おれが最期にみせるのは、代代受け継いだ未来にたくすツェペリ魂だ!
人間の魂だ!
概要
第2部「戦闘潮流」に登場する波紋使いの青年。1918年5月13日生まれの20歳、イタリア人。
第1部「ファントムブラッド」に登場したウィル・A・ツェペリ男爵の孫。父はマリオ・ツェペリ。祖父のシルクハットを所持している。
主人公ジョセフ・ジョースターの戦友であり相棒。シーザーもまた一族にわたる宿命を背負っており、ジョセフと共に柱の男に立ち向かっていく。
人物
初登場時には歯が浮くようなキザな言葉で女性を口説くナンパ男だが、根は真面目で正義感と責任感の強い好青年である。ツェペリ家の人間であることを誇りに思っており、それを侮辱する者には容赦しない。
また、波紋法の師であるリサリサのことを実の母のように慕っており、リサリサに無礼な態度を取るジョセフに突っかかるというシーンが何度か見られた。
軽い性格のジョセフとは当初はソリがまったく合わず、波紋を使ってのぶつかり合いまでやっている。しかし、ローマ地下でのワムウとの最初の戦闘において、ジョセフが自身を囮にスピードワゴンと自分を助けようとしたことを機に彼を見直すようになる。その後、リサリサの下での厳しい修行を通して無二の親友となり、息の合ったコンビネーションを披露する場面が多くなっていった。(最終的にはシュトロハイムが驚くほどジョセフの考えを的確に察することが出来るようになる。)
略歴
過去
幼いころ、シーザーは父・マリオと兄妹達と共に幸せな生活を送っていた。
(母親はすでに他界しており父子家庭であった)
しかしある時、マリオは家族に何も告げずに突然姿を消してしまう。最初こそ父親の友人や近所の人達に優しく世話されていたが、生活費として残していった資金も破は親方の悪い親戚に騙し取られ、シーザーは環境の悪い孤児院に入れられ他の兄妹たちも離れ離れにされてしまう。
この経緯からシーザーは父を憎悪するようになり、その性格も荒んでいった。後に孤児院を脱走し、ローマの貧民街でケンカと犯罪(殺人以外)に明け暮れる生活を送る。
この頃から本人に自覚はなかったが波紋一点集中の拳一撃で相手を一ヶ月間昏睡状態に出来るほど波紋を使いこなしており周囲からは恐れられていた。
それからしばらく経ち、16歳になったシーザーは偶然コロッセオで父マリオの姿を発見する。
彼を殺そうと思いマリオを追跡したシーザーだったが、不用意に柱の男が眠る壁に触れてしまう。壁に吸収されそうになったところにマリオが割って入り、代わりに彼が柱の男に吸収されて死亡してしまう。マリオは助けた青年が自分の息子だと気づかぬまま死んでいったが、赤の他人さえも自らを犠牲にして助けるというツェペリ家の誇り高き精神を受け継いでいた。
この一件で、シーザーは父親が自分や家族を捨てたのではなく柱の男や吸血鬼との戦いに巻き込まないために自分達に何も告げずに去ったことを知り、それまで父に対して抱いていた憎悪を捨て父とその血統を強く誇るようになる。そして、祖父と父の遺志とツェペリ家の誇り高き精神を継ぐことを決意し、父の遺言に従い波紋使いリサリサを師事するようになる。
ワムウとの死闘
カーズとワムウのアジトのホテルを目前にしてジョセフと意見が食い違い、危険を承知の上で単身ホテルへと乗り込む。そこでステルス能力を駆使してメッシーナを再起不能にしたワムウと交戦し、翻弄されるもシャボン玉による遠距離攻撃でワムウに確実なダメージを与え続ける(TVアニメ版では原作ではなかったホテル内でのシーザーとワムウによる風とシャボン玉の撃ち合いの描写が追加されている)。そしてシャボンレンズで太陽の光を反射させてワムウの動きを封じ、その隙に接近戦を仕掛け体に直接波紋を流し込もうとしたが、その際にできた影で一瞬だけ動けるようになったワムウに隙を突かれ、『神砂嵐』を至近距離からモロに受けてしまい、後一歩の所で力及ばず敗北。しかしその猛攻はワムウをして『カーズ様だったら負けることはないにせよ、私以上の苦戦を強いられていた』と言わしめた。
壮絶な最期
「JOJOーー!!俺の最期の波紋だぜーー!!受けとってくれーーッ!!」
