概要
「CODE OF THE DUELIST」にて登場する攻撃力2500・光属性・サイバース族のリンクモンスター。
OCGではリンク4である為、モンスター4体という重い召喚条件であるが、プロキシー・ドラゴン等のリンクモンスターを使う事で最低2体でのリンク召喚も可能である。
モンスター効果のバウンスは条件付きではあるが、同名カードに縛られていないため、リンクマーカーの位置に合わせて蘇生や帰還でリセットできれば再使用が可能である。更に、2体並べられれば、バウンス効果はフリーチェーンで2度使用可能。
自分の墓地の再利用も可能である他、相手ターンでも可能なので罠カードで蘇生したこのカードで相手のモンスターの展開を阻害する事もできる。
(2)の効果にも回数制限がないことから、様々なループコンボに利用されるという危惧がパック発売前後から評されていた。
その結果、ループコンボに厳しい姿勢であるOCGにおいては2018年の元日より制限カードに指定されることになる。
アニメで使われる主人公のエースモンスターとしては、放送中(放送後)に制限の規制を受けた初の事例となる。
また、リンクモンスターやサイバース族の規制としても初となる。
アニメでは
遊作(Playmaker)とリボルバーとのデュエルで登場。
1戦目のスピードデュエルにおいて、Storm Accessのスキルによって入手し、リンク召喚を行おうとしたものの、リボルバーの罠カードで引き分けに持ち込まれ、登場はお預けになった。
その後2戦目となるマスターデュエルでデコード・トーカーとエンコード・トーカーを素材にリンク召喚した(この際、素材となった2体がフィールドから離れたことでリボルバーが発動していたフィールド魔法「天火の牢獄」が自壊)。
が、攻撃で弾帯城壁龍を破壊するものの、次のターンででヴァレルロード・ドラゴンの効果により、コントロール奪取されてしまう。
さらにリボルバーの攻撃宣言によりPlaymakerを攻撃するも、彼自身が発動した通常罠「サイバネット・リフレッシュ」によって破壊されてしまった。一応、その後Playmakerのフィールドに蘇生されている。
エースやキーカードがデュエル内外で奪われるのは遊戯王主人公のカードとしてはよくあることだが、デュエル初登場かつ効果も発動していない状況で真っ先に奪われてしまったのは珍しい(スターダスト・ドラゴンの場合はすでに奪われていたという状況)。
登場の告知こそされていたが、オープニング映像以外では登場することがないまま彼が収録された次のパックが発売という(VRAINSの放送が変則だったのも含めても)スターダスト・ドラゴンよりも珍しい扱いとなった。
テキスト
OCG
リンク・効果モンスター
リンク4/光属性/サイバース族/攻2500
【リンクマーカー:上/左/右/下】
モンスター2体以上
(1):このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、
このカードと相互リンクしているモンスターの数まで、
自分または相手の、フィールド・墓地のモンスターを対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主の手札に戻す。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードのリンク先のモンスターが、
戦闘で破壊された場合、または墓地へ送られた場合に発動できる。
手札からモンスター1体を特殊召喚する。
攻撃名「テンペストアタック」
(1)の効果名「エマージェンシーエスケイプ」
ここでのテンペストは「Transient Electromagnetic Pulse Surveillance Technology」を指し、「電磁波盗聴」のこと。
テンペストアタックで「電磁波盗聴攻撃」となり、セキュリティー情報を不正に入手する暗号解読手法のことを意味する。
ファイアウォールという名前に反したような攻撃名だが、ハッカーであるPlaymakerのカードと考えると妥当な名称ともいえるか。
愛称
そんな強力モンスターの本龍だが、事実上の初登場である第12話ではえらい目に遭った……。
否作品中でなくて配信担当者になのだが…。
実は配信開始時の12話のサブタイトルは当初「鉄壁(てっぺき)の守護龍(しょごりゅう)ファイアウォール・ドラゴン」だった。
…この副題をよく見ていただきたい……何処か…可怪しくないだろうか?
実はまるでクイズでも出されているかの様な"ミスタイプ"が発生しているのだ。
このミスタイプから考えると、配信担当者は"かな漢字変換"を使用しているであろう事が容易に想像出来る。
このミスタイプがネット上でその字面の丸さ愛らしさに人気を博し、遂には本龍の愛称とも相成った。
ホーケースラッシュとかドラゴン族とか予告や本編で誤植された人よりはポジティブ面が強かったのが幸いである。
鉄壁の守護龍?
ちなみに予告の時点からこの鉄壁の守護龍という肩書にもツッコミが入っていた。
ファイアウォールという名称から見るとおかしくはないのだが、上述したようにこのカードの効果は後続を呼べる(2)の効果はともかく、(1)のバウンス効果は思いっきり攻撃的なものである(しかも名称がエマージェンシー・エスケイプ)。攻撃名も上述したようにテンペストアタックとファイアウォールの名に反して攻撃的である。
そして肝心の12話だが、フィニッシャーとなる活躍こそしたものの効果はあまり活躍できず、鉄壁だったのもその効果を存分に発揮したエンコード・トーカーや自身の耐性によって結局このデュエルでは破壊すらされなかったヴァレルロード・ドラゴンだった。
そのため「鉄壁の守護龍ってファイアウォール・ドラゴンではなく、ヴァレルロード・ドラゴンだったのでは?」「『鉄壁の守護龍 vs ファイアウォール・ドラゴン』ならおかしくはないな」と言われてしまうことに。
不遇?
上述したように現実のOCGでアニメキャラのエースモンスターで初めて規制されたように、効果が強い…というよりアニメ向きとは言い難いモンスターである。
そのためか、リンク4なこともあり、非常に出番が少ない。1年目のデュエルではたったの3回である。
しかも効果がきちんと役立ったのは「vs財前晃」くらいで、他では効果があまり意味がなかったり、使用されなかったりと持て余しているともとれるくらい少ない。
1年目最後のデュエルとなる「vsリボルバー(4戦目)」では久々に登場するも効果が使用できず、リンクマーカーだけ使用され、デコード・トーカーの素材になるという扱いだった。
2年目では一応、OPは写っているものの、儀式モンスターのサイバース・マジシャンや融合モンスターのサイバース・クロック・ドラゴンなどエースモンスターステータスかつアニメ向き効果を持つ大型モンスター(特に後者はデザインがドラゴン)を遊作が使用しているため、視聴者からは上述のOCG事情も含めて彼の出番が気になる人も少なくない。