デジモンストーリーサイバースルゥース
でじもんすとーりーさいばーするぅーす
デジモンシリーズでは初となる、PSVita専用ソフト。
タイトル通り、DSで展開されていたデジモンストーリーシリーズの系譜を受け継ぐ作品。
但し今までと比べると登場人物の年齢設定は全体的に高め(高校生)となっている。
キャラクターデザインはRe.digitize同様ヤスダスズヒトが担当している。
現実世界での拠点は中野ブロードウェイ内。舞台も東京であり一部は当時の街並みの再現などが行われている(お台場や新宿都庁、渋谷などファンならニヤリとする地名もチラホラ…残念ながら横浜へは行けないが)。
対して電脳空間『EDEN』は青を基調としたデザインでサイバー感が強い。
また、主人公達は本編/ハッカーズメモリー共にハッカーという立場を利用して(解錠、コピペなど様々な)ハッキングスキルでフィールド探索を行うという如何にもサイバーパンクらしい点も本作の魅力であると言える。
ハッカーの扱う特殊なウイルスシステム「デジタルモンスター」に興味を持った主人公がバーチャルリアリティの『EDEN』から元の肉体に帰ることができなくなり、彼(彼女)を拾った暮海杏子の下で現実世界と電脳世界の怪事件に挑む電脳探偵(サイバースルゥース)として活動していく。そして、物語後半からはロイヤルナイツをも巻き込むデジタルワールドと現実世界の存続に関わることになる。
『セイバーズ』との連動があった『初代』や『サンバースト・ムーンライト』、『クロスウォーズ』のゲーム版であった『超クロスウォーズ』とは異なり、『ロストエボリューション』同様にアニメとの連動を前提としていない久々の作品となっている。しかも、現実世界とデジタル空間の両方を冒険する作品はこれが初めてである。
これまでの各作品の販売数やユーザーアンケート、大人のファンを意識した『デジモンワールド リ:デジタイズ』の評判から今のデジモンファンの多くは大人であるとして明確に大人をターゲット層に絞っている。
また、このターゲット層は従来のデジモンファンだけでなく、卒業してしまったファンやデジモンを知らない層も含まれていた。
『デジモンストーリー』シリーズは育成に重きを置く『デジモンワールド』シリーズと異なりRPGの面が強いことから物語を楽しみやすいということでデジモンをあまり知らないプレイヤーにも楽しめる世界観を想定している。
デジモン誕生当初のハードなSFの世界とアニメで築かれてきたファンタジーな世界を融合させた世界観を目指し、電脳空間とハッカーを舞台にしながら意思のあるデジモンたちの介入によってゲームの登場人物がデジモンに抱く認識が、現実におけるデジモンの歴史とうまくリンクする物語がコンセプト。
登場デジモンは全240体。
今までと比べるとやや物足りない数となっているものの、進化ルートがかなり細分化されており、1体のデジモンがどのデジモンにもなれると言って過言ではない程。
3Dグラフィックも全刷新されており、必殺技のモーションはアニメに登場した種に限り、アニメ作品を反映したものとなっている。
有名なデジモンの参戦が多いものの、アニメ版では軒並み顔すら見せなかったサイクロモン等、ある程度マイナーな所まで網羅されていたりもする。
仕方ない事だがハイブリッド体や、クロスウォーズ出身は参戦していない。デュークモンはモードチェンジしない。
また、後期の『デジモンストーリー』シリーズでは公式設定に倣った必殺技を複数使える仕様であり、継承も自由だったのだが、今作では基本的に固有技は一部の種を除いて一つだけであり、残りのスロットに継承可能な汎用スキルをアタッチするという仕様に変更され、固有技の継承も不可能となった(仕様としてはサンバースト&ムーンライトに近い)。
