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概要編集

携帯育成対戦ゲームとして当時一大ブームとなったデジモンシリーズの、初の本格的なプレイステーション作品。発売は1999年1月28日。

ジャンルとしてはフル3D育成シミュレーションRPGであり、作中に登場するデジモンを育成し、他の野生デジモンなどとバトルさせ、ファイル島と呼ばれるデジモン達の住む島で起きた事件を解決するというもの。

ファイル島の地名は『デジモンアドベンチャー』をはじめとする他作品と同じであり、はじまりの街などお馴染みの場所も存在する。


本作はデジモン業界で二段目となる家庭用ゲーム作品であると同時に、初のフル3D作品でもある。それまでのデジモンはドット絵か商品サンプル用のイラストしかなかったため、立体的に再現されたデジモンに当時のユーザーたちはかなり興奮させられた。特にOPムービーは当時としてはかなりの高クオリティであり、それが人気の一つでもあった。

作品内容としてはデジモンシリーズ本来の育成SLG要素を忠実に再現しており、そこにバトル要素の強化と、RPGでありつつ高い自由性と広大で電子的でありながらも幻想的な独特のフィールドを加える事で、本作はデジモンゲーム作品の一つの完成形とすら評されている。


後続作品のうち、『デジモンワールド デジタルカードバトル』、『デジモンワールド デジタルカードアリーナ』、『ポケットデジモンワールド』、『デジモンワールド-next0rder-』などの作品とリンクしている。


ストーリー編集

デジモンの育成が得意な主人公の少年は、ある日携帯育成ゲーム「デジタルモンスター」の中に吸い込まれてしまう。ゲーム世界は「デジモン達が心を失う」という危機に直面しており、デジタルモンスターの育成が得意な主人公を必要としたのだった。現実世界から主人公を召喚したジジモン達から事情を聞いた主人公は、問題解決のためパートナーデジモンを連れてファイル島の探索を開始する。

Wikipediaより抜粋)


登場人物編集

CV:高山みなみ(のちにアルファモン工藤タイキを担当)

黒のニット帽に黄色いパーカー、サムズアップポーズが印象的な主人公。性格はお調子者。

『デジタルモンスター』にハマっており、ある夕暮れ時に初代『デジタルモンスター』の画面が発光し、デジタルワールドに召集される。いわゆる元祖選ばれし子供たちといった所であろうか?

心を失って「はじまりの街」の外に散り散りになってしまったデジモン達を呼び戻し、デジタルワールドを救うためにデジモンの育成や交渉に勤しむ事に…。

話す言葉はデジモン語に変換されてデジモン達に伝わっている。


本作でデジタルワールドを救った後の時間軸である『デジモンワールド デジタルカードバトル』では「ファイル島を救った伝説の勇者」として語られており、彼の体を元に作られたアバターが再び混乱に陥ったデジタルワールドを救うべく、ババモンによって与えられ、主人公の操作キャラとなる(つまり、主人公の本体は男性でも女性でも成立するという公式設定)。


『デジモンワールド デジタルカードアリーナ』の主人公も本作のデザインを元に『デジモンアドベンチャー』風のデザインにリ:デザインされている(初代デジワーの主人公とは別人である)。


デジモンワールド-next0rder-』ではマメオ名義で登場。


  • アナログマン

ムゲンマウンテン最深部にてムゲンドラモンを操る眼鏡の男。

名前が「デジタルモンスター」に対する「アナログな人間」となっているのが秀逸(本名ではなく自称)。

ネット世界の支配を目論むハッカーであり、デジモンを奴隷としか思っていない本作の黒幕である。

主人公に敗れ、謝罪をしてやり直すよう言われるも、ムゲンマウンテン深部を爆破して別の世界へ逃走を図り、はじまりの街のデジモンたちの妨害を受けてプログラムが誤作動し、そのまま死亡した模様。主人公はエアドラモンに救出されて無事であった。

ファイル島にはデジタルワールド時間で100年前に降り立ち、その後10年もの間、現地のデジモンと戦っていたとされる(※デジタルワールドの時間は30日で現実の1年に換算されるので8年ほど活動していた事になる)。


『デジモンワールド デジタルカードアリーナ』では謎のウィルス「A」として登場(本人というよりかは「悪意の集合体」のようなものである)。

ネットの海に封じられていたが、ヴェノムヴァンデモンの体を乗っ取って復活。

ムゲンタワーでの戦いではバトル開始時にパートナーカードを山札の最後に移動するだけでなく、「シャッフルフリー」や「セブンズカード」と「ダウンローダー」といったチートシステム・カードを使って本気で殺しにかかってくる。特にいきなりアポカリモンを展開してくるシーンは古参ファンにとってはトラウマの一つに数えられる。


