CV:早見沙織
概要
第4話から登場した妖精。身長は人間の手のひらサイズ。
みらいとリコが魔法学校の図書館に併設された迷宮書庫「知識の森」に迷い込んだ時、一冊のハードカバーの本が彼女たちを導くかのように緑光を発していた。それこそが世界と共に生まれたと言われる伝説の本「リンクルスマホン」であった。
みらいたちがこのリンクルスマホンを手に取ったその時、本が開いて白紙のページから幻影の花が咲き、その花は実を結ぶかのように手のひらサイズの妖精の赤ちゃんを生み出して消えていった。
リンクルスマホンの中に妖精が住んでいるなんて魔法界の知識に詳しい校長や魔法の水晶さえも全く聞いたことがない。全てがナゾの存在だったが、リンクルスマホンがプリキュアを導くかのように光っていたことを考えると、そこから生まれたこの妖精がプリキュアに関わるものというのは疑いようがなかった。
みらいとリコはその正体がわからないまま親代わりにお世話することを選択する。
「はーちゃん」という名前の名付け親はリコとみらい。第5話にてヨチヨチ期まで成長した時に、名前はどうしようかとみらいが呟いた時に発した言葉が「はー! はー!」だったために「はーちゃん」と名づけただけで、あまり深い意味はない。
普段はリンクルスマホンの中におり、自分の意志で好きに出入りができる。
リコがナシマホウ界に行くことになるとそれに同行している。学校生活では表立って行動出来ないため、一緒に潜んでいるモフルンと仲が良く、共に行動することが多くなった。そのため、リンクルスマホンを持ち歩くことも時々あり、はーちゃんのお世話は主にモフルンが行っている。
初登校の際はリコもみらいもリンクルスマホンをモフルンに預けたらしく、初めは留守番を頼まれたにもかかわらずモフルンとこっそり学校についてきてしまい、勝木かなに見られてみらいとリコはハラハラしていた。おまけに校庭を探検していたら、ガメッツの襲撃に遭いモフルンと共にたまたま校庭に落ちていた最後の金魔法の変身用のリンクルストーンのトパーズを発見して、2人はトパーズの金魔法で変身してガメッツを追い払い、その後はーちゃんが事情を説明したので(はーちゃんは叱らないでとお願いしたがみらいたちは叱るつもりはなかった)、まさか今日みたいに学校でリンクルストーンが出現したり、闇の魔法使いが学校を襲撃してきたとは予想外の展開だったことを知り、見つからないことを条件に4人で学校に通うことになり、その際はリコのカバンの中にあるスマホンで身を隠すことになる(時折は自らリコのカバンに隠れることもある)。
性格的には育ての親であるみらい、リコ、モフルンのそれぞれの長所をうまく受けているのか、好奇心旺盛だが真面目で聞き分けが良いという、プリキュアシリーズの歴代妖精の中ではダントツに「素直な良い子」である。また花から生まれたのか花が好きらしく、第14話でリコが数学のテストで満点を取った後の💮を見るなり興味を示して『ちょうだい』と強請るがリコたしなめられ、自分で描くことにする。ところが初めて自分が描いたのは花丸じゃなくて目玉焼きの親戚で、はーちゃんは数学の試験で赤点=多くのバツを取ったみらい(そのことではーちゃんはみらいを落ち込ませたことはあるが、悪意があった訳ではない)が追試に向けての勉強をしている横で花丸の練習をすることになった(ちなみにバツは簡単に描けた)。そして数学の再試験当日、例え満点でなくても(リコの箒を駆使したエアーショーもあって)追試に合格(例え満点でも花丸をくれるとは限らない)したみらいにリコとの友情満点の綺麗な💮をプレゼントした。それがきっかけで、その直後3人の努力は満月に認められ月のリンクルストーン・ムーンストーンを手に入れた(リコ曰くお月さまのくれた花丸)。
第15話で学校で騒ぎを起こしてしまった際、何人かの生徒にバッチリ目撃される。これにより「目撃すると幸運を呼ぶ妖精」として学校の噂となってしまったが、学校の七不思議程度の騒ぎで済んでいるようだ。
はーちゃんは当初はプリキュアの役にたつような力などまったく顕現することなく、本当にただのマスコットという扱いだった。
闇の魔法つかいの幹部たちも当初ははーちゃんの存在を「無力な妖精」とみなしてほとんど気にもとめておらず、その存在がヤモーやドクロクシーという上層部に報告されたのは15話でようやくである。
だが、上層部は「プリキュアの仲間に本の中から出入りできる妖精がいる」と聞いただけでその本がリンクルスマホンと気付いた。これは、世界の始まりとともにある書の中には「小さき者」が住まうという古い伝説にヤモーやドクロクシーが通じていたため(この伝説は校長さえも知らなかった)。
