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「ハロー! ボクはフラウィ。おはなのフラウィさ!」

概要

主人公が本作で最初に出会う主要キャラクターの一人。

公式日本語版では『フラウィ』表記。

地上から落下し地下世界に迷い込んだ主人公の前に現れる。

愛らしい黄色い花で、性格も見た目に違わず優しい。

主人公に地下世界のルールを教えるために友好的に接しながら、「LOVEをわけてあげるから!」と言いながらなかよしカプセルを投げてくるが…?

なかよしカプセル…ではなく、弾に触れた途端、自機のHPが1になってしまう。

YOU IDIOT!

ばかだね

In this world..It's KILL or BE killed.

このせかいでは ころすかころされるかだ

Why would ANYONE pass an opportunity like this!?

こんな ぜっこうのチャンスを のがすわけ ないだろ!

D i e

し ね

見た目は愛らしい黄色い花だが、その行動は非常にドス黒く、他者を騙し、利用し、傷つけ、殺すことになんのためらいも持たない。

主人公に地下世界のルールを教えるという体で友好的に接しつつ「LOVEをわけてあげるから!」と言いながら弾を放ってくる。

この弾に当たると当然ダメージを受けてしまい、その様を見ながら上記のセリフを言い放ち、本性を露わにする。攻撃を受けた場合でも避けた場合でも、続けて全方位の弾幕でトドメを刺しにかかってくるが、すんでの所でトリエルが助けてくれる。

その際の歪んだ表情とけたたましい笑い声は邪悪そのもので、物語開始から数分で早くもプレイヤーの精神をえぐってくる。

以降も最初のエリア・いせきの出口で主人公に話しかけてくる。

トリエルとの決着(およびそれまでの立ち回り)によってその台詞は変化するが、どこかプレイヤーの心理を突くような言い回しをしてくる。

場合によっては「ころすかころされるかだ」と言いながら「モンスターがころされたのはきみのせいだ」といったような殺害を非難する台詞を混ぜてくることもあり、彼が本当に言いたいことは果たして何なのかわからなくなるケースもある。

遺跡を出て序盤を過ぎると目立って登場はしなくなるが、幾つかの場面でMAPを後戻りしたりすると、主人公の後を付けているフラウィの姿を確認できることが何度もある。

口の悪さや、そのドス黒さから、プレイヤーからはクソ花と呼ばれたりする。

余談

メタ的な観点で彼を語るとすれば、「誰も死ななくていいやさしいRPG」というキャッチコピーに引っ張られ過ぎないようにする役割を背負っているキャラクター。もし開幕で彼の悪辣な騙し討ちが無ければ、キャッチコピーを知ったプレイヤーはただ決められたレールの上を歩くかのごとく誰も殺さないプレイをする可能性は高く、これでは本作の設計が無意味なものとなりかねない。

だが、キャッチコピーと真逆の行動を引き起こすキャラクターをいきなり投入することによって、果たして何が正しいのかをプレイヤーにわからなくさせ、プレイヤーに自分の意志と価値観で判断させるよう仕向けている。

したがって、「殺しちゃう? 逃がしてあげる? 決めるのはキミだ!」というコンセプトを実現させるためには欠かせない、Undertaleになくてはならない舞台装置なのである。(逆に偏り過ぎさせないための役回りはトリエルが担う。)

体験版

体験版の説明書にあたる画像ファイルには、操作方法やキャラクター紹介などが一通り書かれているが、最後のページにはフラウィからのメッセージが記載されている。

ところがこの最後のページ、プレイヤーがゲームを始める前と終えた後ではファイルが差し換わり、異なるメッセージへと変化するのである。

  • 開始前:「君とは仲良くなれそうだ」という猫かぶり
  • 開始後
    • トリエル生存時:「調子に乗るなよ」という挑発
    • トリエル殺害時:「お前は人殺しだ」という非難
    • Gルート時:顔が失われたフラウィの画像のみになるうえ、他の全ページもとある人物からの不気味なメッセージに差し換わる

関連タグ

undertale

 初心者狩り

【以下、ゲーム終盤の重大なネタバレ注意!】

「...え?ボクを とめられると おもってるの?

フフフ...キミはほんとうにバカだね

HAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!

Pルート

Urrrgh...No!unbelievable!

くっそぉぉ… なんでだ!

This can't be happening...!

どうして!! こんなことあるはずない…!

You...You...!

しんじられない…

I can't believe you're all so STUPID.(まさかここまでバカだったなんて!)

おまえたち… みんなバカだね!

All of your SOULS are MINE!!!

おまえたちのタマシイは みんなボクのものだ!

Finally...

やっとだ…

I was so tired of being a flower.

もう はなのすがたはこりごり

Howdy! ※※※ are you there?

ハロー! ※※※ きこえてる?

It's me. Your best friend.

