概要
架空の未来都市『ヌーベルトキオシティ』でロボット犯罪を働く異端の天才科学者であり、雷張ジョーの操縦機『飛龍』『轟龍』の製作者。
町外れの山中に打ち捨てられた廃工場をアジトとし、「自作巨大ロボットによる世界征服」を目指す一団を率いるマッドサイエンティスト。自称「地球を代表するロボット工学の権威・ウォルフガング博士」。
れっきとした人間なのだが、何故かエルフ耳。
人物
世界最高のロボットを生み出すためならば寝食も忘れて研究に取り組み、建造されたロボットに「最高傑作」「地上最強」などを冠する絶対的自信を持つ。ところが、社会的見地からすれば確かに悪事に手を染めるマッドサイエンティストではありながら決して性根の腐った悪人ではなく、独善的な行動理念の真意も「世界最高のロボット建造技術を知らしめるため」であり、世界征服はその結果に付いてくるおまけ程度にしか捉えていない変わった考えの持ち主。
自身が首魁を務める秘密結社を従えて世間の目を逃れつつ廃工場を無断借用し、苦心の末に完成した栄えある第一号機『ティーゲル5656』で出撃した直後に旋風寺舞人率いる自警組織『勇者特急隊』の妨害に遭って敗走して以降、自我を持つ高性能AIとスタイリッシュなデザインを誇る勇者特急隊に嫉妬の炎を燃やすものの、スポンサーはおろか潤沢な資金源を持たない慢性的資金難、さらにはロボット最優先の人格的問題からあれよあれよと部下に見限られ、最後まで残った落ちこぼれ3人組(髭面のイッヒ、チビのリーベ、そばかすのディッヒ)と共に細々と活動を続ける。
一方、自身が認めた科学者や技術者に対しては立場に関わらず心から敬意を表する真摯な一面を見せ、中でも作品世界のロボット工学に飛躍的な技術革新をもたらしながら謎の失踪を遂げた宍戸英二(ししど えいじ)は別格の存在に位置付けている。過去に何度か機会を持った共同研究を通じて「実に優秀な科学者で人間としても素晴らしい男だった」と高く評価し、長年に渡って研究活動の傍らでその安否を心配していたが、後にジョーの口から何者かの手によって殺害されたと知ると科学者の意地に賭けて復讐を誓った上、独力で犯人を暴き出した事からも「科学者を食い物にした末に平気で使い捨てる無礼な輩」に対しては何者であろうと徹底的に敵視する独自の正義感に従う。
物語中盤、部下3人組を人質に取られてエグゼブの配下となった。
開発資金が潤沢になったので、轟龍ことアトラスシリーズという傑作機を生み出すことには成功している。
ちなみに、自身が設計に携わったロボットにはほぼドリルを搭載するこだわりがあり、これが最終局面において意外な活躍を果たした。
悪人の皮を被った善人
ロボット建造の資金繰りに行き詰まった上に3人組にも見放され、資金調達のために仕方なく「織布」(おるふ)の偽名で旋風寺重工青戸工場に技術職として就職した際、配属された車輌整備班で持ち前の腕と知識を揮うやその指導力で瞬く間に若手社員一同の信頼を集め、たまたま弁当売りのアルバイトで工場を訪れていた吉永サリーの深い思いやりに触れて理由はどうあれ悪事を働く自分自身の有様に心を痛め、一台の旧式車輌に秘められた若き日の後悔を打ち明けた工場長の大阪次郎(おおさか じろう)に対して優しく、正しく諭した。
※青戸工場就業時、織布として知り合った大阪はウォルフガングの風貌、年齢、思考、気質などからかつての親友「伴」(ばん)と同一人物ではないかと推測したが、作中ではそれ以上の追求は成されなかった。
この他、気晴らしに足を運んだ電気街のゲームセンターで若者相手に10連勝する対戦ゲームの華麗な腕前を披露し、見栄を切って颯爽と去った姿を見た若者の1人から「くぅ~、イカすじじいだぜぇ!」と賞賛された声を背に受けて「キマった…、カッコ良すぎよ。」と人知れずほくそ笑む、100年以上前に生み出された伝説の自律思考型人造人間『ユリウス』の苦悩に「機械が己の存在に疑問を抱くようになったら、それはもう人間と変わらんのじゃないか?」と科学者なりの答えを示す、先述の宍戸博士に関する一件に絡んで結果的に真の黒幕『ブラック・ノワール』と対立するに当たって起死回生の切り札「イノセントウェーブ(=愛のオーラ)増幅器」を3人組を通じて設計図もろとも大阪に託すなど、歴代勇者シリーズの悪役の中でも非常に珍しい善人寄りの人物像を持つ。
なお、放映終了後の1997年に文化放送のラジオ番組『勇者王への道』で放送された後日談ラジオドラマ『嵐を呼ぶハネムーン』では、「悪事を働くのはコリゴリなんじゃ」と達観した様子で語っており、ロボット建造や科学者活動は別にして少なくとも犯罪からは完全に決別した旨を自ら証言している(尤も、それに関わる一連の出来事は舞人の夢オチで終わったため真相は不明)。
スパロボ参戦
「自分の知らない様々なロボットと出会える事はスパロボの醍醐味の一つ!」
「プレイヤーの諸君、早くワシに新しいロボットを見せてくれ!頼んだぞ!」
対峙する敵キャラクターとの因縁を持ち込んだクロスオーバー作品『スーパーロボット大戦』の1つ『スーパーロボット大戦V』で、初出演となるマイトガインの対抗勢力『デンジャラスゴールド同盟』の一員として参戦が決定した。
この参戦の一報を耳にするや自ら開発陣に飛び込んだ熱烈なファンの存在が知られる他、中断メッセージ「ウォルフガングの願い」に見られる
「見ろ、イッヒ、リーベ、ディッヒ! ここにもあそこにも、見た事のないロボットがたくさんいるぞ!」
「くぅ~! スパロボに出られて本当によかったわい!」
に始まる数々の名言を放つ上、シナリオの展開によっては反旗を翻してプレイヤー勢力と共闘する破格の待遇で参戦を待ち望んだオールドファンを熱狂の渦に叩き込んだ。
続く『スーパーロボット大戦X』ではパープルと結託した『ブラックダイヤモンド連合』と結託するが、その横暴ぶり最終的にピトン、ミフネ、ホイと愛想をつかし全員離脱する。その後、行きがけに悩んでいたが、ひょんなことから地方の町を守る義勇軍としてヤザン・ゲーブルとラカン・ダカランと協力して街を守りその後最終決戦では[プレイヤー部隊を応援した。
スーパーロボット大戦Tでは当初カギ爪の男の依頼を受けDG細胞の研究を行っていたが研究者故のストレスを感じなんとゾンダーロボになってしまうという同じ勇者故のクロスオーバーを披露。その後浄化を受けた後、部下たちに救出される。その後、UNDと結託してエグゼブと共に遅い抱えるが壊滅後、再び投降する。
そんな中でなんとゲッター線についての持論を披露した。