もっとも、闇の魔法つかい達が重要視していたのはあくまでリンクルスマホンであり、はーちゃんという存在についてはリンクルスマホンを動かすバッテリー程度の認識で、さほど興味を持っていなかった。
しかし、はーちゃんがトコトコ期まで成長して人格形成が出来上がってからは、自分にとって大切なことを強く心に思った時にリンクルスマホンやリンクルストーンが何らかの不思議な反応を起こすという現象が確認されるようになっていく。
闇の魔法つかいの幹部とプリキュアとの直接対決が行われるエピソード(16話、18話、19話)では、いつもはーちゃんが勝利の鍵となっていた。
第19話で支えのリンクルストーンが全て揃った直後に強烈な眠気がはーちゃんを襲い、リンクルスマホンの中で休眠状態となる。その際に体に変化が起き始めて、続く第20話で眠っている最中にリンクルスマホンごとドクロクシーに捕らえられてしまう。続く21話でプリキュアを救い、終盤ではクシィの魂を導く形で共に昇天し、消え去ってしまった。
そして22話では人間の少女としてみらい達の元に帰ってくることになる…。
なお、Blu-ray vol.4の設定資料ライブラリでの三塚SDのコメントには「みらいとリコが第4話で(リンクルスマホンとなる本に)触れた時にふたりの力と情報がそれ(ラパーパが残した生命の原型(種))に注がれバブバブ期のあの姿となった」(※括弧内は転記者追記)とある。この「情報」が遺伝情報を含むのであれば、はーちゃんは遺伝的にもみらいとリコの子、ふたりと血の繋がった娘ということになる。
はーちゃんの成長
はーちゃんは登場時こそ赤ちゃんだったが、プリキュアシリーズ伝統の「赤ちゃん妖精枠」のキャラクターではない。
リンクルスマホンの玩具の商品詳細によると、はーちゃんは成長型の妖精であり、四段階の形態を経て素敵で素直な女の子へと成長していく。
リンクルスマホンの玩具ははーちゃんを育成させるゲームあそびが組み込まれている。
アニメのオープニング映像でも早くからに第三段階(トコトコ期)までの成長過程と最終段階(キラキラ期)のシルエットが描かれており、本編中では序盤(11話)でトコトコ期まで到達している。
なお、この○○期という呼び方はリンクルスマホンの玩具で使われているものであるが、アニメ本編では使われていない。
バブバブ期
見た目は完全に赤ちゃん。髪の色はピンクで花飾りが1つ付いている。初登場は4話終盤。人間でいうと0歳相当。
服は薄い緑色の服を着用、胸部に赤と緑のアクセサリーを身に着け、お尻に緑の球体が先端に付いた尻尾がある。また目の黒部分にも花が描かれている。
アニメ本編では第4話にはーちゃんがこの形態で誕生したが、次の第5話ではヨチヨチ期に成長したのでごくわずかな期間しか登場していない。
おなかがすくと泣いてスマホンから出てくるが、ユニコーンのミルクで満腹になるとまたスマホン内に戻り眠る。
しかしリンクルスマホンの玩具のはーちゃん育成ゲームではそこまで瞬時に成長することはないので、それなりに根気よく育てないといけない。
ヨチヨチ期
自力で立てるようになり、身長もバブバブ期と比べて一回り大きくなった。放映前の宣材に使われたキービジュアルではこの形態が描かれている。本編での初登場は5話終盤。人間でいうと1歳相当。
髪も髪型が若干変化して花飾りも2つに増え、服は色やアクセサリーは変わらないものの、スカートが新たに追加された。
また足には緑の靴を履き、背中には半透明の羽が生えた。ついでに空色のスープなどの離乳食が食べられたり、少しずつ飛行能力が身についたりした。更にモフルンを守る為に新たにバリア能力を修得した。
話が進むにつれてカタコトの単語程度は喋れるようになり、みらいたちとのコミュニケーションも取りやすくなった。ただしまだ会話ができるというレベルではない。玩具での一人称は「はーたん」。
どうでもいいが名称の割に歩くシーンはそこまで無かったりする(いつも羽で浮いているため)。
トコトコ期
身長が更に伸びて髪型が大きく変化し、花飾りも頭周辺に5つ、胴体部に色違いの花飾りが3つ身に着けている。OP映像でははーちゃんの様々な形態が登場しているがトコトコ期の姿が一番出番が多くはーちゃんのデフォルトのイメージになっている。玩具として発売されているぬいぐるみも、このトコトコ期の姿。人間でいうと6歳相当。
本編での初登場は第11話終盤。この形態から言語能力が飛躍的に増大しており、幼児らしい言葉つかいではあるが普通に会話が可能となっている。一人称は「はーちゃん」もしくは「わたし」。