加えて技の属性だけでデジモン間の有利不利が決まるわけではなく、原作に存在した三竦み性を採用された上にパーティに入れられるデジモンの容量が定められたためにパーティ構成には一工夫必要となっている(容量に関してはストーリー進行や探索で入手できる「メモリアップ」を使えば解消可能)。
大人向けというコンセプトや人気のあるロイヤルナイツの登場もあったのか本作は国内外で好評だったため『デジモンストーリー』シリーズ新作が予定された(詳細はハッカーズメモリーの記事)他、『サイバースルゥース』シリーズとして2017年には本作の裏側で起こっていた、もう1つの物語を描く「デジモンストーリーサイバースルゥースハッカーズメモリー」が発売。こちらではアグニモンやシャウトモン等、一部のハイブリッド体やクロスウォーズ勢も参加している。更にデュークモンもモードチェンジする。
本作はこちらにも収録されておりプレイ可能。そのため本作を一から始めるなら特典等(シスタモンなど)の関係で現在は移植されたニンテンドースイッチ版ハッカーズメモリーをおすすめする。
デジモン自体暗黒の海や消滅するアナログマンのようなホラー寄りの演出などは見られる作品ではあったが、作中のサブイベントの中には明確なホラーイベントがあったり、世の中を皮肉ったような話も少なくない。
この辺りはプロデューサーがPSP『デジモンアドベンチャー』制作時に『デジモンアドベンチャー』シリーズの角桐博之から聞いた「デジモンって、じつはコンピューターが発達する前から存在する、妖怪や幽霊、精霊に近しい存在なのかもしれない。そういった霊的なものがコンピューターを介することで人間にはプログラムのデジモンとして認識されているのかも……」という話からヒントを得ているという。
こうしたホラー要素はアニメ『デジモンゴーストゲーム』やゲーム『デジモンサヴァイブ』ではメインとして強く打ち出す形で引き継がれた(サヴァイブはプロデューサーも同じで発送元として同発言を取り上げている)。
また、対象年齢が上がったこと(CERO:B)やリデジタイズで胸のスリットやビキニが登場したヤスダスズヒトデザインであり、本作でも女主人公のバストが凄かったり、協力者が胸のボタンを全開にしていたりとセクシーさが増していたり、女性陣のタイツ率がやたら高かったり(ヤスダスズヒト曰くサイバー感が出るとのこと)、ゲーム内モデルでも服がやたら体に密着してたり…等の女性キャラデザインが話題に…というか作中の言葉を借りるなら変態として語られることも多い(しかもリデジタイズ同様作中で特に触れていない)。
この他、セリフの節々や建物を見てみるとパロディが多分に含まれている事がよくわかる(なお、制作に協力した企業などは実名で登場している)。
電脳空間EDENとデジタルモンスター
近未来の日本。
インターネットに視覚的かつ感覚的に
アクセスすることの出来る技術によって、
「電脳空間EDEN」が人々のあいだで、もう一つの日常世界となっていた。
セキュリティによって守られていた電脳空間。
しかし人々の生活に密着するにつれ、
そこで起こる犯罪も多くなってきていた。
特殊なウィルスプログラムを利用し
電脳世界に甚大は被害をもたらすハッカーたち。
そのウィルスプログラムはAIをもち、あらゆる情報を吸収、
環境に応じて多種多様に進化を遂げる能力をもっていた。
人々は、その特殊なウィルスプログラムを
「デジタルモンスター」と呼んだ…
電脳空間の異変!デジモンとの冒険の始まり!!
電脳空間で噂のハッカーに興味津々の主人公。
ある日ネットで知り合った人物からデジモンを捕まえるための
「デジモンキャプチャー」を入手するため、
デジモンが出現すると噂の、電脳空間の最下層へとログインする。
待ち合わせをしていたチャット仲間の
ノキア、アラタと共に下層エリアを探索し始めるが、
突如発生した電脳空間の不具合により、
自身の精神データの一部に破損が生じ、
主人公は元の肉体にもどれず、半デジタル状態の姿
「データ体」で現実世界にはじきだされてしまう!
