「左様」
CV:内田夕夜
概要
本名は不明で、学校内外から「校長」と呼ばれている。
若い美青年のように見えるが本当はかなりの高齢らしく、老人口調で話す。実年齢は謎に包まれているが、明らかに外見が校長より老いているアイザック先生は学生時代に校長から魔法を習っていたとのこと(その当時は魔法学校の一教師だったらしい)。また本作のシリーズディレクター・三塚雅人からは「実は4ケタあります(笑)」と言及されている(アニメージュ増刊号より)。
時折校長室を無断で留守にしたり、突拍子もない決定を行っては真面目な性格の教頭を困らせている。
高齢の割には歯は丈夫なようで、第3話では冷凍みかんを氷のまま食べている。
作中では度々お茶をティーポットに入れて飲んでいる。しかし校長が好むお茶は漢方薬のようなとてつもなく苦いもので、校長以外はまともに飲めない。
朝日奈みらいとリコがプリキュアに選ばれたことを知ると、みらいに「春休みの間だけでも魔法学校で勉強してみないか」と勧めみらいが魔法界と関わる切っ掛けを作った。
その春休みが終わった後は今度はリコがナシマホウ界へ留学することになるが、これにも校長の意向が働いている。
魔法界や魔法に関する知識に長けている一方、プリキュア伝説やリンクルストーン、リンクルスマホン等については校長も分かっていない事ばかりという扱いでありそれをみらいやリコが解き明かしてくれるのを期待している。そのため、違う世界に住むもの同士であるみらいとリコをできる限り一緒にいさせてあげようと色々と骨を折ってくれている。
また、彼はプリキュアに色々と期待はしているし、そのことを隠すつもりもないが、プリキュアとして戦うことやリンクルストーンの探索について決して強制しない。お願いという形で口に出すことも注意深く避けている。立場が高すぎる自分の「お願い」はみらいやリコにとっては強制と変わらないことを正しく理解しているからだ。(そんなに危険でない日常的なことなら普通にお願いするが) 実際のところ、みらいやリコがプリキュアをやめると言うなら残念には思っても制止するつもりもないようだ。
彼はプリキュアたちを導いたり使命を与えるようなキャラクターではなく、どちらかというと彼女たちの冒険を影から支える協力者ポジションと言える。
いろんな調査を裏でやっているのだが、プリキュアたちに余計な心配をかけないためにそれは秘密にしている。視聴者向けには彼が何かこそこそ動いているシーンは頻繁に描かれるため、胡散臭く見えがち。一時期は視聴者からドクロクシーと通じているなんて疑いまでかけられていた。
そんなわけで岡田枠と言われることもしばしばあるが、その彼と同様に基本的には善人である。
校長と魔法
魔法学校の校長にもかかわらず、自ら魔法を行使することはしないようにしている。
魔法の力が込められた道具を使うことはあるのだが、これについても使用するのは起動魔法が不要なものに限られる。
数十年前までは普通に魔法を使っていたそうなのだが、アイザック先生が学生時代の時にはすでに彼は魔法を使わないようにしており、校長が魔法を使う場面を見たことがある人はほとんどいない。
第20話にて、魔法を使わなかった理由が「予言された"来たるべき危機"」に備えて力を温存していたためということが判明する。
そして同話でドクロクシーと対峙した際に、魔力を開放して強力な攻撃魔法を放った。
一発目の魔法は残念ながらドクロクシーを守るためにバッティが放った渾身の魔法の一撃とぶつかり合い、中和されてしまった。しかし校長の魔法の威力でバッティの魔法の杖は砕けてしまい、バッティは戦闘能力を失うことになる。そして、校長vsドクロクシーの凄まじい魔法のぶつかり合いへと発展する。しかし競り合いの末、校長の魔法は破られてしまった。
校長はその際の魔法で全ての力を使い果たし、本来の年齢通りの老人の姿になってしまった。つまり、体内に蓄え続けた魔力のために若く見えていたわけだ。
蓄積した魔力という切り札が不発に終わったおかげで、ドクロクシーと戦えるものはプリキュアだけということになってしまい、プリキュアとドクロクシーとの決戦が行われることになる。(とはいえ、敵のボスに対してプリキュアに頼ろうとせずに自分から戦いに向かった大人キャラは実は彼が初めてだったりする)