服も薄い緑・濃い緑・白を主体にした服となり、スカートも大型化された。
ヨチヨチ期ではデフォルメ化されていた手足もこの形態では人間に近い形状となり、足には花飾りをつけた靴を履いている。
また背中の羽も大型化し、2枚羽から4枚羽となった。
人間でいえば育ち盛りのせいかかなりの大食いらしく、第15話では自分の体積をはるかに超えた量の食事を平らげてしまった。
16話でプリキュア達が強化スパルダを倒す際に、はーちゃんの祈りがプリキュア達の金魔法を強化している。この時はリンクルスマホンも反応して輝き、金魔法『プリキュア・サファイア・スマーティッシュ』の技バンクの合間に挟まる形で祈りの力を開放する様子が描写された。
ただしこの時点では当のプリキュア達さえはーちゃんの祈りの力の存在に気がついていない。
19話でエメラルドを除くすべてのリンクルストーンが揃ったと同時に、はーちゃんはリンクルスマホンの中で深い眠りにつく。はーちゃんに大きな変化が訪れようとしている。
この名前の割にはこちらも歩く描写は殆どない。一方、空の飛び方は上手になりました。
キラキラ期
みらいやリコとほぼ同じような頭身(大きさその物は前形態と変わらない妖精サイズ)まで成長した形態。また、背中の4枚羽が大型化しており蝶をイメージしている様子。アニメの前期OP映像ではシルエットのみが登場していた。
本編での初登場は第21話の終盤。ドクロクシーの最終形態を浄化した後に出現した。ドクロクシーを構成していた仮初の肉体が浄化されバラバラの骨に戻ってもなお、ドクロクシーを生み出した「欲望の怨念」だけは消え去ることなくプリキュアを飲み込もうとしたが、そこに成長したはーちゃんが目覚め、強烈な光を放って怨念を浄化。ドクロクシーの生前の姿であるクシィの魂を本来赴くべき場所へと導くため、クシィの魂と共に昇天した。
この後にはーちゃんは人間に生まれ変わってしまうので、キラキラ期の姿が作中で登場した期間は1分もあるかどうかということになる。
ただ、第43話で人間になったはーちゃんが妖精の里についた時、一時的にキラキラ期に逆戻りしてしまうエピソードがあった。こちらの話での方がキラキラ期での姿ははっきりと視聴者にわかりやすく描写されている。
また、後期OP映像では最初の方の2カット、および後半のモフルンが中でダンスしているシャボン玉に一瞬映り込む形でキラキラ期の姿が描かれている。
リンクルスマホンの玩具のはーちゃん育成ゲームでは通常プレイでここまで到達可能。なお、通常プレイというのはリンクルストーンを追加で買わずにダイヤだけでも根気よく育成すれば到達できるという意味である。
この形態は通常プレイの最終到達点であり、この後はバブバブ期に戻る。無論そこまでのデータはちゃんと引き継ぎ出来る。
そして、素敵な女の子へ
消えてしまったはーちゃんは、22話で人間の女の子の姿に生まれ変わってナシマホウ界に顕現。
花海ことはという新しい名前を得て、みらいとリコ、そしてモフルンと再び生活を共にすることとなる。
そしてことははエメラルドのプリキュア・キュアフェリーチェへと覚醒し、新たな戦いの幕が開く。
詳細は各種リンク先へ。
ことはは外見もサイズも人間そのものであり、背中の羽はなく、花の形の瞳のハイライトもなくなっている。原則的に妖精の姿に戻ることはないが、キュアフェリーチェのデザインについてはキラキラ期の姿を踏襲したものとなっている。
ちなみに玩具ではここまでの育成は通常プレイでは不可能だが、別売り・もしくはフラワーエコーワンド付属のリンクルストーン・エメラルドをセットすることでロックが解除されてはーちゃんがキュアフェリーチェに覚醒する。
はーちゃんとリンクルストーン
はーちゃんが収容されてるリンクルスマホンに特定のリンクルストーンをセットし、画面に映った線をペンでなぞると、そのリンクルストーンの効果がはーちゃんのお世話グッズとして現れる。はーちゃん以外にも使用できる。お世話グッズは主に食べ物。
リンクルストーン名 | 現れた効果 | はーちゃんの変化 | 登場回 |
---|---|---|---|
ダイヤ | ユニコーンミルク | 無し | 第5話 |
アクアマリン | 空色スープ | 無し | 第5・6話 |
ピンクトルマリン | はなのパンケーキ | はーちゃんの周りに花模様が沢山現れる | 第8話 |
タンザナイト | よぞらのシチュー | はーちゃんの周りに青とピンクの☆が沢山現れる | 第13話 |
