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概要

デート・ア・ライブ』第3巻「狂三 キラー」及びアニメ第一期、第9話『狂乱の悪夢』にて初登場した時崎狂三の持つ時間を操る天使。

身の丈の倍は在ろうかという程の巨大な時計塔の姿をしており、彼女が普段使っている二丁の古銃は、この時計の長針(歩兵銃)と短針(短銃)でもある。

各文字盤に対応した十二種類の能力を弾丸として銃に込め、影響を及ぼしたい対象へと打ち込む事で様々な能力を発現させ、トリッキーな作戦行動を行う事が出来る。

この時の銃弾には直接的な攻撃力がなく、当たっても一切ダメージを受けることは無い。その為自分に効果を及ぼしたい時は自らに発砲し、相手の虚をつく意味もあってかこめかみへのヘッドショットを好んでいる。

また能力が装填された状態であれば、狂三以外の者が撃っても効果は発揮される。

極めて強力かつ応用性に満ちた能力で、発動の結果が相手の強さに一切左右されない為、全ての精霊の大元たる"始原の精霊"に(ある意味でだが)唯一対抗しうる力でもある。

ただし、時間操作という強大なチート能力を行使するだけにその代償も高くつき、使用する際は自身の時間=寿命と少なくない霊力を消費する(ただしある程度は消費する寿命を霊力で代用することが出来る模様)。文字盤の数字が大きくなるほど、その消費量は莫大なものとなってくる。

中でも【十一の弾】と【十二の弾】は、本気で使用すれば1発で自身の寿命を全て使い切ってしまうため、今まで使用したことは一度も無かった。

その為、消費した自身の時間を補充しなければならず、その際は【時喰みの城】と呼ばれる結界で他人から度々時間を吸い上げる形で回復している。

また、原作では「Ⅵ」の文字はなぜか白く染まっているが、実は6月の狂三の事件における高校の屋上での戦闘では分身体を消耗させられた以外、力を全く削られてはいなかった。

だが、琴里の砲撃から士道に庇われた後に、士道に僅かながらの口づけをして退散をした。琴里との戦闘後であったために琴里の攻撃による損傷だと思い込んでいた。

だが、狂三は士道に僅かながらに心を許していたために士道の能力によって「Ⅵ」の能力だけが奪われていたのである。

そのことに気づいたのは、士道の一度目の死の後というなんとも皮肉な話。

なお名前のモチーフとなった天使ザフキエルは知識や雨に関係する天使であり、時間をイメージする性質はない。

これら能力は連想されし土星と土星(サターン)に相当する豊穣神クロノスが、時間の神クロノスと混合される点からの着想と思われる。

能力一覧

現在判明している刻々帝の能力は次の通り。

各能力の名称は、ヘブライ文字の数字にほぼ対応する。

【一の弾】(アレフ)

対象の外的時間を一定時間加速させる。

主に自身へ使い超高速移動を可能とする。

【二の弾】(ベート)

対象の外的時間を一定時間遅くする。

【七の弾】と違い相手の意識までには影響を及ぼせないが、対象に込められた運動エネルギーも保持される性質がある。

【三の弾】(ギメル)

対象の内的時間を加速させる。

生き物の成長や老化、物体の経年劣化を促進する。

【四の弾】(ダレット)

対象の時間を巻き戻す。

自身や他の存在が負った傷の修復再生が可能で、精神的なダメージにもある程度有効。

【五の弾】(ヘー)

僅か先の未来を見通すことができる。

戦闘中、数秒先の光景を視ての軌道予測等に用いる。

【六の弾】(ヴァヴ)

対象の意識のみを過去の肉体(数日前まで)に飛ばし、タイムループを可能とする。

上記の通り3巻でこの力だけが封印されてしまっており、取り戻した16巻では悪意と死と絶望に抗うために使用して大きく摩耗する事となった。

【七の弾】(ザイン)

対象の時間を一時的に完全停止させる。

強力な分消費する時間は多め。

【八の弾】(ヘット)

自身の過去の再現体を分身として生み出す。

分身体は狂三本体の影に沈む形で待機しており、その数は平均千体ほど。生み出された分身体を全て駆逐しない限りいくらでも呼び出すことが可能であり、彼女が殺害されても何度も蘇っているのはそのため。

ただし、分身体のスペックは本体より一段劣っており、活動時間も生み出された際に消費した『時間(寿命)』しか活動できない。また、基本的には天使を行使することも出来ない。

とはいえ、それでも人間や精霊にとっては十分脅威となるレベルであり、それが百体以上連携して襲い掛かってくる光景はまさに悪夢。

本物と分身体を外見で区別するのは不可能(狂三たちには誰が本体なのかはすぐに分かる模様)で、全てが狂三自身のコピーであるため、一体一体が「狂三」としての自立した意志を持っている。それ故たまに本体に逆らったりツッコミを入れたりしている他、長めに活動している分身体や過去の再現体は今の狂三と細かい性格が異なっている場合も。

その他、情報のやり取りを通じて記憶を共有する事もできるが、全ての個体が見聞きした情報は流石に脳が許容できない為、直接的なパスを繋いではいない。

極めて稀な事例ではあるが、狂三本人ではなく記憶の共有を行っていない分身体(=狂三とは別人)が分身体として再現される事があり、作中ではその分身体が願っていた「士道との再会」が間接的に叶うという奇跡が起こっている。

【九の弾】(テット)

異なる時間にいる人間と意識を繋ぎ、交信することができる。

打ち抜いた対象者と会話したり、見聞きしたものを共有できる。

【一〇の弾】(ユッド)

対象に込められた過去の記憶や体験を知ることができる。

【十一の弾】(ユッド・アレフ)

対象を未来へ送ることができる。

進む時間に応じて消費する時間・霊力は加速的的に上がってゆく。

【十二の弾】(ユッド・ベート)

対象を過去へ送ることができる。狂三の悲願に不可欠となる弾丸。

遡る時間に応じて消費する時間・霊力は加速度的に上がってゆく。刻々帝自体にも相当の負荷が掛かるのか、軋むような音がしていた。

狂三を含めた霊力を有する者がこの弾で過去へと飛び、歴史を改変し元の時代に戻ってきた場合、その特異点となった人物は改変前の記憶を保持、または思い出せるようになっている。

余談

弾の奇数数字が未来、偶数数字が過去に関係する時間能力であることが多いのも特徴。

例を挙げるなら、1、3、5、11の弾はそれぞれ未来に関係する能力であり、4、6、8、10、12の弾はそれぞれ過去に関係する能力であるなど。

更に奇数と偶数の隣の数字の能力が対になっていることも多い。例を挙げるなら、1が時間の加速で2が時間の減速。3が時間の促進で4が時間の巻き戻しであるなど。

上述の通り、襲い掛かる脅威の規模を無視して盤面をひっくり返せる力である為、劇中では一歩間違えればアウトな綱渡りの戦いを描いている士道たちの物語に対し、一種の保険として使われる機会が多い。

それ故、狂三はその要領もあって絶望的状況を打開するジョーカーを担う形になっており、ファンの間による人気の高さにも繋がっている。

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