校長が所有する魔法の杖は先端に青い涙滴型の宝玉がついた長いスタッフ。宝玉が収められた先端部は花の蕾のようにねじれている。そして宝玉の少し上に光の輪が取り巻いているのが最大の特徴。
ドクロクシーとの決戦が終わった翌22話ではちゃっかり元の若い姿に戻った。校長曰く「薬茶のおかげ」とあっさり言い切っており、いつもお茶を飲んでいたのが魔力を蓄える秘訣だったようだ。(それにしても今までの数十年分で飲んだお茶と同じ量を飲みきったのだろうか……)
しかし若返りした後の校長は髪の先端部分に老人時同様のウェーブがかかっている(=完全に元に戻った訳ではない)事が27話にて判明し、本人曰く自身の魔法の力も弱まってしまったらしい。
しかし、予言されていた"来たるべき危機"とはドクロクシーのことではなく別の悪役(=終わりなき混沌デウスマスト)であったため、世界の危機はまだ去っていなかった。
これ以後はデウスマストの眷属と戦うプリキュアを助けるために戦闘中に魔法で支援することも辞さないようにもなったが、ドクロクシーに放った1発ほど強力なものは撃つことはできなくなっている。現状の魔力ではデウスマストにとても太刀打ちできないことはわかっているが、それでも「プリキュアに頼るだけでなく自分ができることをやらなくてはいけない」という思いは強く、自分の魔法をみんなの幸せのためにどう役立てていくかを熟慮中である。
日常生活の中でなるべく魔法を使わないようにして魔力を貯めているのは今も変わりない様子(ごく簡単な魔法ならば使うようにはなったが)。
余談であるが、結希かの子は女学生時代にナシマホウ界に遊びに来ていた校長と出会ったことがあり、その時に校長が魔法を使ってホウキで空を飛んでいる所を目撃している(外見は今と全く変わらない)。つまりこの時点では普通に校長は魔法を使っていたことになる。
この時は顔までしっかり見られて会話までしており、この出会いがきっかけでかの子は魔法つかいの存在を信じるようになった。
なお、魔法界の人間がナシマホウ界に赴くときは、自分が魔法つかいであることをナシマホウ界の人間に知られることはタブーとされている。かの子は自分が魔法つかいを見たことを他人に吹聴したりはしていないので、校長がかの子に目撃された事実を魔法界でも知るものは他にいない。このため前述の理由が明かされる前は、「校長が魔法を使わないようにしたのは、その時のペナルティを自らに課した意味もあったのでは」という見方もあった。
余談
似ている?
過去シリーズの『スイートプリキュア♪』のバリトンに容姿が似ているという声がちらほら出ている。
校長先生の七不思議
「謎の多い人」という印象は視聴者だけでなく当の魔法学校の生徒達からも同様で、魔法学校の中では「校長先生の七不思議」なるものが語り継がれている。
- 校長先生が何歳なのかは誰も知らない
- 魔法学校の校長なのに魔法を使うところは誰も見たことがない
- 誰もいない夜の校長室から女の人の声が聞こえてくる
- 校長先生の毎日飲んでいる薬膳茶はとっても苦いらしい
- 校長は若いころ、ナシマホウ界で結構モテたらしい
- 図書館の一番奥には校長先生も行けない場所がある
- 魔法学校を支える木の頂上にある「開かずの扉」を開けられるのは校長先生のみ
この七不思議は第19話で紹介されたが、リコは「謎とかじゃなくてただのゴシップが混ざってる」と呆れていた。
本名
本作において、校長の本名は結局不明のまま終わった。
友人であるクシィからも名前を呼ぶシーンがない(回想などでも「君」と呼ぶのみ)ため、ヒントもわからないままになってしまった。
ただ、上記の七不思議で「本名が不明」という項目がないことから、作中世界においては普通に本名は知れている様子。彼が名前を隠しているのではなく、単純に視聴者に向けて名前が語られる機会がないというだけである。
今回は「先生」と呼ばれるキャラが結構いるので、このキャラは他の先生よりも偉いんだということを小さな子供にもわかるように、誰からも「校長」と呼ばれるようにしているのだと思われる。(実際、見た目だけだとアイザック先生の方が校長っぽいイメージだろう)
カオルちゃんのように後に発行される資料などでフルネームが明かされる可能性もなくはないが、彼の場合はそもそも「名前をスタッフが決めていない」可能性も高そうだ。
ファンの間では、クシィの名前の由来から関連付けた本名予想なども行われている。