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中性子の編集履歴2018/05/12 15:38:22 版
編集者:超合金ZZ
編集内容:重力とは相互作用するため、地球では下に落ちる

概要

陽子とともに原子核を構成する要素のひとつで、質量数1の水素以外の全ての原子核に存在する。陽子とほぼ同じ(厳密にはわずかに大きい)質量を持ち、電荷を持たない。

単体では

中性子そのものは不安定な粒子であり、原子核を成していない状態では一部の例外を除き、約15分(半減期約10分)で陽子と電子、反電子ニュートリノ粒子に分裂する(崩壊過程は2種類ありそれぞれ寿命が違う。両者の違いには暗黒物質の関与があると言われている)。

中性子線発生の仕組み

中性子単体が飛び出して中性子線となるためには核反応が起きなければならない。

現在の人類の科学では均質な中性子線を安定して得るためには核分裂を起こす装置である原子炉が必要となるが、原子炉からの中性子線ほどの均質さや安定供給を求めない場合はカリホルニウム252の自発核分裂や加速器を用いた核破砕反応でも得られる。

性質

電荷を持たないため観測が難しく、また物質中を通る際にα線、β線及びγ線の様に付近の物質の原子をイオン化してエネルギーを失うということがないため、何らかの原子核と正面衝突した際に働く核力以外ではエネルギーを失わない。そのため、長い飛程を持つ。このときの移動距離を平均自由行程といい、下表のような距離になる。

媒質平均自由行程
空気220m
1.7mm
重水1.54cm
ウラン0.35mm

さらに、荷電粒子と異なり、電磁場で制御するといったこともできないため、減速・進路変更・吸収といった制御は飛んでいく先に原子核を配置しなければ制御できない(ただし、重力とは相互作用するため、地球では下に落ちる。また磁気モーメントを持っているため磁石の性質はある)。また、中性子を得る手段も現在の人類の科学では核分裂反応以外にない。(重水素と三重水素の核融合反応でも中性子は出てくるが、爆弾としてしか成功していない上に現在の科学では点火する条件を満たすために核分裂反応を使用した爆弾である原子爆弾が必要)

生体に対しては

中性子の照射による生体への被曝は中性子の運動エネルギー量によって異なる。そのため、同じ定義(両方とも[J/Kg])であるグレイ(Gy)とシーベルト(Sv)を換算するときは

    (定数)×n[Sv] = n[Gy]

となる。この定数は放射線荷重係数といい、下表の様になる。

運動エネルギー定数
〜10keV5
10keV〜100keV10
100keV〜2MeV20
2MeV〜20MeV10
20MeV〜5

注:1[eV] ≒ 1.602176487×10⁻¹⁹[J]

[eV]とは「電子ボルト」といい電子1個を1Vの電位差で加速したときのエネルギーだが、単位の定義が同じなので定数との乗除算で同じくエネルギーの単位であるジュール(J)と換算できる。

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