概要
ドイツ・ニーダーザクセン州ヴォルフスブルグに本社を置く自動車メーカー。
その発祥はナチス政権時にヒトラーが提唱した「国民車計画」を担うための国策企業。
二次大戦後、イギリス軍管理の下改組され、工場や製品設計を継承したのが現在のフォルクスワーケンとなっている。単にワーゲンと呼ばれることも多い。
国民全体に自動車がいきわたることを目指しただけあって、設立当初は安価な大衆車の製造が主であった。「(初代)ビートル」ことタイプ1はその最たるもの。
しかし近年では高価格帯となるトゥアレグやフェートンといったラインナップも開発している。
傘下にアウディやポルシェ、イギリスのベントレー、スウェーデンのスカニアがある。特にポルシェはタイプ1の設計者フェルディナント・ポルシェが設立した会社であり、歴史的にも縁が深い。2014年現在も、フォルクスワーゲンの筆頭株主はポルシェ家の資産運用会社である。
また上記の歴史的経緯からか、トランスフォーマーのベース車として使用することを「戦争を想起させるからイヤ」と言う理由でポルシェと並んで拒否している。
不正発覚問題
2015年9月に発覚した、アメリカの自動車排ガス規制(マスキー法)に対してVW社が行った一連の不正を指す。
試験走行中であることを自動検知して排気ガスから出る有害物質の量を大幅に減らすソフトウェアを搭載し、実際の走行中に排出される有害物質の量を書類上偽っていたことが発覚。
通常走行で同様の効果を求めようとすると、燃費の低下や部品の消耗等のデメリットが発生するが、無対策で走行した際の有害物質の排出量は規制量の40倍にもなる。
なおこの不正が行われたのはアメリカに車検制度がないこと(日本では不可能)が一因であり、また不正の発覚には日本の堀場製作所の車載型測定器が用いられた。
ちなみにこれが起こってしまった。背景には『アメリカで販売されている軽油は品質の悪い中東産の原油から出来ている』(アメリカと同じ中東産からの原油も「サルファーフリー」という技術が進んだ日本はもとより欧州のそれと比しても硫黄が多く、それゆえにディーゼルの耐久性とクリーン化を両立させることが難しい)事もあるという意見も見られる。
そう言う事情でもなければ、日本ではSKYACTIV-D登場以降ディーゼル推しのマツダがアメリカでは全くディーゼル車を販売していないということが不自然である。
またディーゼルエンジンで提携関係にあったスズキはこの一か月前の2015年8月30日にフォルクスワーゲン社から株を全株買い戻して関係を完全に解消している。こちらは資本の割合で折り合いが付かず解消になったものである。