崇宮澪
たかみやみお
本記事にはデート・ア・ライブの核心に迫る内容が含まれています。閲覧にはご注意ください‼
「ありがとう、嬉しい。私、あなたの事が“好き”」
概要
デート・ア・ライブ第12巻で無我の境地に陥った五河士道の口から、その存在が仄めかされた謎の少女。
フルネームは第16巻において明かされた。
端正な顔立ちだが、何処かも物憂げで陰を帯びた表情をした風に長い髪をたなびかせる少女で、その正体は世界で最初に確認された“始原の精霊”その人。
士道と真那及び物語の根幹にかかわる重要な秘密を知る存在でもあり、何だかの理由で本来はそのまま体内に取り込むと人間にとっては猛毒となる“霊結晶”を生成する目的で、何人もの少女たちに接触して仕込み精霊へと変える事で精製していた。
また、“霊結晶”を生成する過程で、狂三の親友であった紗和を異形の者へと変えてしまい、さらに狂三をまるめ込んで利用し、その後始末を行わせたよう為彼女に憎悪の対象とされている。
ネタバレ注意
その正体は、魔術師の末裔であるウェストコット、エレン、ウッドマンの三人の魔術師が、世界を書き換えるために必要な力を得る為に、カレンの作成した魔道具を使って一か所に神秘のエネルギー“マナ”を一か所に集中する事で生み出した超越生命体。
なお、物語が始まる30年前に起きたユーラシア大空災の真相とは、澪が誕生する際に発生した余波で起きたものであり、決して彼女の意思ではない(ちなみに引き起こした3人は、護符で身を護り無傷であった)。
誕生後、何があったのかは不明だが、それから半年後に日本に現れると南関東大空災を引き起こした後、とある少年に出会い保護される。
その少年の名は崇宮真士。両親が共働きで家には殆どおらず、妹の真那と2人暮らしであった。
彼に保護された当初は話す事すら出来なかったが、様々な情報媒体に触れることで僅か1日で流暢に話せるようになり、2人を驚愕させる。また、彼女の事情を考慮した2人の提案で共に暮らすよう事に成り、対外的には親戚という事に、また、まだ名前が無かったために真士から、30日に出会ったという事で澪という名前をもらい、その後も、様々な事を自分に教えてくれる真士と共に過ごしていく内に、次第に彼の想いを抱くようになる。
しかしそんな平和な日は永くは続かなかった……。彼女を狙い居場所を遂に突き止めたウェストコット率いるDEMのメンバーの襲撃に遭い、その過程で真那が攫われ、自分を護ろうとした真士はウェストコットの凶弾に倒れ命を落としてしまう。
真士の死で怒りと悲しみに霊力を暴走させ、その場を逃げおおせる事が出来た彼女であったが、真士を失って初めて彼の存在が自分にとってどれだけ大きかったことを知り、深い絶望や後悔、そして悲しみに暮れる。
そして彼女は考える。如何にかして失われた命を取り戻せないのかと…。いや。例え自分を狙うDEMから逃げおおせて最愛の人と添い遂げても人間である彼は自分よりも確実に先に旅立ってしまう事に成り、何方にせよ彼が自分の前からいなくなってしまうのは確実だ…。ならば一体どうすれば彼と悠久の時を過ごすにはどうしたらよいのだろうか…。
やがて彼女は1つの結論に辿り着く、自分の力を変え与えて何者にも害されぬ力を持ち、永遠の命を持つ永劫の存在に作り直せばよいのだと。
然し自分の力はあまりにも強大である為、そのまま彼に与えてもその力で自壊しかねない。それならばその為に先ず彼に“力を吸収するための、力”だけをまず与え、自分の力を分割し、それを少しずつ彼に与えて力を当てえて行けばよい。そして自分は何れ少年の体が完全に馴染んだ頃合いを見計らって少年の傍でその経過を見守り続ければ良い。
そう決心すると澪は真士の遺体を分解吸収し、いずれ来るその日まで待ち続ける。最愛の人が再び自分と共に歩むその日が来るまで…。
彼女の行動目的、それは最愛の人、崇宮真士を何者にも害されぬ力を持ち、永劫に近い命を得て自身と共に歩む存在へと昇華させ永遠の恋人にする事。ただ、それだけである。
「もう絶対離さないから。もう絶対間違わないから」
真士を永遠の恋人にするという目的のために自身を2つの存在へと分け、片方は精霊としての力を残し人間にとって猛毒である“霊結晶(セフィラ)”を精製するために活動する存在<ファントム>へと、もう片方は来たるべき日が来るまで真士を作り替えた存在=五河士道を傍で見守る存在・村雨令音として活動していた。
真士を自身と同じ存在へと昇華させる為に必要な“霊結晶(セフィラ)”を精製するために大多数の少女たちを怪物へと変え、その過程で狂三の運命を狂わせるなどの数多くの悲劇を生み出した張本人であり、自身の目的のためには例え大親友であった琴理すらも喰らうと言い切る程の強い決意と信念に満ちている。
