ガメッツ
がめっつ
「お初にお目にかかる。我はドクロクシー様に仕えし、魔法戦士ガメッツ!」
CV:中田譲治
第4話から登場するドクロクシー配下の幹部。ドクロクシーが闇の魔法によってカメから生み出した。
古代戦士のような兜と装束を身に付けており、ドクロシー一派随一の戦闘に秀でた好戦的な武人。
策略を講じるバッティやスパルダたちと違いリンクルストーン・エメラルドを入手する以上に強者との戦いを望んでいる節があり、その為にプリキュアと小細工無しで戦いたがる。
彼の出撃時はみらいとリコが諸事情で変身出来ないことも多いが、そのことを「変身するまでもないということか」という余裕の態度と勘違いし、どこかプリキュアの本気を出させる為にやっているような節もある。
2人がプリキュアに変身したり、新たな力を得た際には喜んでいた。
見てくれ通り武人らしい口調で話すが、時折コミカルな言動を取る事があり、敗退するとお茶目な言動を見せる。
力こそが正義という信念を持った礼儀を重んじる漢気溢れる武人であり、小細工を用いずに力押しで戦いに挑み、持ち前の怪力で正々堂々と強者を叩き潰すことに執着している。
その反面プリキュアが生身の状態でも容赦なく襲撃したり、モフルンやはーちゃん相手にも危害を加えることに躊躇がなく、目的のためなら無関係な土地をも吹き飛ばすという戦闘狂でもある。
力の強さというものに異常なまでの執着心を持ち、特に闇の力こそが最強であると確信しており「全ての世界は闇の力の前に従い、全ての者は闇に飲み込まれるべき」と考えている。
その本質は危険極まりない人物であるため、決して義人というわけではない。
彼は「強き者」には一定の敬意を払うが、「弱き者」に対しては存在価値そのものを認めていないのである。なので、弱々しい連中が跋扈する醜い世界が強き力である闇に同化されることは、ガメッツにとっては完成された世界の在り方ということとなる。
主君であるドクロクシーへの忠誠心は本物であり、彼からの命令には絶対に従う。そのためバッティがドクロクシーの存在に疑念を抱いても興味すら示さず、あくまでも主君の意向を第一に考えている。
生み出された自分達がドクロクシーのために命を捧げることも当然と考えており、殉職したスパルダの心境を「悔いはないだろう」と断言している。その為、殉職したスパルダを称賛しつつも哀れみの感情は一切見せていない。
また、ヤモーから渡されたプリキュアの戦いに関する報告書を破り捨てる脳筋っぷりを見せる反面、「プリキュアの戦い方は見切った」という自身の言の通り過去の戦いを踏まえて戦いに臨んでいるのは事実である。
敗北しても「予習」の大切さを力強い口調で悟るなど、単純な戦いに関して言えば単なる力押し一辺倒というわけではない模様。
ヤモーから信頼されるほどの実力者であり、怪力の戦法を得意としている他背中の甲羅を駆使して回転することもできる。
戦闘能力はおそらく初期の三幹部の中では最強であり、プリキュアをノックダウンさせたことも数回ある。しかしいつもトドメを刺すまでに余裕ぶってゆっくり歩いて行くので、そのわずかな猶予がプリキュア側に勝利を与えることがしばしば。
だが彼が戦闘するときは走って間合いを詰めるようなシーンが一切ないことから、元がカメである為に走ることができないのではないかという解釈をする者もある。跳躍は普通にでき、スピードを伴う攻撃は必ず走行ではなく跳躍を伴う。
また、一度転んでしまうと自力では中々起き上がれない。これは作中でも明示されているガメッツの弱点である。
最終形態
第18話で見せたガメッツの真の姿。魔法戦士としてドクロクシーから与えられた特別な姿であり、自身の力を抑えるリミッターとしての役割を持っていた甲羅を自ら破壊する事で変身する。
以前の姿より巨大かつスマートな姿に変貌しており、本人自身でも力の制御が出来ない程のパワーを秘めている。また髪が伸び、鎧等が多少変形している。
戦闘能力は格段に高くなり、強力な拳を使ってプリキュアたちを吹き飛ばし、重量ある両足を使ってプリキュアたちを踏み潰すこともできる他防御能力も高くなっている。
「今まで抑えてきた我が力、お前等の為に全て解放しよう...」
第17話では戦闘中に密かにリンクルストーン・ガーネットを奪い取り、それを賭けた決闘を申し込んだ。
続く第18話で魔法界の“最果て島”で決着を付けようという果し状を送り、プリキュアたちを待ち構えた。しかし、決闘場所が余りにも遠すぎた為待ちくたびれて苛立ち、終いには決闘の場所を間違えたと後悔し始めていた。
その後やってきた2人に対し、リミッターを外して真の姿になると最後の戦いを挑む。この際彼女たちとの純粋な力比べを望みルビースタイルになるよう要請するなど、これまでの戦いでプリキュアの力の特徴をある程度学んでいたようだ。
「強い者こそが正義! 闇の魔法の強大な力こそが、 今の軟弱な魔法界...ナシマホウ界を支配するに相応しいのだ!!」
「我は全てを...力で滅ぼすッ!!!」
2人を圧倒的な力で一度はねじ伏せ圧倒し、ドクロクシーの闇の魔法の素晴らしさと、その闇の魔法こそが最強であると豪語する。
