概要
エグゼブの配下となったウォルフガングが開発した4段変形ロボ。マイトカイザーのドリルクラッシャーによって飛龍を失った雷張ジョーの新たな愛機。設計段階では「アトラス」と仮称されていた。
ロボットモードの他、ジェット機、ドリルタンク、基地形態へと変形し、空海陸と場所を選ばない戦い方を行える。飛龍同様、エレカがコックピットとの役目となっており(エレカの名称は「大鷲号」)、操縦桿も飛龍と同じく自動車基準となっている。グレートマイトガインと同等の能力を持ち、幾度と無く旋風寺舞人を苦しめた。
基本はジェットとロボモードを使い分けているが、非戦闘時は基地モードに変形している(飛龍も同様だが劇中では披露していない)。基地形態は総集編エピソードの新作カットのみ登場で、普段のジョーの暮らしが垣間見える場面となっている(轟龍を基地モードにしそこで寝泊りしている。このシーンでは捕まえた蜥蜴等を焼いて食べており、かなりの貧乏暮らしを強いられているようである)。
そして、本来なら第四形態であるドリルタンク形態もあったが、尺や展開の都合上未登場に終わった。
当初、ウォルフガングが示した轟龍の設計図には後頭部にドリルが突き立っているロボットが描かれており、これを見たエグゼブは「頭のドリルは趣味に合わないから外せ」と注文を付けた。その結果、ロボットモードで頭部に位置するドリルは変形時には外れるようになったものの(ロボットモードでは背部に収納される設定。当然トイでは流用であるため再現していないが、後の立体物では取り外すか背部に移動させるかの方法を取っている)、ジェット形態ではドリルタンク形態を考慮し機首にそのドリルを装備する仕様のままとなった。
だが、後にこのドリルの存在がエグゼブの最期を予言することになる。
刺さったドリルの深さはスイカバーと同等であり(というか元ネタそのもの)出血跡が多いのもあってエグいものである。流石流用先の遺伝子を引き継いでいることはある。
そして、スパロボVではこの轟龍の最後の攻撃が必殺技として実装されるが、何故か最後のドリル特攻の場所が敵メカの股間になるのが結構笑えた。
武装
接近戦寄りの飛龍と比べると轟龍の武装は遠近バランスよく装備されている。近接武器が若干減少した代わりに各形態共通の武装が増えており、使い勝手の良い機体として仕上がっている。
常に改良を続けており、初登場では鎖で繋がっていたブースターナックルが終盤ではワイヤーになっているなど、なけなしの金で強化改造を行っていることが垣間見える(一度エグゼブの手によって改良されており、その時にワイヤーになったとされる。しかしその際に自爆装置を取り付けられてしまう。ジョーの知らないままGマイトガインとの戦闘となり自爆寸前にまで追い込むが、それを事前に察知したウォルフガングによって作動不能にされ自爆は免れた)。
- ゴウリュウキャノン:大型ビームライフルで非使用時はバレルと本体とで2分割され、それぞれ両腿に収納される。ヒリュウブレイザーの数倍の射程距離と破壊力を備える。ジェット・ドリルタンクモードでは上面に装備、この形態でも使用できる。
- ブースターナックル:腕を射出して敵を破壊する。腕はチェーンで繋がっており、それを利用して相手を拘束することも可能。初期はチェーンタイプだったものが後期では剛性のあるワイヤーとなっている。
- ドリルミサイル:先端のドリルを射出する。一発しか打てないわけでなく、発射した後に奥にある予備がせり出し装填される仕組み。ジェット・ドリルタンク時に使用可。
- ゴウリュウバルカン:機首と頭部に装備。変形を考えて2か所ずつ設置されている。
- ゴウリュウミサイル:各部にマイクロミサイルを装備。
アトラスMk-II
傭兵部隊スイートデビル隊が使用した轟龍の強化発展型。シルエットは似ているがカラーリングが異なり、原型機よりいくつか変更されている所が多い(ジェット形態の機首にドリルが装備されていない等。そのためドリルタンクへの変形はオミットされた)。
武器は近接武装を追加しており、ビームサーベル、ビームグレイブ、ビームアックス等を持つ機体があった(この他、ミサイルポッドや轟龍型ビームライフルも装備している)。
総合的なスペックは底上げされており舞人をして「スピードもパワーも轟龍以上」と言わしめる性能を持つが、パイロットの腕まではカバーできなかったようで、三機掛かりでもグレートマイトガインと轟龍のタッグには敵わなかった。
因みにブレイブサーガは魔のオーラの洗礼を受けているうえ3回も相手をする羽目になる為、原作アニメより厄介な敵となった。
イプシロン
公式表記は「Υ」。上記のアトラスMk-IIがブラック・ノワールが放つ「魔のオーラ」の洗礼を受け変化もの。その恩恵により再生能力を持つ。武器は上記のほかにマシンガンが追加。
立体化
当時の玩具(下記の通りダイアトラスのリデコ)は元の玩具同様の変型&電動走行ギミックを搭載。各形態ではその恩威で動かして遊ぶことができる。なお、頭部のドリルはついたままである。
スタジオハーフアイでも簡易変形(最小変形ブランド)として轟龍が発売している。同社のグレートマイトガインとほぼ同じ大きさだが価格が1万円台に抑えられている。理由は一部差し換えかつ余剰ありきの変形であるため(尾翼からドリル機首までが1パーツとなっており、そこが余剰となる。つまり、変形の際にドリルは外す仕様)で、ジェットモード以外の変型はオミットされている。武装は一通りそろっており、ケーブル(真鍮線)を使用してのブースターナックルも再現。
他にもシーエムズコーポレーションから非変形のアクションフィギュアとして発売されている。
バンダイのSMPからも飛龍に続いて轟龍が発売。1万円以内に価格を抑えているが、こちらはほぼ余剰なし(一部パーツは脚部内に収納可能)での変型を再現している。4段変形を再現しており、ジェット・タンク・基地・ロボモードに変型できる(タンクモードの変形は説明書に記載されていない。そのためなぜか『3段変型』扱いとなってしまっている)。ちなみにブースターナックル用パーツはチェーンタイプが付属。
関連タグ
ダイアトラス…轟龍の玩具は「トランスフォーマーZ」のダイアトラスの金型流用だが、いかんせん色変え程度なのでアニメのデザインとは異なっている。上記のドリルネタもここからきているもの。アトラスの名称はこの名残りと言えよう。
ダイターン3…多段変形の祖ともいえる先輩ロボ。こちらはジェット・タンク・ロボの3段変形。パイロットが大富豪で復讐者なのは偶然だろうか。