ガーネット | 太陽のミートボール | はーちゃんの胴体部分がそのまま食べ物になる | 第18話 |
アメジスト | アメジストグレープ | はーちゃんの顔の周りがブドウになる | 第19話 |
はーちゃん特殊変身形態
リンクルスマホンの玩具では特定のリンクルストーンをはーちゃんに多用するとレア効果という特殊効果が発生する。その形態でははーちゃんの髪が長くなったり、中には怪獣の様な形態になったりと容姿が大幅に変化する。
アニメでもこの形態はオープニングにユニコーン→花の妖精→雪だるま→雷神→狼の順で登場していた。
これが本編で披露されたのは第15話。はーちゃんが勝手に手持ちのリンクルストーン全部を使って食事を大量に生成し食べ過ぎでしまったため、複数のレア形態が一度にはーちゃんに付与されてしまう。しゃっくりの度にリンクルストーンごとのレア形態に変身が切り替わると言うカオスな状況になっていた。
レア形態ごとに魔法のような特殊能力も使えるのだが、モフルンの分析によればレア形態とは魔力の過剰摂取によってはーちゃんが本来内包している「不思議なパワー」が爆発した状態であるとのこと。
レア形態になっている状態のはーちゃんは魔法学的視点ではリンクルストーンと同等の存在となっていたらしく、闇の魔法つかいは新しいリンクルストーンが顕現したと誤認していた。
15話では魔力の過剰摂取があまりに行き過ぎたためか暴走状態になってしまっており、みらいやリコの呼びかけにほとんど反応せず、やりたい放題イタズラをする破天荒な性格になってしまった。
そのイタズラのおかげではーちゃんが来訪した津成木第一中学校は大騒ぎとなり、あげくに何人かのモブ生徒にはレア形態になった姿を目撃されてしまった。
なお、これらの形態は幻獣やUMA、空想生物など、未確認の生命体がモチーフになっている模様。
はーちゃんのお腹が減ったら暴走状態は収まり、力が抜けた後は性格も含めて元に戻っている。
39話では花海ことはの姿でこれらのコスプレをしていた。
余談
声優について
演じるのは早見沙織氏。プリキュアシリーズには今までゲストでも出たことはなく、今回が初登板である。
はーちゃんは放映直前に当たる2/1のリニューアルの時に初めて公式サイトのキャラクター紹介で紹介されたが、担当声優は伏せられていた。
はーちゃんの初登場は4話だが、早見氏はそれ以前の第1話で「モブキャラの猫」役で出演している。EDのクレジットで「猫:早見沙織」としっかり記載されたため、声優に詳しいファン層からはそれなりの知名度がある声優をモブの猫の鳴き声に使うことに違和感を感じ「この猫は実は後々にまで引っ張る重要キャラなのではないか」と深読みするものもいた。
実際ははーちゃん役でレギュラー出演することが決まっていたので、現場での顔合わせも兼ねてか1話の収録に参加したというのが正解だったようである(実際学研から刊行された『魔法つかいプリキュア!オフィシャルコンプリートブック』での早見氏のインタビューでも「スタッフの厚意によるものだった」と明かしている)。
本人もいろいろなモブを兼役で演じていたことについて触れており、例えば第4話でエミリーを脅かした「クモー!」と鳴いていた蜘蛛の役も担当していた。
なお、この猫は10話でも再登場し、この猫の毛がヨクバールの素材にされている。さらに22話からの第二期オープニング映像にも登場していたりして、何気に存在感があったりする。
そして最終回間際の48話で3度目の本編登場。言葉を話せるようになる魔法をかけられたことでようやくちゃんとしたセリフをもらえた。
今までのサブキャラ・ゲストキャラが総出演した最終回でも登場。数年後が舞台となったこの話では、二匹の子猫と一緒にまどろんでいる姿が描かれている。
名前に関して
「はーちゃん」の名前の由来については作中では上述の通り、彼女の口癖が「はー」だったからと言うことになっているが、ファンの間では、製作者がHER、母 花の頭文字、葉、羽、ハート、息をする音の「はー」の意味も込めたのでは?と噂されている(キュアフェリーチェがこれらのモチーフを盛り込んだデザインだった為)。
なお、アニメージュ9月号での村山功へのインタビュー記事では、「植物に関係する妖精を出すという話が企画時点であったので、葉っぱからはーちゃんと名付けることに決まった」との証言がなされている。
余談で、声を担当した早見沙織氏の頭文字も「は」である。
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