それと同時期に、街では電脳世界のデータが
実体化する怪奇現象が頻発し始めるのであった…。
(公式サイトより引用)
デモンズ
その他
デジラボの案内人。
オンラインコロシアムのゲッセンメイド。
杏子とは幼少期からの付き合いである刑事。
警視庁電脳捜査課に所属しているのだが、サイバー知識はゼロ。
杏子の父は先輩であり、真実を探っていた所を消された為にカミシロ・エンタープライズを仇として追っており、主人公やフーディエに協力を持ち掛ける事が多い。
「新宿マタギ刑事」の異名を取る優秀な刑事であり、フーディエの初期メンバーとも知己であるほか、部下の娘からも本当の祖父のように慕われている人望厚き人物。その実力から「怪盗デジ面相」からも一目置かれる。
アラタがとある理由から指名手配された際には何か理由があると見て見逃したり、フーディエをはじめとするハッカーたちがEDENの解放に立ち上がった際には防衛隊の制止を振り切り、新都庁に殴り込みを掛けて協力するなど粋な所がある。
その一方でエリカとリエが殴り合いを始めた際には呆然としたり、タンクモンの正体が某国の作った兵器プログラムである事を知って焦っていた(国際問題になってしまう為)。
パートナーはバードラモン(→ガルダモン)、サブメンバーにスターモン(→スーパースターモン)、タンクモン(→ナイトモン)がいる…マタギなのにクマじゃないのかというツッコミはしてはならない(本作ではベアモン系譜が育成できない)。
ヤンキー上がりの女性巡査。交通課から電脳犯罪搜查課に転向したが、サイバー知識はゼロ。
その上、何か気に入らない事があるとすぐに実力行使に出たり、逮捕しようとする危ない人。
又吉を尊敬しているので彼に対しては頭が上がらず、惚れている竜司の話題を出されるとペースが乱れてしまう。
おまけに可愛いものが好きでグロテスク嫌いという乙女な部分がある。
パートナーとしてロップモン(デジモンアドベンチャーのオマージュでアンティラモンにワープ進化した)、サブメンバーとしてルナモン(→クレシェモン)とテリアモン(→ラピッドモン)を得た。
ハッカーズメモリーでは深く掘り下げがされているのでそちらもプレイしておくと良いだろう。
- 武井リョウタ(CV:岡本寛志)
主人公の同級生。サクラに好意を寄せており、何度か主人公に彼女絡みの依頼を申し出てくる。
主人公の同級生でジミケンのファン。
そのせいでジミケンの悪事に巻き込まれる憂き目に遭う。
- 山科誠
カミシロに吸収された企業ナイルコープ社の社員であり、EDENを作り上げた人物の一人。
EDENβテスト中に起こったある事件を境に精神を病み、末堂アケミの催眠治療にて記憶を一時的に消していた。
娘にチカがいる(CV:大空直美)。
- K-カフェのマスター
中野ブロードウェイにある喫茶店「K-カフェ」のマスターで、コーヒーの味はイマイチ。
美人に弱い上、バイトのサッちゃんからは時給を上げるように脅されており、完全に手玉に取られている。
K-カフェには主人公がマスターに依頼されて事件の解決の為に呼び出されたり、依頼者との打ち合わせの為に何度か訪れる事になる。ハッカーズメモリーにおいても主人公と優の溜まり場として利用された。
そんなマスターにはとある秘密がある事がハッカーズメモリーで語られる。
- 田和玲子(CV:竹達彩奈)
タワーレコードとのタイアップキャラ。
音楽をこよなく愛し、渋谷のタワレコで店員として働いている。
- リリィ
メイ、マナカ、副部長のケンジで構成されるオカルト研究部の幽霊部員。
グラフィックはバイトのサッちゃんの流用。
スクランブル交差点で目撃されるとある怪異を巡ってオカルト研究部達と関わる事になるが、彼女と本格的に
ハッカーズメモリーで登場したパートナーは???。
- ヤス
物語の途中からテイマー集団「リベリオンズ」に加入したハッカー。
語尾に「ッス」と付くのが特徴的なノキアの子分のような存在。
デジモンキャプチャー
とある人物によって開発されたプログラム。
簡単に言えばデジモンのデータをスキャンするツールであるが、濫用抑止の為にスキャンしたデータをコンバートする機能は実装されておらず、ハッカーが独自開発する必要がある(主人公はデジラボへのアクセス権限があるために特にコンバートに制限はない)。
元ネタはデジモンの公式設定に存在する用語である(出典:『バンダイ公式 デジタルモンスター 25th Anniversary Book』(集英社)P007より)。
本作におけるデジモンはハッカー達が利用するウィルスプログラムという扱いで、彼らの間では生き物とは見なされておらず、ハッカー間ではデジマーケットなどの闇市場で取引されている。
中には野生のデジモンと交流してパートナーにするハッカー(テイマー)や他のハッカーから譲渡される場合も少なくない。
デジタルワールドからEDENに迷い込んだ者が殆どであるが、中には人間世界の電脳空間から誕生する個体も一定数存在する(タンクモンなど)。