もはや通常の手段では倒せないため、ロゼモンがカードバトルに負けるとアクセス権を消去するプログラムを仕掛けており、抵抗を試みるも、既に防御システムの身となったロゼモンに自身のカレントをロゼモンのワークに固定されるという無限ループに引きずり込まれ、再びネットの海に封印された。


デジモンワールド-next0rder-』でも津々木ショーマの体を乗っ取る形で暗躍。

「デジモンワールド」時代の記憶も残っており、主人公に未だに恨みを抱いている事が窺える。

今のところこれが最後の復活になるが、根絶されたと明言はされておらず、今後も何らかの形で復活するという事も充分にあり得る。


毎度毎度高い技術力でこちらを苦戦させてくる一方で、退場する時は余裕綽々な態度から一転、命乞いをしながら情けない断末魔を上げるというのがお約束となっている。

加えて顔芸が一種のトレードマークになっており、ヴェノムヴァンデモンに取り憑いた際にも顔芸を披露していた。


令和版『デジモンカードゲーム』にも初代主人公と共に参戦している。


登場デジモン編集

育成可能

幼年期:ボタモンプニモンポヨモンユラモンコロモンツノモントコモンタネモン

成長期:アグモンベタモンガブモンエレキモンパタモンクネモンピヨモンパルモンペンモン

成熟期:グレイモンティラノモンデビモンメラモンエアドラモンシードラモンヌメモンカブテリモンガルルモンエンジェモンバードラモンユキダルモンホエーモンベジーモンユニモンケンタルモンオーガモンバケモンシェルモンドリモゲモンスカモンモノクロモンコカトリモンレオモンクワガーモンシーラモンナニモンイガモンパンジャモン

完全体:メタルグレイモンマメモンもんざえモンスカルグレイモンメタルマメモンベーダモンアンドロモンギロモンエテモンメガドラモンピッコロモンデジタマモンメガシードラモンヘラクルカブテリモンホウオウモンギガドラモンメタルエテモン


『デジタルモンスターver.1~4』のデジモンたちに数種の新規を加えた、といった具合。

メタルグレイモンはアニメ『デジモンアドベンチャー』から登場したオレンジ体色(ワクチン種)のものではなく、初期設定の青い体色(ウィルス種)のもの。


また、諸事情によりヘラクルカブテリモンとホウオウモン、メタルエテモンは完全体扱いとなっている。詳細は余談項を参照。


NPC

ジジモントノサマゲコモンジュレイモン等、主人公に協力してくれるNPCデジモンも存在。これらの同種を育成することは出来ない。

また、上記育成可能デジモンと同種のデジモンも別個体がNPCとして登場し、主人公が復興させる街の住人となる。


さらに、道中の雑魚敵にはモドキベタモンブルーメラモンレッドベジーモン等、育成可能デジモンのコンパチ仕様のものが多く出現する(ゴブリモンのような新規デジモンもいる)。


本作で時計役を務めるクロックモンも本作初出。


また、今ではかなりマイナーとなってしまった「ブリキモン」(本作では「ブリキ人形」名義)の初登場作でもある。


NPC専用デジモンものちの育成ギアやRPGで育成可能になったのは言うまでもない。


余談編集

ギガドラモンとパンジャモン、メタルエテモンについて編集

この3種は通常プレイでは育成できず、本作の体験版ディスク、コミックボンボンの応募者全員サービスで貰えたプレミアムディスク、攻略本の懸賞からそれぞれ入手できる専用の進化アイテムを使うことで育成可能となる。

なお、それらのアイテムのデータ自体はゲームソフトに収録されてあるため、やろうと思えばバク技やチートで入手できたりする(推奨は出来ないが…)。

アイテム名アイテム効果入手媒体
ギガハンドギガドラモンへ進化可能体験版ディスク
高貴なたてがみパンジャモンへ進化可能プレミアムディスク
メタルバナナメタルエテモンへ進化可能攻略本の懸賞

一部のデジモンの世代編集

このソフト内では、パンジャモンが成熟期、ヘラクルカブテリモンとホウオウモン、メタルエテモンは完全体扱いである。

この3体の究極体デジモンが完全体扱いな理由の一つとして挙げられている「当時は究極体の設定が存在しなかったため」というのは語弊があり、少し事情が異なる。

というのも『デジモンペンデュラム1 NATURE SPIRITS』はデジワーに先駆けて1998年10月に発売しており、この時点でヘラクルカブテリモンメタルエテモンが究極体として扱われている。

