アレイスター=クロウリー - 新約22巻&魔術-理論と実践
「魔術とは、意志に応じて変化を起こす〈科学〉にして〈業〉である」
(Magick is the Science and Art of causing Change to occur in conformity with Will)
豊山琉華 - 新約17巻
「そうか、思春期の心性と薬物作用を網羅した超常誘発方式自体がかの僧院テレマの、いや、だとすると!?」
「科学と魔術? これ、こんなの、片腹痛いじゃない! ここにあるのが全部本当だとするなら、そもそも二つの世界なんか存在しない。たった一人の邪悪がそう見えるように切り分けているだけ!!世界は統一した理論で説明できてしまうじゃない!」
現代のテレマ教
学園都市を総本山とする、魔術サイドの対の勢力。
主人公の上条当麻、アクセラレータ、浜面仕上も科学サイドの人間である。
その正体は、魔術師アレイスター=クロウリーが提唱したテレマという神秘思想(宗教)。
正確に言うとクロウリーがイタリアのシチリア島に作った「テレマ僧院」を科学という形に偽装し、それが今日の日に科学サイドと呼ばれる枠組みまで発展したもの。
実質的な科学サイドの一大拠点「学園都市」は形を変えた「テレマ僧院」とされており、クロウリーの作った科学に属する全てがテレマのカモフラージュに過ぎなかった。
つまり、現実的には近代魔術に分類されるべき新興宗教の形を変えた姿。
現実世界におけるテレマ思想はクロウリーの没後から現代に至るまで続いているが、禁書では創始者のクロウリーが魔術を憎んで生き長らえていたら…というif・創作設定のもとに成立しているわけである。
元ネタの詳細は「アレイスター=クロウリー」「セレマ」「エイワス」の記事にて。
原型制御
実は科学サイド、魔術サイド等という枠組みは自然的に発生したものではない。
これらは魔術を憎悪するクロウリーが、「原型制御」というパラダイムシフトを起こす技術を使い、魔術に対抗する枠組みとして明確に線引かれている。
元々、世界は統一した理論で説明できていたのだが、まさにたった一人の邪悪によって強制的に科学(超能力)と魔術に隔てられたのが、現在のとあるシリーズの世界観となる。
元ネタ
現代の儀式魔術は「黄金の夜明け団」とその団員達が起こした後継的結社の遺したものが主流だが、そのいずれの祖も(自然)科学と魔術を密接に結びつけている。
「魔術とは意志に応じて変化せしめる《科学》にして《業》である」
この言葉に代表されるように、20世紀最大の魔術師と呼ばれたクロウリーの魔術観では「魔術師の全ての意図的な行動・意志こそが魔術的行為」として考えられた。
クロウリーは自身が定義・実践するテレマ系の魔術に「magick」という綴りを与え、従来の洗練されていない古式魔術と区別している。
(ちなみにmagickという単語は、禁書でも第7巻/法の書編にて地味に登場する)
そして新約22巻において、まさにこのクロウリーの魔術定義が引用されている。
やはりこれが元ネタだったのかもしれない。
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