「中々良い目をしていたね…だが、今の君では力不足のようだ。安心したまえ、私は逃げる事などしない…私は暫く人間界に留まり、閉ざされた魔界の扉を開けなければならないのでね。カケル君はしばらく寝ているがいい…君が目を覚ました時、地上には魔族の者があふれかえている事だろう。くっくっく…これで君の父親がした事は、全て無駄になったわけだ。君は魔族の溢れかえる人間界を見て、そして死んでいくのだ…ああ、なんて美しい殺し方だろう。神の血を引く者が完全なる敗北を知って死んでいく…これぞ四天王の頂点である私にとって、相応しい殺し方なのだ。…それではおやすみ、カケル君」
CV:塩沢兼人(コンシューマ版)
概要
ドラゴンナイトⅢよりはるか未来の時代に魔界を支配している魔王ミナクスに仕える魔界四天王の一人で、ミナクスの娘マノとは恋人関係にあった。
しかし、交際はミナクスに認められたものではなく、マノの妹イノの密告によってその事実を知ったミナクスの怒りを買い、三千年もの長きにわたり指一本動かす事の出来ない次元の狭間に幽閉されてしまった。
しかし、人間界の歴史を改変し、魔族の支配する世界に変えようと企むミナクスにより、マノとの交際を認める条件で神の子ヤマト・タケルを抹殺し、人間界に通じる魔界の扉を解放する為過去の世界に送り込まれる事になる。
しかし、時空を超える為に必要な黒い石はルシフォンを助ける為にマノが自ら願い出て儀式にかけられ、その子宮から抉り出したものであった。
儀式による呪いで負ったマノの傷を癒すには、石にかけられた願いを果たす事・・・・すなわち神の子タケルの血を絶つ事以外になく、不退転の覚悟で数千年の時を超えて過去の人間界に向かった。
PS版・SFC版では、直属の部下三名を引き連れている。
ゲームの一周目では圧倒的な魔力でカケル一行を葬り去るが、二周目ではマルレーネと名を偽りカケル一行に加わっていたイノによって魔力を封じられたのが仇となって敗れ去る。
マノを救えなかったことを詫びながら無念の死を遂げた。
……と、ここまで書くと哀しき悪役に見えるが実態はそう単純ではない。
自分を倒しに来たのがヤマト・タケルではなくその息子カケルと知り、「魔界四天王たる自分がただ子供と戦って倒したのではプライドに傷がつく」と考え人間を洗脳して即席の軍隊を作り、更に人間を石化する黒い霧を使ってカケル達の危機感を煽り、必死の戦いを「演出」していたにすぎなかった。
そして、意気揚々と自分の前に現れたカケルに、真の絶望を味わわせた。
カケルの仲間達を魔力で金縛りにし、足元に発生させた地割れに一人残らず叩き込んでしまったのである。しかも、カケルの幼馴染ナターシャをわざと最後に残したのだから陰湿極まりない。
かけがえのない仲間、そして最愛の幼馴染ナターシャを目の前で失い生まれて初めて殺意を抱いたカケルの怒りをさらに一笑に伏し、前述の台詞を浴びせて眠りにつかせた。
PS版・SFC版では、カケルの仲間達を石に変えてカケルの目の前で次々と打ち砕き、最期にナターシャを打ち砕くと言う、パソコン版以上に残虐非道な殺戮を行った。
更に、直属の部下の一人で、身分違いの恋心をマノに対して抱いていたハーディスを捨て駒にし、戦いに敗れるともう一人の部下リディアに処刑させたり、妹のヘレネを助ける為に別働隊を率いたカケルの仲間レアを、カケルに力を見せつける為だけにカケル達から遠く離れた場所で魔法により爆殺するなど非道さがパソコン版より際立っている。
更に言うならリディアは本来魔族ではなく天使で、天界との戦いで捕虜にした際に洗脳して生きた人形としたと言う事実を、仲間の大切さを訴えるカケルに、仲間など無用だと言う事実を突きつける為にわざわざ暴露したのだから非道さに念が入り過ぎである。