つまり、より正確に表すなら開発段階の時点で究極体が公表されていなかったからとなる(完全体が最高レベルとされていた初期シリーズを意識した設定であるため、世界観的にもそぐわない)。

なお、ホウオウモンに関しては間違いなく本作が初出であり、究極体として扱われたのは1999年6月発売の『デジモンペンデュラム4 WIND GUARDIANS』である。


後発作品について編集

続編としてデジモンワールド2・3が出たが、デジモンシリーズの魅力の一つである育成SLG要素を廃した完全なRPGとして仕上がっていることから「デジモンっぽいなにか」と評価は散々であり、それらの事情がより初代作品を印象づける形となった(とはいえ、『3』が初出のパートナーデジモンであるコエモンベアモンコテモンはその後のシリーズで度々登場し、ボスの『〇〇ジンモン』系が公式設定に取り入れられるなど、一定のファンが存在することも事実である)。


2005年発売の『デジモンワールドX』に至っては(世界観のベースは『デジモンペンデュラムX』)では人間が一切登場せず、アグモンブイモンギルモンドルモンが武器を手に「デジタル・セキュリティ・ガード」(D.S.G.)に加入して戦うアクションゲームに変更された。


その結果、数々の後続作品がでたにもかかわらず本作の人気は衰えるところを知らず、十数年たった今も「家庭用デジモンゲームの原初にして頂点」とファンの間からは評されている。

ただし時代の流れには対抗する術もなく、当時は実装されていなかった究極体の欠如(一部後に究極体に設定されたデジモンも完全体として扱われている)や、3Dクオリティーの高度化による相対的な陳腐化から、本作の要素を純粋に継承した続編、またはリメイク作品の登場が強く望まれていた。


そして発売から約13年後の2012年7月19日に本作の純粋な後続作品として『デジモンワールド リ:デジタイズ』がPSPに発売される。

初代にあった育成SLG要素とバトルシステムをそのまま継承すると同時に究極体の追加によってファンから一定の評価を得えた。

ただしこちらも育成・バトルシステムは旧来のままであり、それを「継承」と呼ぶか「進歩がない」と呼ぶかによって評価が分かれており、またRPG部分に関してはフラグ回収が厳密化されているため自由度が低く、またフィールドデザインもより現代風景的になっていることからその点においては評価が低い。

なにより育成可能デジモンがTVシリーズの主人公格しかいないこともユーザーを選ぶ要因となってしまった。なので純粋な後続作品ではないとして残念がるユーザーも少なからずいた。


その一年後の2013年6月27日に改善版たる『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』が3DSに発売される。

変更点としては全体的なシステムの最適化、育成可能デジモンの倍加、ストーリーの追加(実質3倍化)、新キャラクターの追加などがあげられる。

所謂デジモンワールド リ:デジタイズの完成版であり、前作のリ:デジタイズを「体験版」とすら評価させられる高い完成度とクオリティーからユーザー評価は高く、デジモンワールドの純粋な後続作品としての本懐を遂げた作品となった。

ただしRPG部分の不満はいまだ解消されていない。

また、実質的にPSP版を買ったユーザーが踏み台にされしまっているという、所謂「完全版商法」特有の問題を抱えており、PSPユーザーからは作品内容とは別に販売形式に対して不満の声が大きい。


また、世界観設定を引き継いだ『デジモンワールド デジタルカードバトル』というゲームも存在。

こちらは育成SLGやRPGではなく、その名の通り電子でプレイする『デジタルモンスターカードゲーム』となっている。

その続編である『デジモンワールド デジタルカードアリーナ』では、お馴染みの主人公に加えて『デジモンアドベンチャー』シリーズの人物も登場した他、アーマー進化のシステムが追加された。


この他にもPocketStationで育成したデジモンでバトルを行う『ポケットデジモンワールド』シリーズも展開された(『ポケットデジモンワールド』、『ポケットデジモンワールド ウィンドバトルディスク』、『ポケットデジモンワールド クールアンドネイチャーバトルディスク』の三作が販売された)。


ちなみに…編集

実はセイバーズ〜クロスウォーズ世代にお馴染みな『デジモンストーリー』シリーズであるが、海外ではなんとデジモンワールドシリーズとしてカウントされており、海外表記は次の通りである(北米ではロストエボリューションから超クロスウォーズは販売されず、サイバースルゥースが純粋な意味での「デジモンストーリー」第1作となった)。

この他にも『デジモンワールド』シリーズとしてカウントされているソフトが存在する。




関連タグ編集

デジモン

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