ハッカー達にハッキングなどの目的で利用されたり、人間達の仕事を手伝ったり(明太子屋で働くシルフィーモンとティラノモンやとある人物に協力しているマッシュモンなど)、電子機器に異常を起こすウィルスに等しい悪さをしたりと人間との関係は様々。
途中からデジタルシフト現象の進行と次元の穴の崩壊により、デジタルワールドからやってきたデジモン達が現実世界で次々に実体化するようになり、各地で混乱を引き起こした。といってもあるものは観光、あるものは就職したりと必ずしも人間達に害を及ぼしているわけではないようだ。
また、外部の影響を受けやすいプログラムである為、人間の心と影響し合う特性を持っていたり、人為的な改造を施す事が可能である。
なお、主要人物のパートナー全てにセリフが用意されているわけではなく、終始無言の個体もいる。
デジタルシフト
現実空間がデジタル空間化する現象。
黒いヒマワリのような花が咲き乱れたり、黒いテレビの山がバリケードを作り上げたりと風景が異質なものになる。
これにより、デジモンが実体化やハッキングススキルの行使が可能。上級のハッカーであれば、デジタル空間に干渉して迷宮を作り出すなどの系統が可能。
「デジタルウェイブ」というデータの流れが収束するポイントで発生しやすく、その特性から杏子はマヨヒガ伝承や龍脈伝承と結びつけている。
コネクトジャンプ
イーターに襲われ、半電脳体となった主人公が会得したスキル。
肉体のまま電子機器などの電脳空間に入り込む事ができ、ネットワークを介して現実世界の別の場所に転移する事も出来る。
データ領域によっては兵器プログラムの発したレーザーやイーターなど様々なものに接続できるなど応用の幅が広い。
その実態はアカシックレコードに干渉するものらしいが、とりあえず電脳空間に入れるすごい能力とだけ覚えておけば良いだろう。わかりやすく言うとロックマンエグゼのプラグインや流星のロックマンの電波変換みたいなもの。
デジラボ
デジファームやデジバンク機能を備えている施設。
サイバースルゥースではコネクトジャンプによってEDENのアクセス用端末「EDENスポット」や中野ブロードウェイ内の相談屋にある黒電話、デジタル空間に設置された青い端末や公衆電話から行く事が出来るが、ハカメモ主人公はあくまでも一般人であるため、デジヴァイスを使ってパソコンからアクセスするという手順を踏んでいる(ただし、同行者がいる場合は一緒に転送される)。
なお、EDENがイーターに侵食された状態であってもアクセス可能。
EDEN
カミシロ・エンタープライズが運営する商用メタバース。エンタメから行政にまで深く根付いている。
デジヴァイス(ゴーグル型や髪留め型などがある携帯端末)を使用することによって「EDENスポット」やパソコンからアクセスできる。
VR技術によって画面上のやり取りではなく、現実世界の容姿に則したアバターを介して情報を直に体感できるのが特徴だが、場合によっては現実世界の肉体へ悪影響が発生するが、認知に左右される事もある。
URLを入力すれば指定のスペースへ飛べる(文字通り)他、ハッカー達が暗躍するダンジョン「クーロン」や「アンダークーロン」(後者はハカメモで探索可能)の他、各ハッカーチーム(ザクソンやデモンズなど)のアジトなど様々なスペースが存在する(コネクトジャンプを持たないハカメモ主人公はこちらでの活躍が主となる)。
また、EDENの情報制御を司る最古のサーバーは「ヴァルハラ・サーバ」といい、そこにEDENの前身にしてハッカー達の起源である聖地「アンダーゼロ」が存在するとされるが、世界最高クラスのセキュリティに守られた難攻不落のエリアとなっている。
マスコットはロボット型の「ナビットくん」であり、現実世界でも着ぐるみがプロモーションを行っているが、一部地域で確認されているナビットくんの中の人は不明であり、一部で都市伝説にもなっている。
デジライン
デジヴァイスに搭載されたSNS。
デジモンを含めた仲間内でコミュニケーションを楽しんだり、デジファームからの通知を受け取る事ができる。
モデルはそのままLINEだと思われる。
作中世界ではこれとは別にチャットや掲示板といった現実世界で馴染みのあるSNSも存在する。
EDEN症候群
EDENのヘビーユーザー達がある時を境に昏睡してしまう奇病。
その実態はイーターがユーザーの精神データを捕食した際に起こる現象であり、主要人物では主人公や今井千歳が発症しているのだが、とある人物がユーザーが捕食した精神データを守っていた事が判明し、これが事件解決への鍵となる。
クリア後の改変世界でもEDEN症候群の発症事件が起こったことになっているが、こちらは発症から1週間で完治したという扱いになっている。
デジモンメダル
本作のコレクションアイテム。
ガチャやフィールドの探索、ビクトリー・ウチダからのプレゼントという形で入手できる。
本作で育成可能となったデジモンの他、本作では育成できないデジモンをモチーフとしたものが存在する。
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