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メリーバッドエンド

めりーばっどえんど

いわゆる「Open-ended」(開かれた終わり・結末)。受け手の解釈によって幸福と不幸が入れ替わる結末。「Open ending」とも言う。
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曖昧さ回避

メリーバッドエンド(まふまふ) まふまふ鏡見て失神P)によるボカロ曲

詳細

広く物語において使われる表現形式。物語を解釈する観点(パースペクティブ / perspective)や受け取り方次第で意味が変化する結末のこと。

例えば、ある観点(主人公視点)から解釈すると不幸・悲劇的な結末なのだが、別の観点(第三者視点)から解釈すると幸福・喜劇的な結末になり見方によって全く違う解釈になる。

この他にも作者の観点、社会的観点、文化的観点、学問的観点、審美的観点…等があり、そしてより多くの観点を含むほど結末もより多面的になる。

文学博士の成田瑞穂は、以下のように述べている。
この物語には確定した形での終焉がなく、語りを受け継いでゆく次の語り手によって別の物語が想起され、様々に異なる、開かれた結末が提示される。
小説とはすべて未完であり、他の小説と隣接しながら続いていく。
「カルロス・フエンテス [アウラ] にみる幻想性のモチーフ」より抜粋)

早稲田ドイツ語学・文学会の山本浩司は、こういった複数の観点や曖昧な結末を、「否定性の美学」と呼んでいる。
パースペクティブの復数化や断片化、開かれた結末などの「否定性の美学」
その対義としては「全知全能の語り手」(全てを語る語り手)」、「一貫してかつ完結したストーリー」が挙げられている。
「〈戦後文学〉を越えて? 「物語行為の再来」」より抜粋)

また、東京大学の人文社会系研究において、河尾基は物語の本筋(シュジェート)に関して、「喪失―探索―獲得」は「状況―生成―開かれた結末」へと変化すると述べている。
「СН Бройтман, Историческая поэтика, Учебное пособие, М.: РГГУ, 2001, 320с.」より抜粋)

pixivにおいては、かつてはイラストよりも小説に付けられる事が多いタグだった。しかし2015年2月22日時点で投稿イラスト34点であるのに対して投稿小説86点だったものが、2018年9月15日現在ではイラスト466点・小説277点と逆転している(R-18等は含まれない)小説に関しては女性向けが多いが、少数ながらそれ以外のオリジナル小説も投稿されている。

物語の例

登場人物の視点による差異

極端な例だが、ヤンデレの女性が意中の男性の手足を切り取り、どこにも行けないようにしてしまい、結果その男性を手に入れた場合、これは世間的に見れば不幸であるが、そのヤンデレ女性からすればハッピーなのである。ハッピーエンドと題されているものよりは、トゥルーエンドと題されているエンド・ルートにも視点の違いによるメリーバッドエンドが多いとも言える。

読者のみが真実を知っているという時

また当事者を含め作中人物全員がハッピーだったとしても、読者・視聴者視点ではバッドエンドともとれる話もある。例えば、何か理想を持った主人公が「主人公以外の全員を精神支配して操る」「世界全体を全く異なるものに作り変えてしまう」といった方法で理想を実現してしまった場合、作中の全員はハッピーではあるのだが、真実を知っている読者・視聴者視点では皆が操られていることを知っているため、そのハッピーエンドは違うものに見えてくる。

これは全員が本当の意味でハッピーだとしても起こり得る場合があり、例えば主人公たちが復活した古代の悪魔を倒すという話があったとして話自体は単純な勧善懲悪もので後腐れの無いのハッピーエンドだったとする。ところが、もし作中で古代の悪魔とされているものに明らかに現代文明や人類だと解るような特徴が描写されている場合、読んでいる読者は人類であるので「復活しようとした人類が新人類に倒されて絶滅した話」となり「現代文明への警鐘」のようなテーマがある一筋縄ではいかない作品になってくる。

