CV:井上喜久子
人物像
ギャラルホルンの地球外縁軌道統制統合艦隊司令官。階級は一佐。
ギャラルホルンを束ねる「セブンスターズ」の第一席であるイシュー家の1人娘であり、その威光もあって一佐の地位を得ているものの、イシュー家当主である父が病床に付している事もあって家の立場は弱く、後見人であるファリド家当主イズナリオ・ファリドの後ろ盾を得て活動を行っているのが現状である。
感情の起伏が激しい面もあるが、誇り高さと純情な乙女の部分も持ち合わせる。
幼少の頃より負けず嫌いで周囲の言うことを聞かないお転婆娘といった評価を受けているが、その一方で敵や格下の人物であろうと対等に接する高潔さを持ち合わせる。
ガエリオ・ボードウィン、マクギリス・ファリドとは幼い頃からの付き合いであり、二人を引っ張り振り回すリーダー的存在であった。
ガエリオとはお互いに反りが合わず苦手意識を抱かれている一方で、マクギリスに対しては「あの男」と呼びつつも幼少期に一目惚れして以来恋心を抱いており、その為か地球外縁軌道統制統合艦隊にはマクギリスと同じ金髪碧眼の男性士官が多く所属している。
マクギリスが婚約したことには後見人であるイズナリオの威光もあってか表立っては逆らえていないが、「ションベンくさい小娘」とアルミリアを兄のガエリオの前で呼ぶなどやはり面白くはない模様。
彼女の率いる地球外縁軌道統制統合艦隊は地球軌道の直掩艦隊とは言え、月軌道に駐留するアリアンロッド艦隊の存在もあって実戦経験は乏しく、その実態は「出撃する機会の無いお飾りの艦隊」と呼ばれる程の閑職であった。しかし、本人はその事を自覚しつつも「面壁九年・堅牢堅固(めんぺきくねん・けんろうけんご)」を合言葉に誇りを持って日々訓練に励んでおり、、腐敗の進むギャラルホルン内部に於いて高潔さを保っている。
部下には何かと厳しく檄を飛ばすが、彼らが危機に至ればすぐ救助を向かわせたり死亡した部下を悼むなど面倒見もよい。そのため部下達からも信仰に近い忠誠心を得ており、彼らはカルタのために命を投げだすのも厭わず、戦死の間際にも涙ながら彼女の名を呼ぶほど深く慕われている。
一方で、その高潔さ故に敵を立場や目的が異なる人間として捉えられず、戦闘に於いて後手に回る事も多い。
艦隊指揮官としては、実戦経験がほぼ皆無なこともあって想定外の事態には弱く、戦場であっても己の価値観や陣形の維持、正々堂々さを優先するなど、戦場を正しく戦場と認識できていない未熟な面が目立つ。
一方でMS操縦技術や戦闘センス自体は悪くなく、取り乱した後の立て直しの速さや、敵の意表を突く奇襲作戦などでその才覚の鱗片を覗かせており、部下との信頼関係もあって指揮官に不可欠な才能と人望に富んでもいる。
鉄華団追撃の為に自らを頼ったガエリオからの報告を受け、鉄華団の地球降下を阻む為の作戦行動を取るが、陽動と撹乱によって後手に回らざるを得なくなり、モビルスーツ部隊による追撃も虚しく彼らの地球降下を許してしまう。
この失態の汚名を雪ぐ為に自らグレイズリッターに搭乗し、モビルスーツ部隊を率いて鉄華団を追撃するために地球へ降下。ミレニアム島で鉄華団と交戦し、ビスケット・グリフォンを討つも、それにより三日月・オーガスの怒りを買い、彼の駆るガンダム・バルバトスの攻撃を受けて撤退を余儀なくされた。
度重なる敗北は家の名に泥を塗った事への屈辱と焦りへと変わり、イズナリオとの折衝で鉄華団追撃の任を勝ち取り、マクギリスの激励もあって、覚悟を決めて追撃に臨む。そして、鉄道を使って、エドモントンに向かっている最中の鉄華団に三対三の決闘を申し込むも、独善的な決闘を無視した三日月の駆るバルバトスの不意打ちによって部下達を撃墜される。さらに自身も先手を取られて不利なまま追い詰められ氷の張った湖に機体を叩きつけられコクピットに冷水が浸水し一気に衰弱してしまい涙ながらにマクギリスに助けを求める。駆けつけたガエリオのガンダム・キマリストルーパーに救出されるも、既に機体損傷による負傷も深く、コクピット内に侵入した冷水や寒冷地の外気により低体温状態に陥って判断力を失った彼女は助けたガエリオをマクギリスと思い込み、想い人への謝罪を繰り返しながら息を引き取った。
結果的にマクギリスの策略で命を落としたのだが、その後、真相を知るガエリオが表舞台に復帰するまでに一定の時間を要したとは言えラスタル・エリオンの口からカルタの死の真相を白日に下に晒され、皮肉にもマクギリスが追いつめられる要因の1つとなった。
また彼女の死後にイシュー家は断絶しており(新たな後継もないまま父も死去したとみられる)、同じくクジャン家・ファリド家も断絶したことでセブンスターズの合議制は終了、民主的な制度に移行した。