cv古川登志夫
概要
17話「さすらいの蒼坊主」で初登場した、鬼太郎第5シリーズでのオリジナルキャラにして鬼太郎の兄貴分。
鬼太郎も「蒼兄さん」と呼んで特別に彼を慕っている。元々のモチーフは伝承上の妖怪・青坊主だが、「青」ではなく「蒼」表記で能力や役割などもほぼオリジナルであり、共通しているのは僧侶の姿である点と伝承上の一つ目が本作では後述する第3の目として額にある点くらいである。
表向きは人間界で人間の行脚僧として諸国巡礼を生業としているが、実は手にした六角棒と封印札で日本の凶悪な妖怪の封印した場所を見回り、密かに人へ害をなす妖怪を退治して全国を回っている。ただし、極度の方向音痴である。
本人自ら「東西南北が分からない」と豪語する程であり、17話でも鬼太郎に次の目的地を「四国を経由して北海道だ」と伝えた所「それ全然逆の方向だよ」と呆れられている。
おかげで、やたらあちらこちらで迷子になっており、声で相手の居場所を把握できる妖怪、呼子には常にお世話になっている模様。
EDでも、南極から涙目で呼子に助けを求める姿が見られた。
能力
棒を使ったリーチの長い攻撃と卓越した戦闘能力、更に聴力・嗅覚に優れ、鬼界ヶ島では弱った仲間を鼓舞するなど、共に戦うにあたりとても力強い存在。
何があってもそうそうへこたれず皆を引っ張っていく兄貴分である。
しかし、彼の最大の能力は額にある第3の目。普段は閉じている第3の目を開くと
相手に幻を見せる事が出来る。ぬらりひょんなどはその幻覚に完全に飲み込まれてしまい、鬼太郎を倒したつもりが自分の足を自分の剣で貫き、敗北する結果になってしまった。
普段は僧侶だけに仏教等への造詣も深い。
強力な割に技としての制限が設けられていないので(無意識でも自分の意思でも使え、一度使うとしばらくは使えないといった描写は特に無い)使い所が難しい技だが、59話で久しぶりに目を使い、日本妖怪側の会心の一撃を打ち出した。
ちなみにこの目、毒蛇に噛まれたミウの身体をスキャンする時にも使用しており、幻を見せる以外にも使える多能力的な目なのかもしれない。
鬼太郎との関係
初登場となった17話で、幼い鬼太郎が幽霊族の力を暴走させた際に出会い、身体的に父親として十分に役割を果たせない目玉親父に代わり、鬼太郎の面倒を見ていたと語られている。そのため鬼太郎は彼を実の兄のように慕い、戦っている蒼坊主のために傷ついた自分も省みず戦闘に参加したり、蒼坊主の危機に反応し新たな地獄究極奥義を開花させ、敵を撃退したりといった姿を見せている。
蒼坊主も鬼太郎を本当の弟のように可愛がっており、何かと気にかけている。
第五シリーズの鬼太郎、特に初めの話では人間に距離を置いていたり、ネコ娘のアプローチにも「悪い冗談は止めてください」などとクールな印象が目立っていた鬼太郎。
その鬼太郎のイメージを一新してくれたのが、蒼坊主の存在である。
蒼坊主が妖怪横丁の皆に挨拶している所に息せききって走ってくる鬼太郎。
息を整える間ももどかしく満面の笑顔で「おかえり、蒼兄さん」と迎える鬼太郎。
その今までと違うきらきらした鬼太郎の表情は当時の視聴者を惹きつけ、蒼坊主はその活躍ぶりも相まって人気キャラクターとなった。
周りとの関係
砂かけ婆や子泣き爺からは「蒼坊」、呼子から「蒼坊主おじさん」、ネコ娘からは「蒼さん」、ねずみ男からは「蒼ちゃん」と呼ばれ慕われている。
兄貴分な性格だからか、アマビエの身の上話や呼子の悩みを親身になって聞いてくれる面倒見のいい所も関係しているのだろう。
天狗ポリスとの関係も深く、天狗ポリスのエースである黒鴉とは親友のような付き合いをしている。
滑落事故から救った人間の少女に慕われお礼のプレゼントをもらったり、わがままなアマビエを妖怪横丁の仲間に入れてやったり、妖怪退治に意気込むアマビエの頭を撫でてなだめつつ戦力外通告をしておとなしくさせたり、毒蛇に噛まれたミウの腕を取って毒を吸い出したりと、女性からも慕われたり接し方も手馴れているような描写がある。
余談
蒼坊主を演じた古川登志夫は、6期では念願かなってねずみ男を演じる事となった(詳細は6期鬼太郎を参照)。
頼れる兄貴分で、妖怪からも人間からも慕われている蒼坊主と、狡猾なニヒリストで妖怪からも人間からもずっと疎まれてきたねずみ男は、真逆とも言えるキャラクターであるが、それぞれに鬼太郎と縁深い存在という点では共通している。