A strange light fills the room.
ふしぎな ひかりが あたりに みちる
Twilight is shining through the barrier.
バリアごしに うすあかりが みえる
It seems your journey is finally over.
たびは ついに おわりを むかえる…
You're filled with DETERMINATION.
ケツイが みなぎった
Human…
ニンゲンよ…
It was nice to meet you.
きみと であえて よかった
Goodbye.
さらばだ
Asgore attacks!
アズゴアが おそってきた!
概要
フルネームは「Asgore Dreemurr(アズゴア・ドリーマー)」。
地下世界で暮らす魔物たちの王。
山羊のような風貌をした大男で、巨大な二本角に金の鬣、豪奢な鎧に大きな紫色のマントを羽織っている。その姿は、いかにもファンタジー作品における魔王の出で立ちだが、性格は非常に穏やかな紳士で、魔物たちからも慕われている。また、彼の顔立ちに既視感を覚えるプレイヤーも多い。
これまでの段階で集まる情報によれば、過去の出来事から「人間」全てを悪とみなしており、地下世界と地上を隔てる結界を破壊するために必要な7つのタマシイを求めているとされる。実際、これまで6人の人間のタマシイを手にし、最後の一つを、彼のもとを訪れた主人公と自身のタマシイを賭けて闘うこととなる。しかし、闘う直前まで主人公の心境を案じ、やり残したことがないかと時間を与えたり「君に会えてよかった」と敬意を示すなどあくまで紳士的に接している。
いざ戦闘が始まると、マントの下から巨大な赤い三又槍を取り出し「みのがす」のコマンドを破壊する演出がなされる。以降は顔を伏せて無言に徹し、火の玉の弾幕や槍による猛攻で主人公に襲いかかる。
余談だが、アズゴアは武器の三又槍を通常とは逆手に持っている。実際に構えた場合、この握り方では石突が前になり穂先が自分へと向くことになる。もちろん画面配置の都合と考えることもできるが、弟子でもある槍の名手のことを考えると…
趣味はガーデニングとお茶。
自身の庭園でも育てている「Golden Flower(金色の花)」を使った紅茶を好む。
魔王「Asgore」決戦曲
ラスボスらしい威厳と後述する事情からくる葛藤、物悲しさが伝わる楽曲。
なお、前半はイントロである「Bergentrückung」とあるモンスターとの戦闘曲である「heart ache」、後半はゲームオーバー時に流れるBGM「determination」のアレンジがメイン。この言葉の意味は前から順に「山で眠る王(歓喜の英雄)」、「心の痛み」、「ケツイ」(後ろ二つは日本語版タイトル)となるが…
以下、本編における重大なネタバレ。閲覧は自己責任でお願いします。
きんちょう しているね…?
だいじょうぶ…。
はいしゃさんに
いくようなものさ。
アズゴアの過去
トリエルとは以前夫婦関係にあり、仲睦まじい間柄だった。
かつて人間とモンスターの間で戦争が起き、モンスターたちが地下に追いやられた後、一人の息子を設ける。この息子こそフラウィの正体であるアズリエルだった。
それからしばらくした後、地上から落ちてきた一人の人間の子供を引き取り、血は繋がらずとも本当の家族同然に暮らしていた。
ある日、人間の子供が治る見込みのない重病にかかってしまい、どうする事もできないまま子供は息を引き取ってしまう。そして、悲しみのあまり人間のタマシイを吸収したアズリエルは強い力を手に入れ、人間の子供が亡くなる前に言っていた「地上の花を見たい」という願いを叶えるべく、地下世界と地上を隔てる結界を通過して地上へと赴く。
しかし、人間の子供の亡骸を抱いたアズリエルの姿を見た地上の人間たちは、彼を「子供を殺したモンスター」と勘違いし、攻撃を加える。
人間を皆殺しにできる力を持ちながら、いっさい反撃しなかったアズリエルは瀕死の状態で地下世界へ逃げ延びるも、ついに力尽きてしまう。
アズゴアは一度に二人の子供を失った怒りと悲しみから、地下世界に落ちてきた人間を殺害してタマシイを奪い、集めたタマシイで結界の破壊を画策する。
ちなみに、戦闘後の本人およびメタトンのセリフによれば、最初に「バリアを突破する」発言をしたときは地上へ出た際に全ての人間を滅亡させる前提で話を進めていたが、P終了時に撤回し人間との和解を選択したらしい。
アズゴアは、地上へ出れば人間に殺されるだろうと認識していたため、もともと地上へ出る意志のない人物だった。同じ考えを持つガーソンとはいわゆる同志たったが、上述した地上に出る方針へ切り替えたことで意見の相違から袂を分かっている。
