概要
『ガールズ&パンツァー』本編から遡ること約4年。
ライバル校の一つである黒森峰女学園を舞台に、ガルパンシリーズ最大の謎とされてきた西住みほ達の過去を描いた作品である。
タイトルにある通り、主人公は後の副隊長・逸見エリカが務めることになる。
多くの魅力的な背景を持ちながら、本編ではそれらが活かされることがなかったエリカだったが、『劇場版』あたりから再評価の流れが生まれており、本作はある意味でその到達点であるとも言えるだろう。
黒森峰女学園中等部に入学した、当時中学一年生の逸見エリカ。
彼女が憧れのスター選手・西住まほの背中を追いながら、小学校時代からの友人である楼レイラや、数々の仲間たちとの切磋琢磨を描いた物語であるとされている。
……しかし、これまでに明かされた本編設定に沿うならば、エリカの行く先には、絶対に届かない壁を前にしての挫折、そして例の全国大会の悲劇が待ち受けていることになる。
どうあがいても絶望に突き進むしかないシナリオであることを考えると、瞳をキラキラさせた純粋だった頃のエリカの姿が、なんとも涙ぐましいものに見えてくるのはご愛嬌。
第5話からは高等部編がスタートしており、上述した悲劇へのカウントダウンが始まっている。
作者は本編コミカライズおよび『激闘!マジノ戦です!!』を手掛けた、才谷屋龍一氏。
自身も梅太郎名義でPixivアカウントを所有しており、サイト内で特別予告編を見ることができる。
もともと同氏の手がけたコミカライズでは、アニメで省かれたエリカ及び黒森峰のエピソードが大きく補完されているため期待が寄せられており、高等部編ではOVA『これが本当のアンツィオ戦です!』で少しだけ触れられていた一年前の継続高校との練習試合も描かれる。
登場人物
黒森峰女学園
本作の舞台。
戦車道の強豪中の強豪であり、特に高等部は全国大会の連覇記録を更新中。
学園艦は人口10万人を超える巨大学園都市として有名である。
本作の主人公。中等部1年→高等部1年。
憧れの西住まほを追って黒森峰女学園中等部に入学し、まほの妹で自分と同じ1年生でありながら副隊長に抜擢された西住みほに激しい対抗意識を燃やす。
中等部2年→高等部2年。
当時から既に隊長の座に就いており、高等部での隊長の座も約束されていると噂されている。入学したばかりのみほを新たな副隊長に任命した。
中等部1年→高等部1年。
まほの妹で、入学して早々に姉のまほから新しい副隊長に任命される。
中等部1年→高等部1年。
エリカの友人で、小学校時代からの戦車道仲間。
学年不明。
みほの入学と同時に副隊長の座を彼女に譲り、自身は砲手に転向する。
中等部1年→高等部1年。
みほの友人で、上述した「例の全国大会の悲劇」に大きく関わることになる人物。
レイラをはじめ、一部のキャラクターは公式アンソロジーに掲載された作品「エリカの誇り」から流用されている。
継続高校
TVアニメ本編から一年前、全国大会9連覇中の黒森峰女学園から練習試合を申し込まれる。
当時の隊長。
頭に宇宙人のような触覚が付いたカチューシャを付けている。自由奔放な性格で、思い付きで色々やっちゃう行動派。レン曰く「トリックスター」。
当時の副隊長。自由奔放なトウコに振り回されている苦労人。
後の隊長。
当時から継続高校のエースとして頭角を現しており、黒森峰との練習試合では自身が乗るBT-42をはじめとした快速戦車隊を率いている。
BT-42の搭乗員で、当時からミカとトリオを組んでいた。
その他
まほとみほの母親で、西住流戦車道の師範。
文科省から世界大会の誘致に向けた国内プロリーグ設置委員会の委員長に就任してほしいと頼まれる。
文部科学省学園艦教育局の局長。本名は辻廉太。
余談
上述した予告編なのだが、7ページ目にとんでもない誤植がされており、連載が始まる前から変な意味で話題になってしまった。