「ドクロクシー様がリンクルストーン・エメラルドさえ手に入れれば、世界は闇に包まれる。心躍るだろう?」
CV:小林ゆう
概要
第3話より登場する敵勢力「闇の魔法つかい」ドクロクシー一派の幹部で、ドクロクシーによってクモから生み出されたクモ女である。
多少人間的なシルエットを持つバッティに対し、こちらは見るからに人外であることがわかる外見である。
2人が魔法商店街でのんびりと過ごしている隙をついて、朝日奈みらいからリンクルストーン・ダイヤを奪い変身出来ない状況に陥れ、街全体を蜘蛛の巣で覆い2人が逃げられないようにするなど、罠を張り巡らす策士タイプの幹部。
不良のような風貌をしており、ヤンキーもしくはスケバンのような口調をしている。
性格
自身の策に嵌ってもがき苦しむ人々を嘲笑う残忍、サディスト的な性格の持ち主である他、魔法界やナシマホウ界の住人を弱者と見なして徹底的に見下すので、みらい達の怒りを買いやすい敵である。
そのため、自分自身に反抗するものは動物であろうと容赦をしない。
闇の魔法つかいの幹部の中でも凶悪な性格もあって、主であるドクロクシーが理想として掲げている「闇の世界」に強い憧れを持つ他、ドクロクシーの尽きることのない比類なき闇の力にも心酔している。
そのため、魔法界もナシマホウ界もいずれ闇に消える世界として切り捨てており、人間たちがどうなろうと興味を持たない。
能力
元がクモである為、蜘蛛の糸を巧みに使って天井などにぶら下がったり、相手を拘束することが出来る他、対象を逃さないため空中に糸を張りめぐらせることも出来る。
ヨクバールの素体の選考については、心を持つ生物だとヨクバールが弱くなるという理由で、無機質なものを好む傾向にある。
最終形態
第16話で見せた姿。通常とは異なる闇の魔法陣を空高くに発生させるのと同時に、周囲を暗黒の雲で覆い、自身はヘリコプターのヨクバールと合体して得た姿。
クモとヘリコプターが合体したような姿へと変貌し、身体も大きく変化する。また、腕は太く変化している。
太い腕だけでサファイアスタイルのプリキュアをも圧倒し、手のは平からは強力な落雷を放つことが可能になり、その攻撃の範囲は周囲一帯にまでおよぶ。
しかし、この形態は闇の力が強大すぎるために自身のコントロールが不可能になり、この形態になることはバッティから危険視されている。
末路
「何があっても...そいつを手に入れる!」
第15話において「これ以上の失態が続くとどうなるかわかない」とヤモーから煽られ、続く16話において、リンクルスマホンの存在を知ったドクロクシーがそれを所有したいという「強い望み」を表明したことを聞かされたため、みらいとリコからリンクルスマホンを奪い取り手柄を上げようと行動を開始した。
「闇はあらゆるものを覆い尽くす。ドクロクシー様の闇は...こんなものでは無い!」
「魔法界も...この世界も...全てを覆い...闇の世界となる!!」
自らヘリコプターと融合し、ヨクバールとなって町の空を闇に覆い尽くして2人に襲いかかるが、力を制御出来ず暴走に近い状態となる。その力で一時はサファイアスタイルを圧倒する。
そして、ドクロクシーの理想の世界を豪語し、世界を闇に染めていく。
ミラクル「どっちの世界にも大切な友達がいるの!」
マジカル「わたしに...いろんな事を教えてくれるの!! 魔法界とこの世界のみんなが!」
ミラクル・マジカル「だから...闇の世界にするなんて、絶対に許さない!!!」
しかし、ナシマホウ界や魔法界に大切な友達や日常がある彼女達を激怒させることになり、プリキュア2人の放った金魔法『プリキュア・サファイア・スマーティッシュ』を受けてもなお耐える。
「まさか! 奴が! ......アァァーーーッッ!!!!!」
最期は、はーちゃんの能力でその金魔法の力が突然強化されたことによって浄化された。
スパルダは浄化された後、素体にされていたであろうただのクモの姿に戻り、そのクモはスパルダの最期を見届けていたバッティが保護し、魔法の杖とともに回収された。
第19話で最後の戦いを決意したバッティがこのクモを解放して自由の身にしてあげたので、そのままいずこかへと去っていく。魔法の杖はバッティの決戦に使い果たされて消滅した。
プリキュアたちは気がついていないようだが、彼女たちの金魔法が強化されたのはこの戦いを見守っていたはーちゃんの祈りの力を受けたためである、スパルダ本人は浄化される直前にはーちゃんの祈りがプリキュアを強化していることを知ったが、もはやその時点では取り返しがつかない状況になっていた。
スパルダは最初にはーちゃんとリンクルストーンとの関係性に気づいた張本人であるため、そのはーちゃんが原因で敗れたことは最大の皮肉と言える。
仲間からの総評