社会の価値観が変わってしまった場合

もう一つの事例として、時代の経過によって現実世界の基準となる価値観のほうが変化してしまいそれによってハッピーエンドとメリーバッドエンドが入れ替わってしまうということも起こり得る。例えば何らかの精神病に悩む主人公が治療方法を探すという話で
1、治療方法が発見されて治療に成功、主人公はようやく普通の人と同じになる。
2、途中で悩むことがおかしいと感じ、主人公は精神病のまま悩まずにそのまま生きる。
という分岐があり、どちらでも主人公から見れば悩みが晴れてハッピーだったとする。この場合、精神病が治すものだった近代なら多くの人が1がハッピーエンド(病気の完治)で2がメリーバッドエンド(治療の可能性の放棄)となるが、精神医学が発達した現代に同じ作品を読み返した場合、1がメリーバッドエンド(主人公の人格の自殺)で、2がハッピーエンド(あるいは「真の問題」判明とその解決)ということになりうる。

作品例

童話

  • 人魚姫 
    • 主人公である人魚姫は王子の愛を得られず海の泡となるが、王子とその婚約者の娘から見ればハッピーエンドである。
  • フランダースの犬 
    • 世間的に見ればネロとパトラッシュは悲劇的な結末を迎えている。しかしながら、ネロパトラッシュにとってはどうだろうか。これからは苦しむこともなく永遠に一緒にいられる事と、二人が来るのを待っているであろうお祖父さんと両親の元へ行けることを幸福に感じていたかも知れない。
  • 幸福な王子 
    • 身を飾る美しい宝飾品を剥がして貧しい人々に与え続け醜く変わり果てていく王子の像と、そんな王子に想いを寄せながら王子の頼みで宝飾品を剥がして運び続け、渡りの季節を逃して死んでしまうツバメの物語。最後は「割れた鉛の心臓」だけが残った王子の像が、死んだツバメと共に天国に召し上げられ幸福に暮らしたと結ばれている。「貧しい人々を助ける」という願いを叶えた王子と、想いを寄せる王子とともに天国で暮らすことになったツバメにとっては幸せな結末かもしれない。
  • 泣いた赤鬼 
    • 赤鬼にとってはバッドエンドだが、青鬼にとってはハッピーエンドである。その為『仮面ライダー剣』最終回をこれに当て嵌める人もいる。


漫画


アニメ


  • スターシップ・オペレーターズ
    • 多勢に無勢という状況で戦術と報道を駆使して奮戦するが、1隻の戦艦だけでは如何ともし難く、強大な王国との戦いで徐々に追い詰められる。最終決戦までに仲間を失い、唯一の戦力であった戦艦も敵の目の前で自爆したが、脱出した大勢のクルーが生き残り、王国の暴挙を生中継で世間に伝える事に成功した。


  • 笑ゥせぇるすまん
    • ほぼ毎回喪黒福造の客が最終的に酷い目に遭うが、中には「客本人自体は幸せ」なエピソードも存在する(幻覚を見続けてる、周りから見たら異常だが本人は満足している等。)

ゲーム

  • Ib
  • Rewrite
    • 最終シナリオも含めて、すべてのエンディングが何かを犠牲にする結末となっている。
  • 魔女の家
    • 少なくともプレイヤーが操作していた主人公にとってはハッピーエンドである。
  • 妖怪道中記(天界)
    • 生きながらに地獄につれてこられているのでこのエンドだと死んだまま(その下の人界エンドだと生き返る)
  • 狂った果実
    • 主人公、狩野哲にとっては親しい女性を全て殺され片目を奪われる結末だが、ヒロイン「月島美夏」にとっては初めて愛した異性に近づく女を全て排除し、哲の心を憎悪で自分だけに向けさせ自分のことだけで頭がいっぱいにすることに成功する。
  • Undertale
    • ノーマルエンド(俗に言うNルートの事)では主人公にとっては地下世界の脱出に成功するハッピーエンドだが、モンスター達にとっては6つのソウルが消えて結界の破壊が出来なくなり、王であるAsgoreの死も重なったバッドエンドである。
    • この事はSansから電話で伝えられるが、主要人物を倒すと、Sansたちにとってもっと悪い方向に進んでしまったことが語られる。特にPapyrusを殺していた場合は大抵は最悪な方向に進んでしまい彼からも憎悪を向けられ、最悪の場合「地獄に落ちろ」と罵倒される。
    • ただし、主人公がモンスターを誰ひとり殺さず、Nルートエンディングを迎えた場合は、これはこれでもう1つの形のハッピーエンドと言えるものになっている。
  • 龍が如く6
    • 黒幕の凶行により、重症を負った主人公 桐生一馬は最終的に自分の死亡を偽装する事となり、それまで親しくしてきた人達と二度と会えなくなり、それぞれ幸せを得た親しい者達を尻目に人知れず姿を消すという、桐生自身には納得の上での結末であったものの、長年龍が如くをプレイしてきたユーザーからすれば不条理にも程があるバッドエンドであり、納得できない一部ユーザーの怒りの矛先は作品の開発者はもとより、この結末に至る一因となったキャラの声優にまで向けられるなどした。


