ドラマ・映画『踊る大捜査線』の登場人物。スピンオフ作品「容疑者 室井慎次」の主人公でもある。柳葉敏郎が演じている。
概要
東大卒業者が圧倒的に多い警察庁キャリアの中で、少数派の東北大学卒。
登場当初はガチガチのキャリアで青島と衝突する事が多かったが、湾岸署との交流の中で、所轄の刑事が活動しやすい組織作りと警察の改革を進めようと決意する。
その信念は青島との「約束」となり、警視庁・警察庁の中で日々苦闘している。
警察庁・警視庁内ではこの室井の「信念」を危険視し、彼の失脚を望む幹部も多い。
秋田出身という事できりたんぽ作りが上手く、資格まで持っている。また、時折秋田弁が口をついて飛び出すことがある。外食時は大衆食堂を好んで利用する。 キャリア官僚ではあるが、たとえ階級が下の人間であっても、和久など自分より年長者に対しては、丁寧な口調で話す。
スピンオフ映画である『容疑者 室井慎次』では弁護士の灰島秀樹によって、「特別公務員暴行陵虐罪」の共謀共同正犯の容疑で窮地に追い込まれたことがある。
2024年10月と11月公開のスピンオフ2部作では警察庁を退職、故郷の秋田県に帰り、身寄りのない子供を2人引き取って里親として育てているようだが…。
余談
当初、室井を演じた柳葉は「室井役は嫌だった」と告白しており、これまで体で表現して演技をするのが好きだった柳葉は、眉間にしわを寄せてほとんど微動だにしない室井の役柄に嫌気が差し、撮影中にプロデューサーに「俺には無理だから、(室井を)殉職させてくれ」と頼み込むほどだった。しかし、『踊る大捜査線』第1話を見た柳葉の妻から「この役カッコイイね」と言われた事から室井役を続ける事にしたと語っている。また、青島を演じた織田裕二もこの事については知らなかったと語っている。
室井の愛用するロングコートは設定上は通販で買ったとされているが、実際には当時30万円以上はする高級品で通販では手に入らないものだった。
警察内部のゴタゴタに巻き込まれて登場するごとに肩書きが変動することもあって、柳葉は「階級を覚えるのも難しい」と語っていた。
苗字は俳優の室田日出男、下の名前は『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジから取っている。
2005年に『容疑者 室井慎次』と明治製菓のスナック菓子「コパン」のコラボCMに登場。署内でダンスを踊っていた警官を一瞥した後「続けていい」と残して去っていった。
2013年には東京湾岸警察署開署5周年を記念して柳葉が一日署長に就任している。