15話でヤモーからプレッシャーをかけられていたとはいえ、倒される前のスパルダは、功をあせっていた感があった。ドクロクシーのために何かしないといけないという焦りは他の幹部以上に大きかったのだろう。
だが、バッティからは「無茶な事を…」と呆れられ(とは言うものの素体となったクモを放置せずに保護するくらいの義理は持っていた)、ヤモーにいたってはスパルダの殉職に興味を持たれず、続く第17話でも「スパルダさんの事は残念でしたが…まっ、仕方ありませんねぇ」と軽く流されていた。ガメッツも同様で「主君ドクロクシー様の為に戦い尽くした」と称賛はしたが、彼女の殉職に悲しみや焦りの感情は見せず、あまり仲間たちからは同情されてはいないようだ。
ドクロクシーは相変わらず喋りはしなかったが、スパルダがただのクモに戻ってしまったことに対して凄まじい怒りの感情を示していた。
復活
「あの時の礼はたっぷりとさせてもらうよ!」
第41話でデウスマストの眷属たるオルーバがドクロクシーが持っていた「クシィの魔導書」を奪取。だが、この魔導書の中にどういうわけかスパルダの素体であったクモが挟まっていた。闇の魔法に魅せられた記憶が素体のクモにも残っていたということだろうか。
第43話ではオルーバは闇の魔法の力を見極める実験として、このクモに対してドクロクシーがスパルダを作り出したのと同じ手順を再現してみた。つまりはスパルダの復活である。
ただのクモに戻っていた間にプリキュア達がどうなったかなど知る由も無かったので、はーちゃんが成長してエメラルドのプリキュアになった事実を知った時は大変驚愕していた。かつての自分を浄化するきっかけになったはーちゃん=花海ことはにはかなりの私怨を抱いている。
また、復活に際して、使役するヨクバールはハイパーヨクバールへと強化されている。
復活後のスパルダはオルーバには従っているものの、「オルーバの旦那」と馴れ馴れしく呼んでおり、ドクロクシーのような主君としては扱っていない。
スパルダがオルーバに協力的な態度を見せているのは、「世界が闇に包まれる姿を見てみたい」と言うスパルダの暗い欲望を叶える力がデウスマストの眷属にはあるためだ。
スパルダはドクロクシーの「闇の魔法の力」に魅入られていたので、そのオリジナルである混沌の力を持つ存在に惹かれるのは当然の帰結である。
復活した直後、オルーバと共に「妖精の里」へと侵攻し、プリキュアへの強い復讐心を糧に妖精の里を焼け野原にしようと暴れまわるが、プリキュアたちの必殺技を受けて再度浄化されて普通のクモの姿に戻る。
しかし、それでもなおスパルダの復讐心は浄化しきれずに素体のクモに残り続けており、オルーバにその強い復讐心を買われて再々度復活を果たす。
また、これらのスパルダの変わらない邪悪な行為と醜悪な心に、ことはにしては珍しく嫌悪と怒りの感情を見せていた。
「闇の世界を作るのはこのあたしさ! そのままそこで大人しく寝てな!」
第45話ではプリキュア達を倒す隙を突いてオルーバから闇の本を奪取し、自分で闇の世界を創るという本性を見せてオルーバを裏切るが、最終形態になったオルーバによってすぐに闇の本を奪い返されて圧倒され、さらに、オルーバに自分たちの存在が彼によって仕組まれていたことを知らされる。
「だから何だってのさ。私は私の為に闇の世界を作る!! それだけさ!」
しかし、闇の世界の創造という野望を強く抱いているスパルダが動揺する理由はなく、ガメッツと共にオルーバが召喚したドンヨクバールに立ち向かうも、あっさりと倒されて元のクモの姿に戻ってしまう。
たが、闇の魔法つかいとしての意地を再熱させたバッティによってモットヨクバールの素体にされ、彼と共にドンヨクバールに立ち向かい勝利する。
オルーバとの戦いを終えた後は、元のクモの姿に戻り、かつての仲間であるバッティによって拾われる。
それ以降はバッティが面倒を見ているようだが、素体に戻ってもなお改心など全くしておらず、後日談となる第50話でもクモの姿のままで懲りずに「クシィの魔導書」を狙ったが、先にヤモーが復活してしまった為失敗に終わった。
余談
ネーミングは「スパイダー(=クモ)」と「スパルタ」の合成と思われる。
クモをモチーフとした敵幹部としては『ハートキャッチプリキュア!』のクモジャキー以来、更に女性幹部としては『Yes!プリキュア5』のアラクネア以来。
人間成分がある先輩二人と比較すると、より怪物めいた外見となっている。
ついでに、敵幹部の紅一点でウエストを露出した敵キャラは、サソリーナ以来6年ぶりとなるが、当の本人のモチーフは「サソリ」である。
演者の小林ゆう氏はプリキュアシリーズの出演は本作が初となる。
ニチアサキッズタイム枠での出演はまじめにふまじめかいけつゾロリ以来である。
関連タグ
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