CV:小倉唯
概要
ハッカーチーム『フーディエ』のメンバーであり、リーダーの御島龍司の妹。フーディエというチーム名も、彼女が中国の説話『胡蝶の夢』から名付けた。
数年前に事故で両親を失い、今は兄と2人暮らしである。普段は、兄が経営するネットカフェのVIP室に引きこもっている。
登場してしばらくはパートナーデジモンを持たなかったが、後に出会ったワームモンがパートナーとなる。
性格
表向きの評価は、とにかく難物の一言に尽きる。元々人見知りが激しいコミュ障であるのに加え、実兄の龍司からは唯一の肉親である為に、そして龍司の親友にしてフーディエのNo.2の今井千歳からは彼が元々フェミニストの為に「お嬢」と呼ばれて甘やかされてしまい、結果として非常にワガママになってしまった上に口が悪い。
それでいて後述するハッキング能力により、自尊心と気位が揃って高くなり、なかなか他人を認めない上に打ち解けられない。
一方でぬいぐるみなどの可愛らしいものが好きで、学園ものの漫画を読んだりするなど、年相応の少女としての一面を持つ。
また悪い意味でリアリストであり、主人公・天沢ケイスケが受けたある依頼の相談を受けた当初は、「内容が眉唾物で胡散臭い」として断ろうとしたが、依頼人の報酬の中に喉から手が出る程に欲しかったが、既に販売終了したぬいぐるみシリーズの最後の1体だと分かった途端に、俗物根性を丸出しにしてケイスケに協力した(メイン画像でも肩に乗せられているぬいぐるみで、名前は『メメたん』。なお、PCのキーボードにも使われている)。
しかも、初対面のケイスケに対しぬいぐるみを武器に振り回す(素手でぶん殴る事すらある)、敵対する岸部リエ相手に互いにステゴロの乱闘を始めるなど、狂暴な面も多分にある(ただし、前者に関しては『エリカの私室に無断で入ろうとした』ケイスケの自業自得ではあるが)。
前述の印象で隠れがちだが、本質的には極めて冷静かつ理知的で、フーディエの参謀としてケイスケ達メンバーに的確に指示を下す。格言や故事にも通じているなどそれなりに教養もあるようだ。
しかし自分の境遇(=事故によって前例のない症例となり、実兄に絶えず経済的負担を掛けている事実)を理解しており、それ故に1人になると自虐的かつ内罰的な思考に陥る。
なお、ファントモンがケイスケに見せた幻覚にツンとした部分が取り払われた彼女が登場している辺り、彼からは決して嫌われているわけではないらしい。
能力
上述の事故の怪我が原因で脳に障害を負っているが、EDENネットワークのサーバーとリンクさせて、脳への負担を軽減して症状を抑えつつ、その副作用として優れた記憶力と天才的なハッキング能力を持つに至った。
その能力たるやデジモンをマルウェアに改造したり、「空想」を含めた記憶データを基にリアリティのある映像を作り出して依頼人をいじめていたクラスメイトへの警告に使ったり、サブリミナル効果を使って引きこもりの青年を依頼者に惚れさせる様に仕向けたりと、もはやチートの域である。
その最たるものが末堂アケミの論文を解読し、マザー・イーター内部にアクセスし、アンキロモンを仲介にしてEDEN症候群患者の精神データを取り戻すというもの。
サポートキャラクターとしてのエリカ
ハッカーズメモリーでは、テリトリー争奪戦、フリーミッションのドミネーションバトル、アビスサーバにて複数のサポートキャラクターの中から1人(ドミネーションバトルでは2人)を選択する事となるが、エリカもその1人。使用デジモンはもちろんワームモン。
ワームモン自体は攻撃力が貧弱、技も微妙とはっきり言って弾除け要員でしかないが、エリカのハッキングによるサポートが優秀なため、後半に進むにつれてどんどん火力不足になっていくサポートキャラクターの中でも補助面で非常に頼りになる。
だが、そんな彼女もドミネーションバトルでは一転して足を引っ張るキャラと化する。その最大の要因が、彼女の使用デジモンが頑なにワームモンだけである事。ステータスだけは高いものの技が貧弱なので攻めに全く向いておらず、かと言って守りに徹しても相手の3体のデジモンから袋叩きにされてすぐにやられる。
この様に悲惨過ぎる性能をしているため、ドミネーションバトルでエリカを連れていくのは非推奨。テリトリー争奪戦やアビスサーバで連れていくように。
関連イラスト
関連タグ
本編・デジモンストーリーサイバースルゥースのキャラ。似て非なる人物造形・生活環境から、悠子のifとも評せる。
以下、本編に関わるネタバレ注意!!