しかしそれでも尚立ち上がったシーザーは隙を突いてワムウから解毒剤入りのピアスを奪い取ることに成功し、最後の力を振り絞って自分の血で波紋を込めたシャボン玉を作り、その中にピアスをつけたバンダナを入れて飛ばし、力尽きて絶命。死後彼の遺体は崩れてきた瓦礫の下敷きとなった。彼もまた祖父ウィル・A・ツェペリがジョナサンを、父マリオ・ツェペリが自分を助けて死んだように、シーザーは親友であるジョセフの為に自らの命を犠牲にしたのだ。
尚、落ちてきた瓦礫の形は、皮肉にも十字架のような形であった。
彼の死には親友であったジョセフはおろか、冷酷に振舞おうとしたリサリサですら悲しみの涙を流さずにはいられないほど衝撃を与えた(なお、ワムウ戦前に喧嘩をして以降はジョセフとシーザーは直接顔を合わせておらず、結果的に二人は最期まで仲直りすることができないまま別れることになってしまった)。
リサリサからシーザーの過去を聞き、ジョセフは共に戦う決意を決め、向かった矢先の悲劇だった。
ワムウも命を賭してジョセフに解毒剤を託そうとした彼の姿に敬意を表し、下記の言葉を言いつつ鮮血のシャボン玉を割らずに見逃している。
「俺はお前のことを永遠に記憶の片隅に留めておくであろう、シーザー。 シャボン玉のように華麗で儚き男よ」
シーザーの死亡シーンはジョジョ全体を通しても屈指の名場面として名高く、涙腺崩壊必至である。
「シィィザーーーーーァァァッ!!」
その後のジョセフvsワムウ戦において、ジョセフは最後の最後にシーザーの形見であるバンダナを利用してワムウを倒し、シーザーの仇を討つことに成功している。死してなお、シーザーは最後までジョセフの心強い相棒であり続けたのだ。
能力
シャボン玉を媒介とした波紋攻撃を得意とし、いつでもシャボン玉を出せるように衣服には石鹸水を仕込んでいる。ビショビショに濡れそうである。
シャボンバリアー
相手の体をシャボン玉で包み込む技。ジョセフと初対面した際の小競り合いで使用した(技名は『オールスターバトル』より)。
『オールスターバトル』ではハート・ヒート・アタックとしての扱いで、相手の体をシャボン玉で包み込んでから破裂させてダメージを与える。
シャボンランチャー
シャボン玉に波紋を込め、勢いよく発射する技。初使用はワムウ戦(初戦)。
シャボンカッター
波紋を込めたシャボン玉を高速回転させて円盤状にして発射する。祖父ツェペリ男爵の技・波紋カッターを参考にした技。シャボンカッターを地面スレスレの軌道で発射する「シャボンカッター・グライディン」という技も存在する。ワムウ戦(再戦)で使用。
シャボンレンズ
大量に発射したシャボンカッターを利用して太陽光を集め、相手に一点照射する技。
『オールスターバトル』ではグレート・ヒート・アタック(いわゆる最強必殺技)で、シャボンレンズで相手を取り囲み、集まった光をレーザー光線のようにして相手を攻撃するというものになっている。ワムウ戦(再戦)で使用。
「真っ黒に感光しろ!!」
余談
他のキャラと同様、ジョセフのことを「JOJO」と愛称で呼ぶ(初登場時は「ジョースター」。その次の回からは「ジョジョ」。柱の男たちとの初遭遇時あたりからJOJOとアルファベット呼びになった)。「ジョセフ」と名前で呼ぶことは一度も無かったので創作で漫画を描く人は注意が必要。
シーザーはイタリア読みではチェーザレであるが作中では英語読み。
彼の祖父の名前も英語名のウィリアムの愛称形であるが、本来はイタリア語ではグッリェルモという名前になる筈。
第5部でも語られたように、本来イタリア人はJの発音を苦手としているはずだがイギリス人のリサリサの弟子であるためかスージーQ同様にJの発音に苦戦している様子はない。
ちなみに「マンマミ~ヤ」が口癖らしいが、そんなに言っていないような気がする。
担当声優
佐藤拓也(TVアニメ版、オールスターバトル、アイズオブヘブン)
関連イラスト
関連タグ
ジョセフ・ジョースター リサリサ スピードワゴン ワムウ カーズ
空条徐倫・・・父親のせいでグレたが最後には和解したこと、ボス級のキャラに倒されるところ、仲間に自分の意志を託すところなど多くの共通点を持つ。