概要
〈自警団〉サイトの管理人をしている中年女性。美人で実年齢よりも10歳は若く見える容貌の持ち主。特殊清掃を請け負う清掃会社でパートをしている。清掃会社の社長とは内縁関係だったが、相手の浮気が原因で別れている。猫を飼っている。娘を交通事故で失った事がサイト運営のきっかけと江梨子に話している。好きな曲は「亜麻色の髪の乙女」。
オフ会で主人公の一人である『三田江梨子』と知り合い、交流を深める様になる。江梨子に国分寺女児殺害事件の犯人である少年Aを特定してネット上に晒す事を提案、江梨子が連れて来た龍馬を加えて3人で少年Aを追う様になる。
龍馬の伝手を駆使し、少年Aが新宿ガーデン法律事務所の所長『一橋誠司』である事を特定して晒す事に成功するも、行方不明となり、江梨子の家に彼女の眼球が送られた後に焼死体で発見されてしまう。
正体
実は山本弥生という名前は、孤独死した中年女性の戸籍を乗っ取った物であり、本名は『伊東弘美』(旧姓は山内)。少年Aこと落合聖司に殺害された少女『伊東美月』の母親である。少年Aの逮捕後、夫と離婚して息子と一緒に山形県の実家に帰るも、娘の死とマスコミの激しい取材が原因で精神を病み、心中未遂を起こす。その後、娘の事件で知り合った刑事『美馬宗樹』に頼み込んで娘の殺害映像の入手する。作中の10年前に自身の自殺を偽装、上記の清掃会社にパートとして入社する。その清掃会社に孤独死した女性『山本弥生』の遺体を秘密裡に処理して欲しいという依頼が舞い込み、それを利用して『山本弥生』の戸籍を乗っ取る事に成功している。そして、〈自警団〉サイトの管理人となり、少年Aを誘き出す為にダークウェブに殺害映像を出品する。江梨子達と共に落合の特定に成功後、美馬に自分の死を落合の仕業に偽装する事を遺書で頼み、娘の殺害現場で自殺する。美馬は少年Aを裁くという己の正義を貫く為にそれを受諾、彼女の遺体に落合が吸った煙草の吸い殻を放置したりと偽装工作をしている。美馬は落合の遺体が発見された後、警察に自首して全てを告白している。こうして、娘を心から愛していた母親の復讐は終わりを告げる。
余談
娘に対しては強い愛情を持った母親だが、娘の兄である息子に対しては決して良い母親ではない。精神の病んだとは言え、心中未遂を犯した上にその後は存在を無視している。挙句に息子は母親が隠し持っていた妹の殺害映像が写されているビデオテープを見てしまった事で精神に悪影響を及ぼした事で児童ポルノを愛好する性犯罪者となってしまう。息子に迷惑を掛けない為に自身の自殺を偽装したのだろうが…そもそも娘の復讐の為に彼を捨てている。