ボクだよ きみのしんゆう…

Pルートを迎えた場合は次回起動時に出現し、一時的にある程度の心は取り戻したのか「こんな結末を見たらもうこのまま幸せになってほしい」というメッセージになり、それを唯一覆すことのできる「プレイヤー」に対して「幸せを奪わないで」と釘を刺す。

これ以降リセットには「ほんとうのリセット」と表示され、これを行うとフラウィの記憶も含めたすべてをリセットすることが可能。

その言葉をどう解釈するかはプレイヤー次第である。

ちなみにPルートのその後も公式サイトで少し語られており、パピルス主催のクリスマスパーティにわざわざ参加し、パピルスのマフラーとお揃いの赤いリボンまで結んでもらっていたり、金色の籠の赤い自転車を欲しがっていたり(彼曰く「貰ったって置く場所もないし、ボク自転車なんて乗れないし、贈る方も貰う方も時間の無駄だよ。いい?ムダだからね!」)

…と、彼も彼で地上を謳歌しているような発言もある。

また、かつて遺跡で倒れたトリエルをベッドまで運び、水を与えたこともあるようだ。

「ある日おばさんを見つけて思わず笑っちゃった。あんまり酷い有様だったからさ。

遺跡の管理人?笑わせるよね!自分の管理もまともにできないのに!」

ここから先は、Gルートを進んだ場合のネタバレがあります。

トリエルを含めていせきのモンスターを殺し尽くし、Gルートのスタート地点に立った主人公の前に現れた場合、主人公が人間ではなくカラッポの存在であることを指摘。そしてそれはフラウィ自身も同じであることを明かし、また主人公のカラッポの中身がとある人物ではないかと察したことで、2人でこの世界を全部壊そうと提案し、以後は偽りなく友好的に接してくる。

いせき脱出後に出会った場合のボイスも、笑い声ではなく専用のセリフボイスになっており、それが公式日本語版では「うーん なんてすてきなアイディア!」となんと日本語ボイスになっている。この後はリセットしてもオープニングで騙し討ちさえしなくなり、主人公に対して最初から友好的に接する。

以後も影から主人公に協力しているらしく、スノーフルではパズルがフリーパスになっている原因が「ツタによってスイッチが押されているためパズルが最初から解かれている」などの描写がある。

そして、ストーリーが佳境に入り、ニューホームへと足を進めた主人公の前に現れ、自身の過去と、なぜこのような「ころすかころされるか」という発言に至ったかの真意を教える。

もともとは花の姿ではなかっただったが、ニューホームの庭で目覚めた日にある理由でこの姿になってから、思いやりの心がなくなった。感性を取り戻そうとトリエルやアズゴアにお願いしたが、結局その願いはかなわず、仕方なく放浪することに。

「ボディが花になったのを境に思いやりが消えた」という言葉は、スノーフルの図書館の記述「モンスターは思いやりや愛といった感情が身体を構成している」という内容と照らし合わせると、ある程度実態を絞れてくる。モンスターたちが、成長と共に思いやりの心を培っていくのではなく、身体由来の思いやりを生来持っているのだとすれば、思いやりで構成された身体がなくなれば思いやりが無くなることに辻褄が合う。

Pルートエンド後は心を取り戻したような発言が見られるが、花の姿でそこまで言えるということは、モンスターがそのボディ由来で持つやさしさではなく、人間のそれのように本人が自分で培った心であることが想像できる。

誰かを大切にしたいだけだったのに、その心が失われ、生きている意味もないと考えたフラウィは自害を試みた。しかし心の奥底で「生きたい」というケツイが強かったため、元いた庭に生きて戻ってきていた。これはセーブポイントでロードしたからである。

フラウィは「セーブ」と「ロード」の力があることを自覚して以来、その力を最初は善用し、皆の悩みを解決してあげるなど力になった。だがやがて、「どんなことをしたらどんなリアクションが返ってくるか」を「完璧に」知り尽くしてしまい、「作られた存在に過ぎないパターン化されたもの」であることに気づいてしまう。

ならば今度は逆にみんなを殺しつくしてみようという「好奇心」に従って、最初は本心でないと自分に言い聞かせながら実行し続けたが、やがてそれらの結末も知り尽くしたために飽きてしまった。知り尽くすとはそれこそ徹底的に、本一冊一冊を読みつくしたり、ミニゲームなどの些細なものに至るまで成功と失敗の結果を網羅したため、いまやこの世界に何の興味も覚えなくなってしまった。

つまり現在のフラウィとは、事実上Undertaleという世界で、ゲームのプレイヤーのような立場に立たされ、その力ゆえに全ての選択をやりこんだため未知がなくなり虚無にたどりついた成れの果てである。

本心は「誰かを愛したかっただけ」であると語っており、「愛がほしかっただけ」なのではない。つまり受ける側ではなく与える側に立ちたいと現在でも語るほど、「彼」の本質には善性が垣間見える。セーブとロードの力を好きに使えると気づいた時も、最初は誰かのために動いていた。真に邪悪な者ならば初手から速攻で悪用していたはずなのに、である。

それに加えてNルートで見せる「ラスボス形態」や、Pルートで見せる「本来の姿」を統合すると、主人公といつまでも遊んでいたいという「成長の止まった子供」の一面が見えてくる。Nルートでは「何度も何度もいたぶるため」とした行動も、Pルートと合わせればその真意は「いつまでも主人公と遊びたい」という子供心が間違った方向へ進んだ結果であることが読み取れるし、そのNルートでは機種によってはコントローラーを外すと「自分から逃げようとしてもムダだしなんならデータを消す」と脅してくるものの決して脅しを実行することはない。