なお、それらの行動全ては悪意あっての行動ではなく、全ては真士と永遠にこの世界を歩んで行きたいという強い思いからの行為であり、決して“霊結晶”を精製する過程で犠牲にしてきた少女たちをただの道具として扱ってきた訳ではない(寧ろを敬意を抱いている)し、令音として精霊たちに接して来た態度も偽りであった訳ではない。
ただ、どんな罪業を背負ってでも真士を取り戻したかった。それだけなのである。
18巻において時が満ちたと判断し、狂三の<時喰みの城>に取り込まれていた半身が彼女の内側から登場するという衝撃的な形で遂に表舞台へと現れると狂三から“霊結晶”を抜き取り彼女を殺害。状況が読めない士道に接触し今まで封印していた真士だった頃の記憶を蘇らせると、フラクシナスから逃亡してきた半身たる令音と一体化。満を持して本来の力と姿を取り戻す。
そしてようやく目的が叶うと歓喜し、士道を真士へと戻す為に士道としての記憶を消し去ろうとするが、この行為自体は緊急事態を察した十香を始めとする残りの精霊たちに阻止された。
その為、記憶の処理は後回しにし、士道=真士の今までの行いから自分の目的を止めようとすることを見越して一端、士道を別の場所へと転送。まずは真士に完全な力を手に入れさせるために必要な残り9つの“霊結晶”を抜き取る為に彼女たちと絶望的な戦いを展開。
ラタトスクやDEMすらも巻き込みながら他の精霊たちから命ごと霊結晶を奪い去り、十香に至っては天使の力で完全消滅させてしまう。
最早士道には絶望しか残されていないかと思わせたその時、狂三が死の直前に<刻々帝>の【十一の弾】で送り込んできた1時間前の狂三の分身体があるメッセージを持ってその場に現れ、一縷の希望が残される。そのメッセージとは、士道が封印していた自らの力の一部--意識を時間遡行させる<刻々帝>【六の弾】--を使って事が起こる前に戻り、この最悪の結末を回避してほしいという事であった。
今までの戦闘(デート)経験から即座にそのメッセージを理解した士道は意識をDEM社との最終決戦前夜である2月19日へと遡行。これから起きる悲劇を止める術を考え抜いた末、令音にデートを申し込む。
そのデートの最中、ついに封印可能の領域まで好感度をもっていくが士道の力がまだ中途半端だったこと、彼女が本当に好きなのは士道ではなく真士である為失敗。
さらにそれにより経路が繋がり士道が未来から来たことを知る。そこへ襲撃してきた狂三から自身の半分を取り戻し、再び始原の精霊デウスとして姿を現す。
そして直後、歴史改変を知ったDEMからの襲撃を受け、足止めをくらう事になる。
その後、DEMの襲撃を退け再び士道と精霊たちの前に出現。士道たちは今度こそ澪の霊力を封印する為、澪は士道を真士へ戻し最愛の人を取り戻す為に壮絶な戦いを繰り広げ、ついに士道は澪への口付けに成功する。
その直後、輪廻楽園(アイン・ソフ)が士道と澪をある空間へ連れ込む。
そこは、かつて澪が真士に連れてきてもらったあの思い出の海であった。そしてそこに待っていたのは、澪と令音、そして、真士であった。
海でひと時の楽しい時間を過ごした後、士道は経路により知ってしまった澪の本当の願いを打ち明ける。
その願いとは、自分を殺せる存在を創る事であった。
真士を甦らせようとしていたことは決して嘘ではない。しかしそれは果たして本当に真士だというのかという疑問があったのである。新しい真士であればそんな気持ちごと呑み込んでくれると根拠もなく思ってしまったのである。
しかし士道が澪を殺すはずもなく、真士から澪を奪い取ると宣言。
しかしその直後、澪を利用して自身が始原の精霊となるウェストコットが再び現れる。
真士と出会ったこの世界を守る為、澪は精霊たちと共にウェストコットと戦う。見事にウェストコットを撃破するも、一歩足りず、ウェストコットは奥の手であるケメティエルを発動する。
ケメティエルが士道に襲い掛かる中、澪は士道をかばい、アインを発動し自身とウェストコット諸共消し去ろうとする。そして澪は、士道に最後の言葉を告げた。
「士道。君は本当に素敵だよ。私は、君のことが大好きだ。‐ただし、シンの次にね?」
最後に残った澪の意識が溶けていく中、澪は、ついに最愛の人との再会を果たした。
澪は誰よりも愛する人の胸に顔を埋めながら、今度こそずっと一緒にいられる事への涙に彩られた笑みを浮かべながら世界に、消えていった。
こうして澪はトゥルーエンドを迎える事となった。
澪としての識別名は2つあり、1つは上記にある通り<ファントム>。そしてもう1つは<デウス>。
ラテン語で神を現す識別名が付けられている通り、その力は想像を絶するものがあり、精霊たちが束となっても勝てない程のまさに神の如き力を持つ。
彼女が顕現させる幾重にも重なる花弁の巨大な花の形状をした天使である万物を殺める<万象聖堂((アイン・ソフ・オウル)>、あらゆる条理を捻じ曲げる<輪廻楽園(アイン・ソフ)>、奥の手であるあらゆる事象を無視して対象を消し去ってしまう無の天使< (アイン)>と、彼女のみ天使名がセフィロトの樹由来のものとなっている。