遂には力で全てを滅ぼすという本音も暴露し、自身の身勝手極まりない思想までプリキュアたちに押しつけようとする。
ミラクル「戦う力だけが強さじゃない!!!」
マジカル「誰かを想う気持ちだって、強さなのよ!!!」
戦闘不能になったプリキュアに止めを刺そうとした時はーちゃんの必死な抵抗によって阻止されるも、ガメッツはそんなはーちゃんを弱き者と見なして嘲笑いいとも簡単に振り払う。
しかしはーちゃんの勇気ある行動によって立ち直ったプリキュアたちに逆転され、彼女達が想う強さを身をもって知らされる。
「全力を尽くせる強敵と出会えた事、悔いは無い...」
最期は、プリキュアたちの決め技・『プリキュア・ルビー・パッショナーレ』を受け浄化された。
初めて全力を出し尽くして戦い抜いた2人の健闘を褒めたたえ、力以外の強さが存在することを悟る等精神的な寛容さを見せ、自身の力と渡り合える強敵・プリキュアと出会えた事、全力を尽くし戦えた事に満足した。
浄化後は2人との戦いに満足しながら本来の姿であるカメの姿へと戻る。そのカメはバッティに魔法の杖共々回収され、保護された。
第19話でバッティが素体のカメを解放したため自由の身となり、アジト付近の水脈から海へと帰っていった。ガメッツの使っていた魔法の杖はバッティの決戦で使い果たされ消滅した。
最終決戦の前に果たし状を突きつけたり、プリキュアの為に全力を尽くしたり、最期は激闘に満足しつつ悪の戦士のまま散るなど、ダークフォールのキントレスキーとの共通点が多々あるキャラクターとなった。
「我はプリキュアと拳を交え、最高の決斗を果たした。あれ以上に心躍る勝負などもうあるまい」
第44話にて素体だったカメがスパルダによって捕獲され、クシィの魔導書を用いたオルーバの手でバッティと共に復活を果たす。彼のみは他の2名と異なり最終形態での復活であった。
ちなみにこの素体のカメ、浄化されて普通のカメになったはずなのだが自分より遥かに大きいサメを殴って吹き飛ばすという離れ業をやってのけている。最初から素体が規格外の強さであったようだ。
かつてのプリキュアとの決闘に本心から満足していたので復活に難儀を示していたが、エメラルドのプリキュアが新たに誕生したことを聞いた途端、一転してフェリーチェとの戦いを望むようになった。
しかし、自分の好きなように闘わせてくれないオルーバには不満気なようだ。
「我はガメッツ、強きを追い求める者! お前の力見せてみろ!!」
キュアフェリーチェがはーちゃんの成長した姿だとは想像もしていなかったが、彼女と初めて手合わせした際、怖気つくことなきその瞳の光から「かつてのプリキュアとの決闘の時に自分の前に立ちふさがった小さき者」だと気づいている。
以後は、はーちゃんに対する認識を改め、素直に彼女を「強き者」と認めている。
「我ガメッツ、何があろうと己の拳を信じて生きるのみ。それを笑うならば小僧、覚悟せよ!」
第45話では再びキュアフェリーチェに決闘しようと心踊るも、ガメッツを用済みと見なしたオルーバによって邪魔をされる。さらに、自分たちの存在がオルーバによって仕組まれていたことを知らされ、オルーバに見下され高笑いされる。
しかし、己の拳を信じる決意をもつガメッツにはオルーバの語る真相に動揺する理由はなく、スパルダと共にオルーバが召喚したドンヨクバールに立ち向かうも、あっさりと倒されて元のカメの姿に戻ってしまう。
だが、闇の魔法つかいとしての意地を再熱させたバッティによってモットヨクバールの素体にされ、バッティと共にドンヨクバールに立ち向かい勝利する。
オルーバとの戦いを終えた後は元のカメの姿に戻り、かつての仲間であるバッティによって拾われる。
それ以降はバッティが面倒を見ているようだが、素体に戻ってもなお改心など全くしておらず、後日談となる第50話ではカメの姿のままプリキュアに戦いを挑もうと近づいていた。しかし言葉が通じないせいか、一切気付かれることなく出番を終えた。
中の人について
監督はガメッツに関しては比較的シリアスな悪役としてイメージしている様子。
が、中田はその渋い声とは裏腹にお茶目な性格のため、アフレコでは笑い声を「ガーメガメガメ!」にしようとしたり、「魔法、入りました!」という闇の魔法つかいの魔法詠唱を「キュアップ・ラパパ!」に変えたり、アドリブを入れまくったとのこと。
(ちなみにこのTwitterの文も、自身がナレーターを務めた「仮面ライダーオーズ」のパロディ)
しかし流石にそれらはガメッツのキャラに合わないと判断されてか、全て監督からNGを食らってしまったらしい。
ガメッツは44話での復活よりも前に、29話でのモフデレラのエピソードで再登場を果たしている。この時のストーリーは「プリキュア達の夢の中のお話」という設定だったため、あくまで夢の中の登場人物であり本人ではない。ただ、夢の中だから本編とは全く無関係なノリが許されており、自由すぎる中田の演技によって非常にコミカルなキャラクターとして描かれた。
なお、中田は「キュアップ・ラパパ!」という呪文を気に入ったのか、こんな動画まであげている。
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