ルート問わずストーリーの進行状況に応じて影から尾行していたり、Pルートでもしんじつのラボを突破した後はエレベーターが「ツタによってからまって入口が開かなくなっている」という形で後戻りできないよう道のりを封鎖しており、よく観察すれば彼の活動は物語全編にわたって行われていることが垣間見える。

余談だが、「そんな自分たち(好奇心でみんなを殺しまくる存在)でも、何もせず見ているだけの癖に結果だけは知りたい連中よりはマシ」という、動画勢を揶揄したセリフがあり、今の時代だからこそのキャラクター性が盛り込まれていたりする。人によってはこの一言がフラウィの発言の中で一番えげつないものではないだろうか。

最初に主人公を騙して殺そうとしたのも、身元がわからないためにとりあえずタマシイを奪おうと試みた、これまでの延長線だったのである。

だが、トリエルに阻止された直後に「ロード」してやりなおそうと思ったが、ロードできなくなっていたことに気づく。それは主人公がフラウィより強いケツイを持っていたため、双方気づかないうちにセーブ&ロードの権利を主人公に奪われていたのが原因だった。Nルートにおける上記のフォトショップフラウィも、いわば主人公にそうと知らず奪われた権利を「取り返した」形である。

そんな諦観に染まりきったフラウィが、このくだらない世界を何もかも壊そうとしたのは道理だったと言える。

しかし、全てに飽きていたはずのフラウィも、ここまで来た主人公の行動だけはまったく予想できるものではなかった。だから決して退屈しない存在であるし、今の自分の価値観とも合うし、さらには不要な同情をしないためその人物像も気に入っており、地上に出ても主人公さえ一緒に居てくれれば今後は平穏に暮らしていくのも悪くないという本心を明かした。

そのためにも、まずはこの世界を壊すという仕事を終わらせようと再確認をして、地上脱出への仕上げへと駒を進めようとしていた。

だが、話していくうちに主人公の様子から得体の知れない冷気を感じ取る。無感情に何もかもを殺し尽くす主人公を、「相手が邪魔になったら躊躇いなく殺せる、自分のことを唯一わかってくれる共感者」として扱ってきたが、ここにきてようやく共感者どころか自分の手に負えない、真に危険な存在であることにフラウィはやっと気づく。

Gルートを観察すると気づくことだが、なんだかんだ表情豊かなフラウィと、表情一つ変えないことを他者から指摘されているGルート主人公では対照的なのである。フラウィはどんなに煽ったり弄ぶ発言をしても発言どおりの正直な表情を見せるが、それは無表情で同じようなことを行うGルート主人公と比べると大きく異なっている。

フラウィのそれはまさに「子供がおもちゃにする様な」モノであり、好き勝手傷つけるのも「いくらでも取り返しが効くから」なのである。

「いくらでも取り返しが効く」ゲームで好き勝手に人を殺しまくっても、「全ての物事が基本的に取り返しが効かない」現実世界で実際にそれを実行する者などそうはいまい。

しかし主人公のそれはまさに「無感情」。何も感じていないのである。

心の底から恐怖したのち、このまま先へ進んでほしくないこと、この道を進むぐらいならせめて今のままでいたほうが全然悪くないと意見するも、フラウィをして悪趣味と言わしめるほど不気味極まりない主人公の表情を見て、ついに姿を見せなくなる。

やがて、主人公がモンスターの王を問答無用でその手にかけると、追い討ちをかける形でフラウィがトドメを手伝いながら姿を見せる。

だからといって、他のルートと違い、その先になにをするわけでもない。なぜなら主人公のケツイはフラウィのそれよりも強いため、もはやそれ以上は何も出来ない。それがなぜ姿を再び見せたかというと、主人公に協力するという形での精一杯の命乞いだったからである。

だが、主人公には既に別人物の人格がかなりの割合で乗り移っており、この「別人物」と「フラウィ」のそれぞれの正体を照らし合わせると、「主人公(に現れた別人格)にとって、フラウィ(の正体)は、かつて自分の計画を邪魔してくれた存在」であり、恨むべき対象であった様子。

それを抜きにしても、あれだけ「ころすか ころされるか」を奨励しておきながら、いざ自分が絶体絶命の危機に陥るとあっさりそれを覆すその姿は、まさに愚かと言わざるを得ない。

そのため、フラウィを待っていた運命は、本作でもトップクラスに惨いものであった。Gルートにおいて、殺した相手「個人」に対して執着をしない主人公が、これほどまでに執念を込めて「念入りに殺し続けた相手」は他に存在しない。

当然、エンディングの結末が結末であるため、彼からのメッセージは一切存在し得ない。

関連タグ(ネタバレ込み)

Sans - Gルートにて、リセットされる側の感覚を持つことが判明。フラウィだけでなくプレイヤーのリセットも感知している。

コメント

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