ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

軍刀の編集履歴

2017-04-24 13:05:39 バージョン

軍刀

ぐんとう

刀剣類に属する武器の一種。 サーベルの別称で、特に日本では日本刀を改良した軍隊用の刀剣を指す。

軍刀とは、軍用刀剣の総称である。


ただし、軍の近代化より前の「武器として使われる」軍用刀剣は軍刀のカテゴリーには入らず、主用途が指揮や儀礼である近現代の物が軍刀とされる。


特に日本においては、明治維新以降に開発された軍用の刀剣を指す。


概要

 明治維新以降、日本の軍備を見直す際に陸軍がフランス軍を視察して参考にし、「軍刀はサーベル」と制式した。しかし日本刀の刃だけを変えた変則式のサーベルを使うものが続出したため、結局は自国に似合った独自の軍刀の開発に至る。


第一次世界大戦で騎兵が廃れて以降、軍刀の使用を取りやめる国が相次ぐが、日本では第二次世界大戦時まで製造され(その上に常時佩用し)、それ以降は儀礼用としてのみ製造されている。


特徴

日本陸軍の軍刀は明治時代にはサーベルとされていたが、昭和期の軍刀は基本的には日本刀である。鞘に収まった状態ではサーベルに近いが、抜き身になれば日本刀と同様の形状をしている。


鞘は金属製で、時代が下るにつれて柄が簡略化されていき、利便性を追求した形状へと変化していくことになる。また初期は西洋のサーベル同様に護拳(ガード)が付いていたが、改良が盛んなった昭和期以降は日本刀のを極端に小さくしたようなものに落ち着いている。

日本刀様式になった頃から、不意に刀が鞘から抜け落ちるのを防ぐストッパーが付けられる。柄の鍔に近い部分にボタンが付いていて、それを押すと鯉口(鞘の口の部分)につながる爪が外れ刀が抜き出せる仕組みになっている。


構造自体は日本刀であり、日中戦争当時に記録された破損要因も、日本刀の構造上の弱点に起因するものが多かった。刀身には、旧来の日本刀の刀身を転用したり、洋鋼を利用して強度を求めたりした物も多く、刀身が伝統的な工法による日本刀でない場合は、最寄りの自治体の教育委員会へ届け出ても登録できない場合がある。


主な軍刀 陸軍


明治19年制式

 旧型軍刀と呼ばれる最初期の軍刀。将校・士官用。

 見た目は西洋のサーベルだが、装飾などに日本刀の面影を残すものが多く、また日本刀と同じ扱いをする者が多かったために柄の握りが西洋のサーベルよりも長く、和洋折衷といった向きが強い。


昭和9年制式

 九四式軍刀の俗称を持つ軍刀。将校・士官用。

 旧来の軍刀をより日本人向けに改良した新型で、日本古来の太刀をモチーフとし"半太刀拵"となる。

背景には「軍刀は儀礼的、精神的要素が極めて大きいものであるからより日本的な軍刀を」という国粋主義、民族主義的なものから、「護拳が邪魔で扱い辛い」「柄が短く(日本人の体格では)斬撃力が足りない」と言った前線勤務の士官の切実な改善要望など様々なものがあったとされる。

佩環は太刀の足金物同様二個あるが、鯉口から二番目の佩環は着脱式である。

製などがあり、鮫皮を張ったものも存在するなど個人の趣味にもよるが多彩である。

戦争も始まったばかりで品質もよいものが多い。


昭和13年制式

 九八式軍刀の俗称を持つ。服制改正で九四式の第二佩環を廃止したのみで基本的な差異はない。

しかし、三式軍刀の生産が始まってからも終戦まで多く生産され、個人の嗜好や時勢の悪化などによりバリエーションは多岐にわたる。


昭和18年制式

 三式軍刀の俗称を持つ軍刀。将校・士官用。

 前式までの軍刀から問題視されていた構造の脆さを払拭すべく、構造を簡略化しつつ要所要所をより強化した堅牢な拵えを実現した。金具の材質を鉄とし、装飾を減らし、柄にも変更を加え打刀により近い形となった

 ただ、戦地で日本軍を捕虜としたアメリカ軍は刀身の価値に全く無知であったことから、もっぱら装飾の凝られた柄や鍔、鞘ばかり回収して肝心の刃を投棄していたという、なんともお粗末な行動をしていたという(工芸品は明治時代に大量に海外に流出したが、刀は流出が乏しかったため、アメリカ人に馴染みがなかったからか)。家伝来の名刀を軍刀にした結果、戦場での破損や喪失をこうむってしまった例も多い。


三十二年式軍刀

 下士官用に製造された軍刀。

 旧型軍刀と同じく、西洋のサーベルを模したもの。

 そのため兵士たちからの評判は芳しくなく、のちに三十二年式改と呼ばれる柄を日本刀のものに改良したものが製造された。

 なお、この軍刀と南部式自動拳銃を合体させたガンブレード風軍刀という浪漫ダダ漏れな一品も製造されたことがあったが、中途半端で使いにくいと試作品止まりとなった。


九五式軍刀

 三十二式軍刀の後継として開発された軍刀。

 柄を金属製(/アルミニウム)に変更し、要所を簡略化して量産向きにしている。第二次世界大戦の末期には、資源不足から鞘や柄を木製に劣化させている。

 扱いやすさを追求した軍刀で、三式軍刀と同様に形状はほぼ日本刀に近い。

 最大の特徴はその頑強さで、現存する旧日本軍の軍刀の中では最も丈夫な刀とされる。


主な軍刀 海軍


長剣

 明治から後述の『太刀型』まで採用された、サーベル型の軍刀。日本刀刀身を仕込む、柄がやや長いなどの特徴は陸軍のものと同じだが、陸戦の機会が少ないせいか儀礼的で華美である


軍刀

 太刀型の俗称がある通り、鎌倉時代の太刀をモチーフに日本刀型に改められたもの。陸戦隊の経験により変更されたが、やはり陸軍のものより儀礼的である。

 主に知られるのは「昭和十二年式軍刀」。

 黒革で外装を仕立て、腰からベルトで吊るして“佩いて”携行した。

 刀身は海上で勤務する関係上、ステンレスを配合して塩害による錆に強くしてある。


関連イラスト

シュパッと
ポーズとらせてみた


関連タグ

サーベル 日本刀

日本軍

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました