概要
CV:安原義人
マスター・アルバートとは、『ロックマンゼクスアドベント』のキャラクター。
三賢人の一人で、柔らかい物腰の知的で温厚な人物。他の三賢人と一緒に、ロックマンとなった主人公に力を貸してもらえないかと頼み、ミッションの手配やその道中のサポートを行ってくれる。
しばしば主人公に毒づく三賢人のミハイルを制して代わりに話を続けるなど、常識人ポジションである。
三賢人は全員体が機械化しており、長い寿命を持つことを許されている。
三賢人の中では科学技術を担当している。
※以下本編の大きなネタバレを含みます
普段は三賢人として振舞っているが、その素性は「神」になり得し人間を選び出し、それをモデルVによって創造される新たな世界の支配者に据えんとする「運命のゲーム」なるものを始めた、作中にて仄めかされる「あの男」その人である。
前シリーズの最後において破壊された衛星砲台ラグナロクの残骸を、ライブメタル・モデルVに作り変えた張本人でもある。
ロックマンゼクスとロックマンゼクスアドベント2作品を通しての全ての黒幕であり、前シリーズからモデルVを通して続く深い因縁を作った。
作品中では、機械であるレプリロイドと人間が、あらゆる点において平等に生きる法が制定されているため、人間は一定の年齢に達すると体の一部を機械化される。「科学」を統べる三賢人であるアルバートは、自分が機械化に携わった人間の何人かに、自分のDNAデータを組み込んだ。そうして「選ばれた」人間達は当人の知らぬまま、モデルVによって生み出されるイレギュラーの攻撃対象を外れ、モデルVの適合者(R.O.C.Kシステムによって変身出来るロックマン)となる。
それには前作のセルパンのみならず、ジルウェや前作主人公であるヴァン、エールも対象に含まれていた。
物語の中盤にてそれらを明らかにし、更に三賢人を離脱。
そうしてアルバートは、かつて世界の各地に隠したモデルVを再び手元に収集するべく、イレギュラーを率いて行動を開始した。
終盤、兼ねてよりアルバートに協力する裏で復讐の機会を窺っていた腹心のプロメテとパンドラに居所を突き止められてしまい、倒される。
が、それはダミーボディであり、二人が主人公との戦いで傷を負ったところへ赤い髪のオリジナルボディで現れ、二人が数百年に渡り抱き続けてきた負の感情(怒り・悲しみ・苦しみ・憎しみ・狂気)を、数々のロックマン達との戦闘データと共に抜き去り、戦闘不能に陥らせる。同時にその感情データは周囲の無数のモデルVへと吸い取られ、全てのモデルVが起動してしまう。
起動したモデルVは合体を始め、海底基地の崩壊と共に海を飛び出し、空へ昇ると究極のライブメタル、「ウロボロス」となった。
ウロボロスに乗り込んできた主人公と対面し、主人公の持つライブメタル・モデルAは自らの計画の全てを収めたバックアップシステムであるということを明かす(即ちAはアルバートのイニシャルだったわけである)。
モデルAの能力である「トランスオン」は、負の感情に呑まれてモデルVに吸収されていった全ての魂を自在に操るというモデルVの力の擬似的な再現のようなものにすぎず、ウロボロスを手中にしたアルバートは、これまで主人公が倒してきたフォルスロイド達本人(アーゴイル&ウーゴイルのように二人一組のボスを含む)へと姿を変え、その魂までも内包することを証明して見せた(要するに変身と同時に人格もその本人になっているというわけであり、この魂を切り離して新たなボディに組み込む事も可能。ウロボロスで再び対決するボスたちはそうして再生された個体である)。
主人公との最終決戦では、プロメテとパンドラから得たと思しきモデルX、Z、F、L、P、Hなどの全てのライブメタルの力を使った攻撃を放ってくる。
モデルVを作った彼だが、その野望についてはさておき、特筆すべき点はある。かつて天才的な頭脳を誇ったガーディアンの初代司令官ですら、その機構を解明できないほどの特殊なライブメタル、モデルVをたった一人で作り上げてしまったあたり、アルバートは科学者としては紛れもなく優秀であったことが窺える。プロメテ、パンドラの発言から、ラグナロクの落下からそう経たない内に計画を開始したことも知ることが出来る。三賢人の立場も利用し、各地で秘密裏に立ち上げた研究所群を運営し数百年がかりで計画を進めるなど、その執念は常軌を逸している。そこにどのような切っ掛けがあったのかは明かされていないが、最終戦直前に彼が語った内容は世界の在り方に疑問を呈すというものであったことから、モデルAが答えたように、その世界に住む大衆とは違う目線、物の見方をしていたのだろう。
子孫がいることから、生まれは人間であったことがわかる。子孫のうちの1人はアッシュである事が判明している(グレイはアルバートのスペアボディという設定)。
名前の由来はDr.ワイリーことアルバート・W・ワイリーだが、シナリオ担当の矢部誠氏によれば「その人そのものではない」という扱いらしい。
使用技
第一形態
三ツ首の竜のような形態で、ダメージ判定はコアのみ。ヘリオスの三段斬りと、アトラスのグランドブレイク下コマンド撃ち(グレイのみ)またはバスター左右連射を使えば簡単に落ちる。しかも、今作のバランスブレイカー要員として時間を遅れさせる「タイムボム」も使える為、ZXシリーズでは弱い方。
設定ではこの姿はメカニロイドに分類されている。
- ビーム
口から紫色の電撃を放って地面をめくれ上がらせる。
このビームに触れると吹き飛ばされる他、瓦礫にもダメージ判定がある。
- 火柱
口から火種を発して、着弾した場所に火柱を上げる。
ちなみに火種自体にダメージはない。
- デスサイズ
ツノを地面時突き立て、コアに接近したプレイヤーに向かって引きずってくる。
ツノにアトラスのバスターを連射すると首が傾くチャンスが生まれる為、その間に隙間をダッシュで潜り抜けて脱出する事ができる。
- 吸い寄せワープ
コアの前にブラックホールを発生させ、プレイヤーを吸い寄せる。
プレイヤーの後部にはホワイトホールが発生していて、そこから光弾を数発発射する。ブラックホールの中にバスターを連射するとカウンターとして撃った分のバスターが後ろから飛んでくる。
- 光弾・ミサイル
一定数ダメージを与えると首が分裂して光弾を、首の断面からミサイルを放つ。
しかし、ここまでくるともはや脅威ではなく、ヘリオスの大振りセイバーを使えばミサイルの発射を防ぎながら楽にコアにダメージを与えられる。
第二形態
ガレオンやルミネを思わせる天使のような姿。
このビットでバリアを形成しており、彼を守るビットのHPをゼロにする事で本体にダメージを与えられる(ただし一定時間経つと再生する)。タイムボムで遅くしてからホーミングショットでビットに纏めてダメージを与えると楽に削れる(どうしても削りきれない場合はヘリオスやテティスのジャンプ斬りを使うと良いだろう)。ちなみにバリアが剥がれればZXセイバーの連斬で簡単に落ちる。
ロックオンレーザー
「絶対の光だ!」
プレイヤーをロックオンし、レーザーを発射。
着弾した場所には紫色の爆発が出来、この爆発は一定時間残る。
恐らくモデルAの力だと思われる。
ジャッジメントソード
「信念の刃だ!」
下部に生えたブレードを引きずるようにこちらに突進してくる。
恐らくモデルZの力だと思われる。
プラズマサイクロン
「高貴なる嵐だ!」
本体が画面外に消え、ビットで大竜巻を発生させる。
また、小竜巻を発する事もあるが、陸地に面した左右のビットに一定数ダメージを与えれば簡単に解除される。
恐らくはモデルHに由来する能力だと思われる。
十字手裏剣
「暗黒の刃だ!」
地面を回転しながら進む刃を放つ…十字と名が付くが、どう見ても真一文字である。
クロノフォスにトランスオンすれば楽に回避できる。
恐らくモデルPの力が由来だろう。
ここまでがバリア展開時での技となる。
ダブルチャージバスター
「運命の光だ!」
画面奥に出現し、挟み撃ちするように極太レーザーを放つ。
チャージセイバー
ビットで巨大なセイバーを作り出して振り下ろす。
破片にも攻撃判定があるが、アルバートの背後に回り込んでしまえば楽々ダメージを与えられる。
恐らくはモデルZ由来の力だが、他の技のように元ネタを連想させる詠唱はない。
グランドブレイク
ビットでハンマーを作り出してプレイヤーを横転させ、地面から火柱を吹き上げる。
恐らくはモデルF由来の力だが、他の技のように元ネタを連想させる詠唱は(ry
フリージングドラゴン
ビットと氷塊で蛇のようなものを複数作り出してプレイヤーの動きを遮る。
氷塊は攻撃で破壊可能。
恐らくはモデルL由来の力だが、他の技のように元ネタを連想させる詠唱は(ry
バニッシュ
バリアが解除された状態でタイムボムを使うとタイムボムの効果を無力化してくる。
なので使用はバリア解除前に行おう。なお、フォルスロイド由来の能力はたったこれだけである。
ロックマンα
初代ロックマンを意識したミニゲーム「ロックマンα」にも登場。
姿は本編のラスボスである第二形態であり、攻撃を無効化するビットで体を守っているが、攻撃の為にビットを発射した時に無防備になってしまう(実はビットの隙間に弾を入れる事も出来、着弾すればダメージ判定となる)。
第2ステージ登場時には上空からビットを発射してくるという攻撃パターンが追加されている他、第3ステージ登場時にはなんとUFOに乗ってロックマン7のDr.ワイリーと同じ攻撃を仕掛けてくる。
敗北するとこちらに向かって土下座を行うというファンサービスも。
あの…これで別人だと言い張るのは無理があるんじゃありませんか…?
第1ステージはロックマンゼクスのOPステージをイメージした森林、第2ステージと第3ステージはアルバートのアジトとなっている。特に第三ステージの背景には夥しい数のモデルVが確認できる。しかも初代ロックマンの8bit画面を再現していながらも、描き込みが細かく、スタッフの本気度が窺える。
漫画版
漫画版ロックマンゼクスアドベントでは、前述のようなバックボーンは無く三賢人は彼一人の登場である。
ちなみにこちらでは、モデルVを平和利用するために調査しており最終的には、モデルVの力に呑まれて戦うという展開になっている。
ボロボロになったグレイの服装を見かねて新しい衣装を用意したり、実験の為にモデルVのエネルギーを与えられて暴走したクレイド・ザ・ジャイアントをノリノリで応援するなど、穏やかで愉快な変人という設定である。少なくとも原作のような悪人ではない。
関連イラスト
関連タグ
リディプス大佐…神を思わせる点など、彼をオマージュした要素が幾つかある。
ロックマンXDiVE…直接登場しないものの、前述の第一形態をモデルにした「モデルヒドラ」というバスター系武器が登場している。