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マイトガインラストショック

まいとがいんらすとのあくむ

マイトガインラストショックとは「勇者特急マイトガイン」第43話から最終回までのラスト5話で起きた出来事であった。
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概要編集

マイトガインラストショックとは、勇者特急マイトガイン最終5部作で起きた出来事あり、ヒーローが敗北を重ね、最後に勝利するも、その衝撃的な展開は後世に影響を及ぼした。


ラストへの布石編集

94年1月に勇者特急マイトガインは最終回を迎えるのだが、最終展開に関しては『極秘扱い』とされ、雑誌展開の都合上、早期の発売になる幼年誌の読み物では『ブラック・ノワール』の名前は露出しても、ラスボスがブラック・ノワールが操る洗礼ロボ・ツェットに差し替えられ、アニメ雑誌でも第44話以降は「これまで無敵だった勇者特急隊が負け続ける」以外の粗筋も伏せられており、当時の視聴者に期待と不安を与えた。

そして、1993年末に最終5部作が始まった。


最終5部作あらすじ(ネタバレ注意!)編集


第43話「悪魔の洗礼」編集

ブラック・ノワールはクリスマスオペレーションの前段階として、ウォルフガング博士が作ったロボットとパイロットに洗礼を施し、中のパイロットも大男に変貌する。

その頃、旋風寺家と吉永家は互いに食事会を楽しんでいる(これも最終回の伏線だったとは)最中、洗礼ロボが破壊活動を始めた為、グレートマイトガインで反撃する。

しかし、洗礼ロボは幾ら切断しても、穴を開けても瞬時に再生される魔のオーラを纏っており、更にジョー

轟龍も加勢するが、事態は悪化する一方だった。その時サリーの祈りの影響か、洗礼ロボが再生されない異変が起き、グレート動輪剣で辛くも洗礼ロボを倒す。そして、ジョーは「旋風寺舞人、お前は奇跡を呼ぶ男かも知れん」と考えた。


第44話「最後のクリスマス」編集

旋風寺邸で豪華なクリスマスパーティーが開催され、その最中に小沢警部は影の軍団首領で逃走中だったショーグン・ミフネを遂に逮捕する。その喜びも束の間、ブラック・ノワールは12月25日午前0時を以て世界征服作戦『クリスマス・オペレーション』を実行する。


第45話「世界征服作戦」編集

ブラック・ノワールは、魔のオーラを纏った戦闘ロボット軍団を用い、日本以外の国を全て14時間以内に制圧。勇者特急隊も反撃するが、パープル率いる軍団の前に返り討ちに遭い撤退する。

同じ頃、ジョーはエグゼブを追い詰め、自ら「故・宍戸博士の忘れ形見の息子」であった事実を告げる=ジョーの子供時代の本名は「宍戸ジョー(漢字不明)」であると判明した。しかし、エグゼブの魔のオーラの前に暗殺は失敗する。


第46話「絶望からの脱出」編集

ジョーを捕らえたブラック・ノワールは洗脳して仲間にしようとするが、魔のオーラの弱点がイノセント・ウェーブだと解明したウォルフガング博士に救出されるも、ウォルフガング博士自身はブラック・ノワールに返り討ちにされる。

同じ頃、ネオ鹿児島湾でパープル部隊と二度目の対決で、ガードダイバーバトルボンバーを失い、絶体絶命の危機を迎えたグレートマイトガインを救ったのは吉永サリー祈りだった。その影響で魔のオーラを失ったパープルは、グレートマイトガイン怒りのパーフェクトキャノンの前に遂に灰燼と化した。

そしてエグゼブは旧TR社一帯を浮上させ、その空中要塞で勇者特急隊に最後の戦いを挑むのであった。


第47話「嵐を呼ぶ最終回」編集

ウォルフガングの部下3人はマイトステーションに『イノセントウェーブ増幅装置』の設計図を渡し、製作を始める。同じ頃、ジョーは轟龍1機でブラック・ノワール軍団に戦いを挑むが劣勢になった時、イノセントウェーブ増幅装置を取り付けたグレートマイトガインが加勢し、洗礼ロボ軍団を全滅させる。

空中要塞で2機を迎えたのはエグゼブ操縦のインペリアルであり、パーフェクトキャノンを破り、マイトガンナーを破壊する。

圧倒的な力でグレートマイトガインを苦しめるエグゼブ。しかし、ジョーの轟龍の機首ドリルの突撃で、エグゼブはだからドリルは取れと言ったのだ…と、轟龍のドリルが撤去されなかった現状への不満を口に出し最期を遂げる。

