし彼は自分が先王の子であり、神に選ばれた光のソードアイズであるという事実に向き合うこととなる。
光のソードアイズは闇のソードアイズと戦うというのが昔からの世界の秩序であり、ツルギも最初は実の兄であり闇のソードアイズ、圧政をしいている白夜王ヤイバと戦うことになんら疑いを持っていなかった。
しかし世界を見、人々の暮らしを見ていく中でツルギは自分の正義が正しいのか、単に光と闇のソードアイズが戦うだけでよいのかと疑問に思うようになる。
そしてツルギは光と闇のソードアイズが力を合わせていかねばならないと感じ、闇のソードアイズにも積極的に自分の思いをぶつけ、闇のソードアイズとも心を通わせていき、兄とも和解、神の作り上げたソードアイズの戦いに終止符を打ったのだった。
最強銀河究極ゼロ
「いっぺんバトルしたら もうお前とはマジダチだ」
一番星のレイは「究極のバトスピ」を探して宇宙を旅するカードクエスター。
バトルが大好きな彼にとって一度でもバトルをした相手はマジダチ(本当の友達)であり、そのキップの良さで多くの人々、かつて敵であった者とも友情を築いた。
その器の大きさは、ラスボスの「宇宙と自分が一体となることであらゆる孤独をなくす」という野望に対して否定することなく「ブッ飛んでて最高だ」と認めたほどであり、彼とのバトル後、再戦を誓いつつ和解した。
余談
- バトスピ大好き声優で知られる立花慎之介氏は、自身のブログにて「バトスピの面白さは、デッキ構築や環境、バトルでの駆け引きを含めた対戦相手との『対話』」(要約)と述べている。