概要
イギリスの童話『ピーターパン』に登場する悪役。本名はジェームズ・フック。
ネバーランドに巣食う海賊の船長。黒い髪と髭、右手の鉤爪(フック)型の義手が特徴。紳士のような立ち振舞を好むが、ピーターパンをひどく憎んでおり、彼を貶めるために様々な策謀を巡らせる。
ディズニー版(メイン画像参照)
CV:ハンス・コンリード(第1作)、コーリー・バートン(第2作)、トム・ヒドルストン(青年期)
(日本語吹替:江原正士、大塚周夫(共に第1作)→内田直哉(第2作以降の各媒体))
『ピーターパン』およびその続編の『ピーターパン2』、その他ディズニー関連の複数の媒体に登場。
海賊船ジョリー・ロジャー号の船長で、相棒のMr.スミーをはじめ荒くれ者の海賊たちを束ねる。かつてピーターパンに左手を切り落とされた挙句にワニのエサにされて以来彼をひどく憎んでおり、ネバーランドの何処かにある彼の住処を探ろうと模索する。
突き出た大きな顎に対して頭部は小さく、長い黒髪と細いカイゼル髭が特徴。また、原作と異なり左手が鉤爪となっている。赤いコートに羽根付帽子、腰にはレイピアを携えた紳士然とした姿をしているが、気性が荒く、何かにつけてスミーや海賊たちに罵声を浴びせて辛く当たる。同時に非常に狡猾でもあり、ピーターパンを誘き出すためなら女子供すら利用し、彼の相棒であるティンカーベルの弱みに付け入りピーターパンの居場所を聞き出している。
一方で、自分の左手の味をしめて追い回すチクタクワニにはめっぽう弱く、そのワニの体内にある時計の針の音が聞こえるだけで取り乱し、スミーに助けを乞う情けない醜態をみせるなど、どこか憎み切れない側面を持つ。
ゲーム『キングダムハーツ』シリーズでは、マレフィセント(眠れる森の美女)率いるハートレス軍勢の一人として登場。当初、マレフィセントの傘下にあったリクがワールドを移動するために彼の船が駆り出される一幕もあった。
幼児向けアニメ『ジェイクとネバーランドのかいぞくたち』では、デザインこそ原点である『ピーターパン』に共通しているが、原作ほどの悪さや暴力はしておらず、主人公のジェイクたちのライバルとしてちょっかいやイジワルをするが尽く敗北している。また、左手の義手をプロペラに変形させて空を飛ぶという芸当を見せた。
因みに日本語吹替を担当した大塚周夫氏は、TVアニメ『世界名作劇場』の第15作目『ピーターパンの冒険』でもフック船長を演じている(当然ながら本作はディズニーと無関係であるためデザインは大きく異なる)。また、内田直哉氏については「海賊」「赤い服」「左手が義手」などの共通点から、同氏が演じるまぎれもないヤツを連想されることが稀にある。