トリエルは、この方針そのものに対して絶望し決別を選ぶ。そして、アズゴアと真っ向から対立するかのように地上から落ちてきた人間を守るべくいせきに移り住むこととなった。そのため作中でのトリエルは、アズゴアとの再会に際しても冷淡な態度をとっている。
戦いの動機に関しても、事前に集めた情報とは異なり、本当は力など欲していない。誰も傷つける気も無かった。民たちに希望を持ってほしかったと戦闘後に告白している。
実際、アズゴアの元を訪れた主人公を当初はモンスターだと思いこみ遊び相手になろうとしたが、人間であったために、地底脱出という重要な用件で訪れたのだと察し、念入りに確認したうえで戦闘に持ち込んでいる。
二人の子供が死んだ当時の民たちの状況に鑑みれば、アズゴアのとった政策は致し方ないと言える。民たちは人間によって地下に封印され、人間が王の子供を殺すという絶望的な状況だった。そんな民を鼓舞し希望を与えるべく、人間を殺すポーズをとるしかなかったのだろう。事実、その後は民に希望が戻ったと発言している。
さらにアンダインがトリエルを追いやり革命するEDをみるに、人間側に寄った結果モンスターが反乱を起こすという可能性は十分ある。二人ともども王位の剥奪、最悪殺されるおそれすらあった。アズゴアの性格上、反旗を翻されたとしても抵抗できるかすら怪しい。
だがそれと引き換えにトリエルは彼のもとを去るという、言うなれば国民・トリエルいずれをとるかという状況にあった。前述のとおりトリエルを選択すれば二人とも……という懸念から実質一択だったかもしれない。
また、Pルートではトリエルから「民を解放したければタマシイ一つで結界を抜けて人間を殺し、タマシイを集めることができた」、「本当はもう人間が来なければいいと思っていた」と指摘される。
しかし彼がそれを実行していれば人間とモンスターの戦争を引き起こし、共存という結末には決してたどり着けなかっただろう。
ちなみに、トリエルと決別せず民の怒りを抑えたまま7つのタマシイを集める方法は
- 子どもを亡くした精神状態から速やかに立ち直り、絶望的状況にある国民たちを鼓舞する
- モンスターに敵意を持たず、地下への永住を了承する人間が7人連続で現れる
- また、なんとかタマシイを一つ手に入れた時点で地上へ向かい、半死半生の人間を探すか、見つけられる確証のない残留タマシイを人間に悟られることなく6つ集める
上記を実現せねばならない。もはや天文学的確率である。
登場人物の中でも何かと幸が薄い。
- 上述の体験がきっかけでトリエルと離婚。しかし彼女を今でも忘れられずにいる
- Nルートで戦闘勝利後にみのがすコマンドが復活して停戦を促せるが、直後にフラウィの不意打ちによって結局死亡する。二周目でフラウィがおとなしくしている場合でも主人公を地上へ行かせるため、モンスター解放の希望を託すかたちで自決し塵と化す。
最善を尽くした彼に対するあまりの結末に、プレイヤー間でも幸薄キャラとして扱われることも珍しくない。Pルートではトリエルに終始冷たくされるが、エンドロールにてトリエルの活動を自分にできる形でサポートすることは許され、彼女との和解に奮闘しているであろうシーンが存在する。
数々の不幸に見舞われながら国民を守るべく責務を全うした、地下世界の優しき王様なのである。
さらに悲惨なのはGルートである。
ふじみのアンダインを殺害した主人公への対策としてアルフィーから指示された「6つのタマシイを取り込む作戦」を決行し、地下世界の最後の砦になるはずであった。
しかし、サイアクなめにあわされる戦闘を乗り越えた主人公はもはや完全に人間とは言えない存在と化していた。
フラウィ(=実の息子)が涙を流してまで主人公の存在を警告したが、アズゴアが主人公に対して矛を構えるとすれば、上記N・Pルートにある「主人公を人間として認識する」ことが大前提としてあった。ところが、主人公の姿を「正体不明のモンスター」と誤認してしまう。モンスターならば警戒は不必要であるという理由から友好的に接したことで、戦意のなかった彼は文字通り問答無用で殺害されることになる。
パピルス同様、その優しさがそのまま仇になったシーンであり、最後は保身をするしかなかったフラウィにタマシイを砕かれる。
Undertaleとは別世界であるが、主人公の母親の夫として登場。しかし、この世界でも彼女との仲は芳しくなく、Chapter1時点で別居しており、自身の営む花屋に住んでいる。ただ、花を無料で配っていることもありほぼ無収入なようで、家賃滞納の旨が書かれたメモ用紙が落ちていたり、冷蔵庫の中身がピクルスのみなど、なかなか貧しい生活がうかがえ相変わらず損な役回りである…
Chapter2における警察署の掲示板には、過去に警察署長を勤めていたと確認できるが何らかの理由で辞職したと示唆されている。