そして、舞人はカイザーパーツを捨てブラック・ノワールと対決。そして、ブラック・ノワールは自らの正体を「三次元人」だと明かす。舞人に次々と衝撃的な事実を語った挙げ句「『ヒーローが死ぬバッドエンド』を演出する為にこの物語を展開した」と暴露した。処がゲームのアイテムとして作った筈だったイノセント・ウェーブと、常人の100倍の力を持つサリーの祈りの力で形成逆転。マイトガインはダブル動輪剣でブラック・ノワールを打倒。死の間際にブラック・ノワールは「自分も何者かに依って作られた巨悪の役割を与えられたゲームの駒でしかなかった」真相を悟り消滅した。

それから月日は流れ、勇者特急隊は再建され、その中にはブラックガインの姿もあった。曾ての悪役達も元気に過ごしており、舞人とサリーは結婚し、復活したマイトウイングと共にハネムーンへ飛び立った。これで物語は終わった……かに見えたが


衝撃的なエンディング編集

そのエンディングで舞人とサリーのハネムーンが一枚のセル画!だったと判明し、全ては物語の中の出来事だったと取れる演出で、止めは「この物語はフィクションであり、登場する人物、企業、団体は全て架空のものである」のボードであった。

それ故に多くの視聴者から「悪夢のエンディング」と称される様になった。


このエピソードが生まれた背景と影響編集

この展開は「玩具メーカーが年末年始商戦に合わせ、大々的なキャンペーンを行い、ヒーローが大活躍するエピソードで盛り上げる展開に対する皮肉として考案し、逆に「ヒーローがズタボロに負ける展開にしてスポンサーへの当て付けを行った」とされている。

因みにスーパー戦隊でも年末エピソードの前回はヒーローが苦戦する回となり、その放送時期がホノルルマラソンの開催時期の為、魔のホノルルマラソンと呼ばれている(引用元「非公認戦隊アキバレンジャーシーズン痛」より)。

偶然にも五星戦隊ダイレンジャーでも関連商品の売上が苦戦し、その末に「善悪は表裏一体で永遠に決着は付かない」とする子供番組とは思えない衝撃的な結末で物議を醸した(しかも製作スタッフに後に『ライブ勘』で有名となった白倉伸一郎が関与していた為、その後の作品の布石にも思えた)。

その2年後に放送された黄金勇者ゴルドランでも宇宙の創造主がリカちゃん人形の形でスポンサーを茶化し、俺達の冒険はこれからだ!の結末で、またもや視聴者の度肝を抜くのであった。

更に3年後の機動新世紀ガンダムXでは「ニュータイプは幻想に過ぎない」と断じた。


因みに後年マイトガイン最終回エンディングについて、アニメの監督「あれは若気の至りで行い、悪趣味でやり過ぎだった」と反省している。なお、マイトガインで絵コンテや演出にクレジットされている「握乃手紗貴」なる人物は高松の別名義。読みはそのまんま「あくのてさき」、つまり「悪の手先」


上記の影響からか韓国で吹き替え版が放映された際には台詞の「二次元人」と「三次元人」を「三次元人」と「四次元人」と一段階繰り上げる形に翻訳することで、メタフィクションの衝撃度が弱められる措置が行われている。


一方、スーパーロボット大戦寺田貴信プロデューサーはシナリオライターの奈須きのこ氏との対談で、「(スパロボのラスボスに毎回悩むことについて)『根源の悪とは何だ?』と僕らも考えているが、『全てを作った神だ』というのは『マイトガイン』に究極の手を使われてしまった、あれは本当にすごい。あの時代にあれを見てしまったが故に、僕らはあそこまでの境地には辿り着けない」と衝撃を受けたことを認めて高く評価している。


関連タグ編集

勇者特急マイトガイン

高松信司:本作の監督で全ての黒幕。

空モモラストショック11年前の作品で起きた出来事で、此方も視聴者にショックを与えた。

セーラームーン無印ラストショック前年の作品のラスト2話で起きた出来事で、当時の子供達とファンを奈落の底に落とした。

バーンブレイバーンショック:本件から丁度30年後に放送された作品で起きた出来事で、本件を上回る初回から最終回の全話だけでなく、その後の関連作品にもショックを与えた展開となる。

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