概要
人類を生活様式で区分したときの区分のひとつ。ひとつの場所に定住せず、移動しながら放牧を行う人々のこと。
充分な数の家畜を恒久的に飼育するため、植生を食いつくしてしまうことがないように移動しながら暮らしを営んでいるが、あてどもなく彷徨うわけではなく、基本的には集団ごとにある程度決まったルートの中を回る。
文化的生活のためには定住しての生産も必要となるため、定住する集団を内包していたり、定住民族との交流を持っていることが多く、都市を建設する場合もあった。
かつては中央アジア辺りに多く見られたが、現在は定住化が進みつつある。
定住を前提とする民族とは文化、価値観の違いが大きく、問題が発生することも多い。
pixivでは遊牧民の生活や服飾を描いた作品が多く、「民族衣装」タグとも併用される。
遊牧民と戦争
「馬上で子供を育てる」と言われるほど幼少期から馬に親しんでいるため、遊牧民の子供は自然と熟練の騎兵となり、定住民族では達人技扱いの騎射もこなしてしまう。そのため戦闘力が極めて高い。
食料が自分の足で歩いてついてきてくれるため、食料の運搬保存に苦労する定住民族とは組織的な行動力も段違い。
このため中世までの世界において遊牧民族は強大な軍事力を発揮しており、遊牧民によって滅亡した国家も多く、中世の歴史に多大な影響を及ぼしている。
しかしながら、銃砲の発達や都市構造の進化により、遊牧民族の武力は徐々に通用しなくなっていき、やがては逆に生活圏を圧迫されるようになっていく。