概要
Ruiner(ルイナー)とは、ポーランドのゲームスタジオ、Reikon Gamesによって開発されたトップダウン型(見下ろし型)アクションシューティングゲーム。パブリッシャーはHotlineMiamiやScum、はーとふる彼氏、そしてDownwellなどの発売元としても有名なDevolver Digitalである。
ちなみに、Reikon GamesにはウィッチャーやDyinglight、そしてDead Islandなどの開発に関わった元メンバーが多数在籍している。
本作は、兄を救うことを目的とした主人公を操作し、腐敗した社会の醜い真実を解き明かしていくトップダウン型アクションシューティングゲームである。バイオレンス色が強いことや、爽快感のあるスピーディな戦闘が可能であることなどが大きな特徴だ。
2017年9月27日にリリースされた本作は、Steamの他、PlayStation4、XboxOne、Linuxなどのプラットフォームでプレイすることが可能。
本作は日本のアニメや漫画(攻殻機動隊など)に影響を受けているため、人物のアートワークがアニメ調であったり、登場するキャラクターの名前が日本風であったり、ゲームの背景に漢字のテクスチャが張られていたりする。
また、日本語ローカライズでは、テキストに個性豊かな顔文字が登場するなどの工夫が施されている。
退廃的で近未来的な世界観と、平沢進をはじめとするさまざまなアーティストの楽曲がマッチし、非常に中毒性の高い仕上がりとなっている。
ストーリー
舞台は、2091年の巨大サイバー都市"レンゴクシティ"。物語の主人公は誘拐された兄を救うために、謎の女ハッカーの力を借りながら醜い真実を解き明かしていく。
主な登場人物
主人公
本作の主人公。誘拐された兄の行方を追っている。
見るからに怪しい。
フルフェイスのマスクを被っており、表情は全くうかがえないが、そこに主人公の感情がテキストとして投影される。言葉を発さないため、マスクにKILL YOUと表示されるときなどは、下手な言葉を喋らせるよりも純粋な殺意が伝わってくる。
自分が弟であることをテキストでアピールをすることもしばしば。(弟弟)
ちなみに彼が着用しているジャケットの背中には大きく弟という文字が書かれている。
女ハッカー
謎の多い女ハッカー。兄を救おうとする主人公に手を貸す。セリフに顔文字が登場するなど、掴みどころのないお茶目さん。かわいい。
本作の特徴
退廃的なサイバーパンクの世界
煉獄の名を持つ本作の舞台、"レンゴクシティ"には、サイバーパンクを象徴する風景が広がっている。
街中には巨大なディスプレイが並び、ネオンが輝き、退廃的な雰囲気を醸し出している。
また、街に住む人々は皆ユニークでいい意味でクレイジーだが、どこか暗い影を落としている。
サイバーパンクの世界観が好きならとことんハマれるだろう。
スピーディーなシューティングアクション
武器は近接用と遠距離用の2種類を携帯でき、武器によって攻撃方法が変わる。
使用可能な武器は、ピストルやライフル、火炎放射器、プラズマライフルなどである。近接武器に関しても、片手用、両手用、特別機能を持ったものなど様々だ。
これらの武器を使う→捨てる→拾う→使うを繰り返すことで、スピーディな戦闘が可能。弾がなくなってしまっても、近接用の鉄パイプと遠距離用のルイナーガンをデフォルトで使うことができる。
先進的な特殊能力や成長システム
戦闘にスピードを付与してくれるのは、武器の切り替えだけではない。
アビリティもこのゲームを紹介する上で重要な要素の一つだ。
アビリティとは、シールドを張ったり、高速で移動したりすることを可能にする特殊アクションのことである。
敵を倒すと得られるカルマポイント(経験値のようなもの)が一定数貯まると解除されるシステムとなっている。
アビリティには以下のようなものがある。
名称 | 特性 |
---|---|
オーバーロード | 高速移動 |
フォーカスブースター | 時間の流れを遅くする |
エネルギーシールド | 発射物を跳ね返す |
キネティックバリア | 弾丸を止める |
また、敵をハッキングして味方につけることなど、近未来ならではのアクションも可能である。
アビリティは、スキルポイントを割り振ることで成長させることが可能。しかし、多くのゲームとは異なり、一度割り振ったスキルポイントを回収して自由に修正することができる。
ボスの強さなどに合わせて自分の能力や特性を再設定できるのだ。
驚くことに、戦闘の最中であってもスキルポイントの修正ができるため、ボス戦で詰んでしまったときに大いに役立つだろう。
シューティングアクション初心者ならば、多くのアビリティを使って戦うのもよし。
上級者ならば、アビリティを一切使わずに挑む縛りプレイをするのもよし。
自由度が高く、各プレイヤーが自分たちに合った適切な難易度設定ができる点は、従来のアクションゲームにはない異彩を放つ長所であると言える。
難易度が高め
アビリティや武器を最大限活用しても、ザコ敵のタイプや攻撃の形態も様々であるため、油断をすれば死ぬこともある。死ぬときはコロッと死ぬ。初心者はチュートリアルで詰む可能性が高い。
このことから、本作の難易度は高めであると言ってもいい。
実は、死亡数は自動的にカウントされていていつでも見ることができる。
666回死ぬと解除される実績もある。ドツボにハマると解除してそうで怖い。
しかし、ボタンやキーを押せばすぐにゲームを再開できるため、死ぬこと自体にデメリットはない。
死んでもすぐにリスタートできることなども、爽快感を高める要因になっているのかもしれない。
こちらの『RUINER』の制作ストーリーでも言われているように、Ruinerは「止まればすぐ死ぬ」ゲームである。
死より速く勝利を掴むことができれば、心地よい達成感を得ることができるだろう。