※この記事には、RPG『Undertale』のネタバレが含まれています。
* しかし だれもこなかった。
「=)」
概要
大きく分けて三つあるルートの内の1つで、いわゆるバッドエンドルートとなる。正式名称は「Genocide(ジェノサイド、殺戮)ルート」。
本作のキャッチコピーである「誰も死ななくていい」の真逆を征くルートではあるが、たとえエンカウントしてきたモンスターを邪魔者と看做したとしても、漫然と殺す程度では到底及ばず、襲ってきた相手をことごとく返り討ちにする程度であってもなお、このルートにたどり着くことは出来ない。すなわち、何も知らない状態からこのルートにたどり着くには、故意に遺跡でレベル上げを極限までしようと試みるしかなく、それ以外の偶然で到達することはあり得ない。
本作における「モンスター」とはエネミーの意味一本ではなく、あくまでもこの世界のれっきとした個々の住民であり、殺せば殺すほど残数が減るうえ、主人公を恐れて滅多に近づく者はいなくなる。それを執拗に探し出して1体残らず徹底的に根絶やしにして、初めて条件を満たすのである。ただし、エンカウント後に出現する敵はある程度ランダム性があり、ストックが存在するわけではないため、根絶やしになったかどうかは考察の余地がある。
殺し続けた場合は、特殊な歩行方法をコアなどで試みない場合数十分誰とも出会わないなんてことさえあり、それを執念でしらみつぶしに探し続けることは、本作のキャッチコピーを念頭に置くプレイヤーならば「殺しそのものが目的」でもない限りなかなか辿り着けないだろう。
大まかな進行チャートとしては極めてシンプルで、全てのエリアで以下を達成するだけ。他のルートとは大きく異なり、単純作業色が極めて強い。
- ザコモンスターが現れなくなるまで一定数を殺害する。
- そのうえで当該エリアのボスモンスターを殺害する。
ボスモンスターを殺害した段階でそのエリアにザコモンスターが残っていれば失敗となり、Gルートが中断され「Neutral(中立)ルート」に突入する。また、地域によっては特定のザコモンスターや固定モンスターを道中で逃さず殺害する必要がある。内部ステータス的には「murdur level」が存在し、事実上のラスボス手前のボスまでの過程下で何の敵を殺害したかが正確にカウントされていく。
このルートを歩んでいる間にセーブポイントに接触すると、殺害数の残りカウントが「◯◯体 のこっている」という形で表示され、全て倒していると「ケツイ。」の表記へと変化する。
ザコモンスターを殺しつくした場合、エンカウントは発生するが戦闘画面になっても「しかし だれもこなかった。」と表示されてマップ画面に戻る演出が入るのが特徴。この3つのメッセージはこのルートを象徴する場面と言えよう。
- 「ケツイ」というワード自体は本作全般で重要になるが、他のルートであれば「そびえたつ いせきを まのあたりにして ケツイが みなぎった」のように文章として伝えられるものであり、それをGルートだと「ケツイ。」という単語のみで伝えているためかなりのニュアンスの違いが感じられる。
さらに、遺跡でGルート要件を満たした後に主人公のステータス画面を見てみると、右下部分に他のルートでは表示されない「KILLS」という項目が追加されており、モンスターの総殺害数がカウントされている。
そして、パピルス戦後からエンカウント時のマークが「!」から「=)」に変化している。
Gルートでは一部ナレーションの文字が赤くなるなどの特徴があるが、特に大きいものとして主人公であるニンゲンに「一般的な感情や倫理観が著しく欠落している」様な描写が多く描かれるようになる。パピルスのパズルを勝手に素通りするなどプレイヤーの意思に反して勝手に行動することも多くなり、また各エリアではニンゲンを脅威と思い避難するなどしてほとんどのモンスターがいなくなり、一部のキャラクターからは「まともに人間扱いされない」「そもそも人間なのか何なのかわからない存在と認識される」始末となる。
通常とは違いイベントや会話もかなり削減されており、行動もかなり制限されるが、このルートでしか発生しないイベントやボス戦が存在することも大きな特徴の一つである。またそのイベントや戦闘も、精神的にこたえるものがある為、生半可な気持ちでのプレイは推奨されない。
