概要
第2次ネオ・ジオン抗争後、ネオ・ジオン残党袖付きがガルスJをベースにかつて旧ジオン軍が一年戦争末期に開発したケンプファーのコンセプトを継承した強襲用MS。
拠点突破を重点においた徹底的なカスタマイズが施されており、ベース機とは大きく異るシルエットを有する。
特に装甲の削減や推進装置の外装化等により、ガルスJと比較して50%もの軽量化を果たしているが、軽量化のあおりを受けて肩部には装甲が施されておらず、ギラ・ドーガとザクⅡのシールドを組み合わせた「スパイクシールド」を肩に装着している。このスパイクシールドは近接戦闘時に武器として転用する事ができ、マニピュレータに保持してボクサーグローブのように使用する。
ただし、装甲を削減した結果機体各部の干渉部分が解消され、運動性が向上している。
その他、肩部のミサイル・ポッドは姿勢制御用のマグネット・アンカーに変更され、チェーン・マインを装備するなど、特殊な状況下で運用するその機体特性を更に際立たせている。
一方で、バックパック及びメインスラスターを始めとした長距離推航行用のブースター類は全て取り払われており、搭載された燃料も少ない為、機体の航続距離は極めて短い。
感覚的には陸戦用のモビルスーツを宇宙で運用するのとほぼ変わらず、短距離の移動に於いてもマグネット・アンカーを駆使する必要があるなど、パイロットの技量が問われる物となっている。
長距離を移動する為にはズサのブースターを外装する必要があるが、戦域到達時にパージされる為、実質敵拠点へ強襲する為の片道切符でしかない。
この様に、並のパイロットでは到底乗りこなすことが困難な非常に癖のある仕様となっているため、パイロットであるビランチャ・ベーア中尉専用機となっている。
袖付きで保有しているガルス系機で他に同じ仕様の機体が存在しないため、バリエーション機とは言うものの、上記のような非常に癖のある仕様により正式なバリエーション機とは言い難く、正しくは現地改修機、もしくはビランチャ中尉専用のワンオフ機と位置づけられているものと思われる。
戦闘ではインダストリアル7に向かうネェル・アーガマを僚機のズサとともに強襲し、カタパルト上でコンロイ専用ジェガンと至近距離戦を繰り広げたが、フルアーマーユニコーンガンダムのブースターに跳ね飛ばされて戦線を離脱した。
なお、戦線離脱後は漂流中にたまたま損傷したリゼルと遭遇し、自分を弾き飛ばしたブースターを用いて救助、後にパイロットも救援に現れたズサブースターによって救助された。