※『ジョジョの奇妙な冒険』第6部「ストーンオーシャン」のラストに関するネタバレが含まれるので注意
概要
アイリン
「あなた名前は?
ほら乗りなさいって!
お金なんてとらないんだから
ふるえてるわよ
寒いの?
さあ」
エンポリオ
「エンポリオです」
アイリン
「え?」
エンポリオ
「エンポリオ
ぼくの名前は………
ぼくの名前はエンポリオです」
「ぼくの名前はエンポリオです」とは、エンポリオ・アルニーニョの自己紹介である。
『ジョジョの奇妙な冒険』第6部「ストーンオーシャン」の最終決戦において、プッチ神父は自身のスタンドをメイド・イン・ヘブンに進化させ、徐倫一行を全滅させると同時に世界を一巡寸前まで到達することに成功する。一巡寸前の世界において、プッチはただ一人生き残ったエンポリオを、逃げられるという運命を回避するべく始末しようと容赦なく攻撃を仕掛けていくが、エンポリオが所持していたウェザー・リポートのスタンドDISCによって戦況が逆転する。
プッチの攻撃を利用する形でウェザー・リポートのDISCを自身に挿入し、一時的にウェザー・リポートが使える状態になったエンポリオは、隠されていた能力である純粋酸素攻撃を繰り出し、神父を追い詰める。純粋な酸素は生物にとって猛毒であり、それをもろに吸い込んだプッチは細胞が破壊されて立ち上がれなくなってしまう。必死に命乞いをするプッチを一蹴し、エンポリオは彼に引導を渡した。
世界が完全に一巡しきる前にプッチを撃破したことで世界は新たに作り変えられ、一巡前とも一巡後とも完全に異なるパラレルワールドが完成した。エンポリオは一巡前の世界の記憶を持った唯一の人間として放り出された。
やっと、全ての因縁を断ち切った。しかしかつての世界で出会った、命を賭して自分と世界を守ろうとした徐倫達はもういない。もはやプッチを倒し世界を救ったとしても、自分にはもう何も残されていなかったのである。
そして気づくと、エンポリオはどこかのバス停に佇んでいた。もう誰もいない、その事実を重く受け止めながら歩き始めたその時、かつての仲間たちにそっくりな人物と出会う。その中の一人であるアイリン(徐倫のそっくりさん)に名前を聞かれたエンポリオは、溢れ出る様々な感情を押し殺し「ぼくの名前はエンポリオです」と涙ながらに答え、物語は幕を閉じた。
余談
第1部から続くジョースター家の因縁の結末を描いた作中屈指の名シーンであり、ジョジョシリーズ全編を通して一二を争う涙腺崩壊シーンである。作者の荒木飛呂彦も第6部ラストは泣きながら描いたと語っている。
偶然か意図したものか不明だが、すべての始まりである第一話の「君はディオ・ブランドーだね?」「そういう君はジョナサン・ジョースター」というセリフとある意味で対になっている。