本作の世界観においては特異な内容であることから、表だってこのルートへ誘導されることは少なく、PS4・PSVita・XBOXOneにおける実績でもGルートに関するものは一切存在しない(というか殺害を前提とした実績自体ない。Switch版では実績機能こそないが、追加の隠しボスと戦うことができなくなる)。
殺害ありのNルートを何度も繰り返すプレイヤーならば、誰かさんにヒントを教えてもらえるかもしれない。
殺害数の増加にともなって劇的に低くなるエンカウント率をかいくぐって要求殺害数を満たすのは、ノーヒントではかなり難しい。
一方地域によっては、ルート突入中はモンスターを殺害せずに先へ進もうとすると「◯◯体 のこっている。まだ このさきへ すすむべきではない。」というメッセージで呼び止められるため、万一何も知らずにこのルートに入った場合、むしろノーヒントでGルートを脱出するのが難しくなる。
イベントシーンが削減されていることから、仮にこれをスムーズに突破できるのであればクリア時間を大幅に短縮できるという見方も可能であり、RTA界隈では最も盛んに行われているルートでもある。
ザコモンスターはもちろん、道中のボスモンスターもほとんどが相手にならないクラスでの能力で挑むことになる為話にならないが、
中盤、その虐殺の報いのために勇者が立ちはだかる。
この勇者との戦闘はそこまでの「レベルを上げて物理で殴ればいい」のような考えは通用せず、乗り越えるのならば相応のケツイを必要とする。
そして勇者も乗り越えて虐殺を繰り返し、エリアモンスターの殺害数を完全達成、かつボスモンスターも逃がさず殺害してニューホームまで訪れると、
アズゴアの元に辿り着く前にとあるモンスターとの戦闘が発生する。
一応、この後も戦闘となる場面が存在するが、プレイヤーがまともに操作しなくとも終了する為、
全てのエリアで条件を満たしGルートを継続させ続けた場合、これが事実上の最後の戦闘となる。
他のルートでの戦闘やラスボス戦、同じルートで戦う強敵と言えるボスと比較しても、その難易度は常軌を逸した領域に達しており、また他ルートのラスボスと違ってプレイヤーが勝利に近づくための救済措置が何一つない。おまけに隠しパラメーターでソウルの無敵時間の判定も削除され、被弾覚悟のゴリ押しも通用しない。
その鬼畜さに挫折してこのルートを中断したプレイヤーも多く、もはや伝説とも言える戦闘となっている。
ルートの最後のシーンでは、作中で唯一の故人であったとあるニンゲンが黒い画面の中に登場し、会話することとなる。
そして最後の選択肢はどちらを選んでもセーブファイルがリセットされることになるばかりか地下・地上を問わずUndertaleの世界そのものが破壊されるため、再びゲームを起動させても真っ暗な画面が映るだけなのだが、10分ほど経過すると重要な提案を持ちかけられる。
重要な提案であるだけに、承諾すると相応の影響を受けることになる。
具体的に言うと、「ほんとうのリセットをしても絶対に消えないフラグが残り、元に戻すにはゲーム外部から直接データを弄るしかなくなる」というもののため、乗るかどうかはプレイヤー次第である。
ちなみに、勇者を倒してからホットランド/コアの過程でGルート進行を放棄した場合(雑魚モンスターの討伐数が足りなかった場合)、ラストの電話の内容は今までにないほど最悪の展開になり、喋る人物はサンズと主人公の狼藉によって皮肉にも英雄になったアルフィーになってしまう。
体験版
最初のエリアであるいせきのみプレイ可能な体験版でも、Gルート形式で進行することは可能。その場合、体験版のエンドが専用のものになる。
BGMとして使われる「In My Way」はこのルートを象徴するもので、製品版でも切っても切れない一曲。もちろん他のルート形式と同じく製品版の宣伝で締めくくられはするのだが、その内容はまさにGルートに踏み入れたプレイヤーに対するものに相応しい。
関連タグ
Toriel Papyrus Undyne(???) Mettaton Sans Asgore
Aルート:次回作『Deltarune』における別ルート。突入方法はやや異なるが、Gルートと似たような性質を持つルートである。