概要
大阪に上陸したゴジラに対し、抗核エネルギーバクテリアを撃ちこむ任務を受けた陸上自衛隊の権藤吾郎一佐は、特殊部隊員三名を率いて大阪ビジネスパークのビル街にスタンバイした。
スーパーX2にゴジラが気を取られた隙に、抗核バクテリア弾を4発中2発が命中させ、任務は成功。隊員たちに引き上げを命じた権藤一佐だったが、ビルの窓から彼を発見したゴジラは、彼のいるビルに接近してきてしまった。
必死で脱出を促す部下の無線を尻目に、黙々とランチャーを準備する権藤一佐。
振り返ると眼前で吠えるゴジラの姿。
しかし彼はその瞬間、相手の巨大な口の中に抗核バクテリア弾を発射、みごと命中させるのだった。
「薬は注射より飲むのに限るぜ、ゴジラさん!」
笑みすら浮かべて、不敵なセリフを吐く権藤一佐。怒ったゴジラにビルは破壊され、彼は帰らぬ人となった。
解説
ゴジラシリーズはウルトラシリーズ等と違い、怪獣と人間の力の差があまりにも歴然としているため、「生身の人間が巨大な怪獣に挑んでいく」というようなシチュエーションが殆ど無い。そのため、死が目前に迫る中、ゴジラに一歩も引かずに挑んだ権藤一佐のセリフは、ゴジラシリーズでもひときわ印象深く、高い人気を誇っている。
後にも先にも、バズーカ一丁で堂々正面からゴジラに挑んだ人間は彼だけなのだから。
余談
25年後の『GODZILA(2014)』では、主人公が、自分に狙いを定めたムートーを前にピストルを構え、最後まで戦う姿勢を見せるという、権藤一佐のシーンにも通じる名場面が作られた。
が、映画館での観客のリアクションを集めた動画を見る限り、アメリカ人にはウケが悪かったらしく、失笑を買っている。
台詞の内容が本当なのかというと、実際には、普通の薬は経口摂取よりは静脈注射の方が効くらしい。まあ薬と言うよりは病原菌を撃ちこんでるわけだし、あくまで「飲むのに限る」というのは、権藤一佐が注射嫌いということかもしれない。
小粋なジョークに深く突っ込むだけ野暮であろう。
だが、それから27年後、経口摂取だからこそ通用する存在が現れることになる……。
「クスリはやっぱり注射に限るぜ、怪獣サンよォ!!」という正反対のセリフがある。
関連タグ
ゴジラ ゴジラVSビオランテ スーパーX2 抗核エネルギーバクテリア