グランスフィア
ぐらんすふぃあ
「人類よ、そのもの達の中へと同化せよ。そのもの達もかつて、おまえ達と同じ様な人間であった」
「限りある命におびえ、互いに争い、ついには自らの星をも破滅への危機へと追いやった」
「だが彼等は克服したのだ。人を、あらゆる有機物、無機物を、ついには惑星自体も一つに融合し完成させた、完全無欠の生命体。それが私だ。まだ間に合う。地球が滅び去るその前に、私はおまえ達を迎え入れよう」
「私こそ地球の歩むべき、『未来』だ‼」
概要
ナカジマ隊員曰く、「今までとはまるで桁違いの怪物」と称した宇宙球体 スフィアの本体で、遥か遠い昔、とある惑星が自身に住まう全ての生命体と一体化した存在にしてウルトラシリーズ最大の大きさを誇るウルトラマンダイナのラスボス。
その目的は宇宙の全てと存在と同化することであり、地球を太陽系諸共自身へと同化するために太陽系へと接近してきた。
闇の中から姿を現す際や自身の虚像を世界各地に投影させた際は女性の笑い声の様な不気味な高い音を出す特徴を持つ。
また、他のスフィアたちがコスモネットを通じ、人類にコンタクトを取ってきたのに対し、直接喋ることが出来る高い知性を持っている。
本体の周辺の重力を自由自在に操作できる能力を持っており、周囲にブラックホールの様な高重力場を発生させ、それに包まれることで身を護り、殆どの攻撃は本体に届く前に高重力場に飲み込まれて届くことが無いという極めてチートクラスの防御力持っている。
また本体も近づく者に対しては、強力な電撃光線で迎撃し、さらに幻覚を操る事も可能で、これまでダイナやスーパーGUTSにより撃破された怪獣達の虚像をばら撒くことも可能である。
また、重力操作能力以外にも、ソルジェント光線やネオマキシマ砲さえ防ぐほどの超強力なバリアを展開できる。
上記の能力を遺憾なく発揮し太陽系の外周部から惑星を飲み込みながら地球へと接近、人類に自らと同化するように迫る。
「あの卑怯者をぶちのめすまで、死んだりなんかしねえ!!」
「それに俺は…君だけを護りたい!!」
しかし、ネオガイガレードとの一戦でバリアが一方向にしか展開できないという弱点をアスカに見抜かれてしまう。グランスフィアは発射されたネオマキシマ砲を防ぐためにバリアを展開した。
スーパーGUTSの隊長、ヒビキの叫び声と共に、ダイナはゆっくりとその腕を十字に組んでいく。
「俺は俺だ!」
「ウルトラマンダイナだ!!」
「届けえええええええええええっ!!!!」
暗黒の闇を切り裂いて、一条の光が飛んでゆく。
ソルジェント光線はグランスフィアの表面に着弾し、大爆発を起こした。
しかし、死んでもタダでは転ぶということはなく、その時のグランスフィアの死によって生じた高重力場の存在した宙域に「光すら脱出不能なほどの」重力崩壊が生じて時空の歪みが発生し、その時空の歪みにダイナは飲み込まれてしまった。
主人公をシルバーブルーメのMAC基地襲撃により行方不明になったウルトラセブン同様の末路(ようはダイナの一時行方不明)に追いやったという、多くの視聴者に衝撃的なトラウマを植え付けるという展開へと持って行った恐るべき強敵であった。
このラストに度肝を抜かれた視聴者は多いらしい。
結局、アスカが無事な姿を見せるにはウルトラ銀河伝説まで実に12年もの歳月を必要としたのだった。
余談
その性質上、行動は『帰ってきたウルトラマン』に登場したバキューモン、本質(性格)はウルトラマンGのゴーデスによく似ているとファンの間では言われているらしい。
企画段階での最終回のタイトルは「明日へ」と書いて「ひかりへ」と読ませていたのだが、余りにも無理やりだったため、没になった。そのサブタイトルは再編集版「光へ…」にて採用された。
最終回放送直後に脚本を担当した長谷川圭一の知人から電話で「俺の子供が泣いてる、なんてことしてくれたんだ!」と怒られたそうだ。