特撮

  • 仮面ライダー555
  • 仮面ライダー剣
    • 555と同様に最悪の事態は回避したが、1人だけみんなの元から去らねばならなくなった剣崎をいつまでも待つと言うの表情で締めくくられるので一応はハッピーエンド扱いらしい。剣崎役の椿も「剣崎なりのハッピーエンドです」と証言している。ソルブレインの結末と対極として語られる事もある。全ての決着と剣崎なりのハッピーエンドの成果が実る時は小説版と仮面ライダージオウまでお預けとなった。
  • 仮面ライダービルド
    • 平和な世界を作るため主人公達は自分達がいる世界と諸悪の根源であるエボルトがいない並行世界を融合させた。その結果「エボルトの居ない平和な世界」が新世界として創られるが、主人公である戦兎と相棒である龍我は「新世界には存在し得ない人間」であるため家も戸籍も存在しない、後日譚のとある事象により仲間達が記憶を取り戻すまでは二人だけがお互いを知る「二人ぼっち」の存在となってしまった。後日談を描いたVシネクストではその境遇ゆえに生活に困っており、仲間の1人から食糧援助などを受けざるを得ない様とが描かれた。
  • 超獣戦隊ライブマン
    • 「友よ! 君達はなぜ、悪魔に魂を売ったのか!?」が印象的な作品で武装頭脳軍ボルトが壊滅した事によって、ボルトによる地球制服は回避されるものの、そのボルトに魂を売った者達の殆どが救われないと言う、同じバッドエンドでも超新星フラッシュマンはまだ希望がある終わり方だっただけに、こちらは戦いが終わっても何処か虚しい感じでラストを迎えている。
    • 後の『海賊戦隊ゴーカイジャー』では、メンバーの1人がこの結末に対する1つの回答にたどり着いた様子が書かれた。彼はライブマンでなくなってからも、再建された科学アカデミアで働きながら、若さゆえの自惚れや渇望で若者たちが道を踏み外さないように、見守り続けた。
  • 特救指令ソルブレイン
    • 仮面ライダー剣を「客観的にはバッドエンドだが主人公としてはハッピーエンド」とするならば、ソルブレインは「客観的にはハッピーエンドだが主人公としてはバッドエンド」ともいうべき対極の結末。ソルブレインの使命は、人命のみならず人の心も救う事にあったが故に、高岡隆一の最期さえソルブレインからしてみればバッドエンドである。
  • 大怪獣バトル
    • 主人公のレイにとってはレイブラッド星人との因縁の決着、即ちレイ個人の物語としては完結しハッピーエンドを迎えたが、本編の50年後を描いたゲーム版ではレイブラッド星人は滅んでおらずレイオニクスバトルも健在という、真の意味ではハッピーエンドとは言い難い未来となった。


一般ドラマ

  • 踊る大捜査線
    • 最終話にて主人公の青島俊作室井慎次は共に協力して定年退職を迎える先輩刑事・和久平八郎の因縁の相手で青島の後輩である真下正義を負傷させた犯人を逮捕したものの、これは人々や2人の刑事のためとはいえ無断で捜査を行ったためにどちらも処分を受けてしまい、室井の方は異動、青島の方は交番勤務に戻されてしまった。処分されてしまい、今まで務めきた場所を去るという結末を迎えたために青島以外の視点から見ればバッドエンドであるが、人々を守るために刑事となった青島から見ればハッピーエンドである。


その他

  • 蝿の王
    • 無人島に漂流した少年達は最終的に大人達に救助されたが、それに至るまでに時間がかかり過ぎた結果……
  • ダークナイト(映画)
    • 宿敵ジョーカーを倒したバットマンは勝利と引き換えに幼馴染と戦友を失い、ゴッサムシティを守るために殺人者の汚名を被って人々の前から姿を消してしまった。他に選択肢が無かったとはいえ、バットマンの自己犠牲は結果的に問題の先延ばしというものであり、本編の8年後に自己犠牲の代償を払わされる事に……


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物語 表現 エンディング バッドエンド ハッピーエンド

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