火打ち石
ひうちいし
古くから打ち金と併用し、着火道具の素材として用いられた石の総称。
概要
古来より火を起こす目的で道具として使われてきた。
石と金属の板という単純な構造であるため、大掛かりな装置は不要であったが故に重宝された。
表記揺れは「火打石」で、実際はこちらの方が正式な名称であるが、世間一般では「火打ち石」で定着している。
古い表記は「燧石」で、”すいせき”とも呼ばれた。
仕組み
着火の原理としては、火打石を「打ち金」に打ち付けることによって、打ち金から剥がれた鉄片が火花を起こし、着火対象に引火させる。
なお火打石同士を打ち合わせても火花は出ない。
打ち金は金属が用いられるが、当の火打石の材質は様々。
最も一般で知られているのが黒曜石や石英といったガラス質の鉱物が顕著だが、ぶっちゃけ打ち金を削れるだけの硬度があればいいので、金属の打ち金さえ用意できれば、火打石はそこらの石でも代用できる。
目安としては、ガラスに打ち付けたり引っ搔いて、ガラス側に傷が出来るくらいの硬度があれば、打ち金に叩きつけた時に火花が出る確率が高い。
摩擦式(木材の棒で木の板の一点をゴリゴリ擦ることを繰り返して発火させるアレ)より簡単だと思われているが、古代ヨーロッパで用いられていたものは、摩擦式よりも効率が悪かったとされる。