「自らの誇りをかなぐり捨ててまで悪事に手を染めたが、妹はどう足掻いても夭逝する」事実を突き付けられ、精神の均衡が壊れた龍司は突如出現したアルカディモンにより、半ば洗脳された状態で暴走を開始してしまう。
そこまで実兄を追い詰めていた事実を知ったエリカは、暴走した龍司を止めるべくイーターを『イータービット』として調整し使役、ケイスケと共に奔走した。
なお、現実世界でエリカに似た少女が度々目撃されているが、これは記憶サーバーのシークタイム回避用擬似AIが現実世界のデジタルシフト現象の進行によって実体化したものである。
激闘の末、遂にアルカディモン討伐と龍司の救出に成功したが、急拵えの調整だったが故に直後にイータービットが暴走。エリカの肉体は取り込まれ『イーターレギオン』と化してしまった。
しかし、パートナーであるワームモンがエリカの記憶サーバーを共有していた為、両者が一体化し新たなるデジモン・フーディエモンへと変異。性格もワームモンの純粋さが反映された為か、人間時代よりも素直になっている。
一方でイーターレギオンは記憶サーバーを媒介に『イーター・EDEN』と化すのだが、イーターの持つ本来あるべき場所へ帰ろうとする本能とエリカが持っていたデジタルワールドへの好奇心が行動原理となっており、こちらもまたエリカの影なのである。
最終的にはケイスケ達フーディエのメンバーと協力し、無事にイーター・EDEN』の撃破に成功した。
そして本編サイドでマザー・イーターが倒された為、世界はイーターの干渉がなかった時間へと溯行・改変される……のだが、自分が病気や何らかの原因で‟死”を迎える未来が覆らない(当人曰く「‟エリカ”はまた、そういう役回り」)のをイーターに取り込まれた際に知ったエリカは、「再編成された世界でも龍司に迷惑を掛けたくない」思いと、「改変に従って人間に戻ったら忘れてしまうであろう、この世界で起こった全部を忘れたくない」思い、更にワームモンに話した「デジタルワールドを探検したい」願いを叶えるべく、リアルワールドへの帰還を拒否。
フーディエモンとしてデジタルワールドに残り、生きていくのを選択した。
それを聞かされたケイスケは、自分を辿って追いかけて来た龍司のジャスティモンと千歳のシャッコウモンに加え、離別が確定された自分のデジモンをフーディエモンに移譲。
皆を見渡したフーディエモンは笑いながら、その状況を「新生フーディエの誕生」と称し、エリカとワームモンに分離した状態で「きっと……また会える」と言い残して、ケイスケと完全に離別するのだった。
その結果遡行・改変が行われた世界において、“御島エリカ”はマザー・イーターと一体化した末堂アケミと同様に、最初から存在しない人間となっており(両親の方は健在)、遡行・改変前の記憶が残っている本編の主人公達と違い、ケイスケ達の記憶からも消えてしまった。
エンディングでは、ケイスケが違和感に誘われるままにネットカフェ・フーディエの一室(旧・エリカの部屋)に入るが、そこはただの物置であった。
しかしその瞬間、自分でも何故か分からずにケイスケは涙を流し、千歳に呼ばれ物置を出て行った後に光り輝く青い蝶とすれ違う。そのまま物置へと入った蝶がそこに仕舞われているパソコンの前を横切った途端、ドット絵状態のエリカとワームモン、そしてフーディエモンに移譲されたデジモン達が『END』の文字と共に画面に映し出される所で、物語は終わる。
関連タグ(ネタバレ込み)
兄である龍司と浅からぬ因縁がある、本編のメインキャラ。作中でもケイスケと彼女に協力し同行した縁があり、彼等を庇う為に罪を被り、露悪的に振る舞っていたのが明らかになった。
そして彼はタクミ・アミと同様に、ノキア達ともども改変前の記憶を保持している事実が、本編EDで判明している。……そう、存在が抹消されていた末堂アケミも。
かつての仲間の妹であり、一度は助けの手を貸したエリカの身を、情に篤いアラタという男が案じていないとは考え難い。すなわちアラタはエリカの消滅に気づく可能性がある(アラタほど深く関わってはいないが、恐らく悠子も同様)。ついでながら仲間のノキアが、デジタルワールドで別れたアグモン・ガブモンとの再会に意欲的な点も大きいと思われる。
『デジモンアドベンチャーVテイマー01』のヒロイン。『事故で重い障害を負い、それが原因で兄が悪事に手を染める様になってしまった』部分が共通している(更に、アルカディモンが暴走に加担するのも同様)。
この事実から、御島兄妹は彩羽兄妹のオマージュであるとも考えられる。