「そう…そんな…風に…そんな風になさっては、花ビラを散らしてしまいますわぁ」
CV:倉田雅世
人物像
長い黒髪と豊満な肉体、そして光のない濁った瞳が特徴の妖艶な美女。
カルメン99の旧友・ハエッタから栽培を依頼していたオルフェの花を買い取る為にトリノリアに現れたように、組織の計画に必要な特殊な物資の開発を各地で依頼し、その調達を担っている。
ゾネットにてカルメンが持っていたボードを奪還すべく接触して以降、ハエッタを破滅に追いやった元凶ともいえる存在として因縁とカルメン個人の嫉妬心が混じり合い、幾度となく激突していく。
外見的なイメージにそぐわずセクシャルな言動が多く、一方で怒りや不快感という感情を見せず得体の知れない態度をしており、基本的に冷静沈着でおっとりとした物腰を崩さない。
年下の子供や敵対している相手であっても敬語を常用しているが、例外としてミハエル・ギャレットにだけは比較的砕けた口調で接している。
好きな物は、羽ばたく姿が自由を表している蝶。
その正体は、カギ爪の男を崇拝する組織の幹部格オリジナル7の一員。
メンバーの中ではガドヴェド・ガオードに次ぐ古株で、ストーリーとしては存在が語られていたミハエルよりも先に一番最初に登場。
周囲に対して攻撃的なカロッサにも珍しく好かれており、ミハエル以外のメンバーとガドヴェドが対立しがちなオリジナル7ではショックアブソーバー的な存在を務めている。
使用武器は自らのヨロイ・ダリアの操作デバイスにもなる流体金属製の三節棍。普段はむっちりとした太股に巻き付けている。
生身での戦闘力も非常に高く、ゾネットにおける邂逅では女子トイレでカルメンを一方的に痛めつけ、レイ・ラングレンと互角に渡り合い牽制可能、かつてウィリアム・ウィル・ウーがカギ爪の男に襲いかかった時は一撃で重傷を与えた(その際、返り討ちにするまでウーに全く気配を気づかれていない)。
どういう訳か、ダリアの操縦時には無駄にポールダンサーのような動きをするのが特徴。
数々の暗躍やヴァン一行を翻弄し続けた強さも相まって、作中屈指の難敵。
元は娼婦であり、そのバックボーンは女性として非常に悲惨なものである。
産まれてすぐに娼婦街、しかも金さえ払えばどんなアブノーマルな事も可能という低級店に売り飛ばされた生い立ちを持つ。 時系列や店の性質を考えると、かなり幼い頃から客を取らされていた模様。
従って両親の存在を知らず、親というものがどういうものかも上手く認識できていないが、毎年差出人不明の日本人形が届きそれを唯一の宝物にしていた。
新人類特有の神経電気体質によって、彼女と性交する男性は行為中まさに痺れるような快感を感じる為、それがクセになった常連客もついている。
その評判は遠くの地方まで知れ渡り、それを聞きつけたカギ爪の男が新人類かどうか確認するべく自ら足を運んでスカウトした(ファサリナは客と思って行為に及ぶつもりだったが、カギ爪の男はやんわり拒否)。
娼婦街以外の世界を知らず、過去に一度外の世界を夢見て脱走を図るが失敗し、娼館の主から罰を受け背中に深い傷を負う虐待を受けている。
それ以来、全てを諦めてしまい常連客から身請け話があっても「娼館(ここ)が好き」と言って断っていた。
カギ爪の男の勧誘も一旦は断るが、自分の世界だと思っていた娼婦街と大切な日本人形を焼き尽くす大火災を目の当たりにし、改めてカギ爪の男の誘いを承諾。
組織に参入して以降は狂信的なほどカギ爪の男に心酔して側近中の側近となり、心の奥底まで一緒でありたいという思いが非常に強い。
そうした為か、思想やポリシーといったものは殆どカギ爪の男の受け売り。
だが、いつもお色気全開で戦闘中でも淫らな雰囲気の台詞を連発するものの、むしろ貞操観念は強く純粋。
娼婦時代を忌まわしく感じており、自分を「汚れた」と称していた。
レイに売女呼ばわりされた際も静かに怒りを見せ、カルメンの逆恨みに等しい因縁には明確に不快感を露わにしている。
また、「カギ爪の男と同一化したい」という気持ちこそ強いが、それとは別の思惑ではっきりとした自分の意志により独自に行動を起こす事も少なくない。
このように、根底には人間的な情緒が確かに存在しており…。
ミハエル・ギャレットとの関係
物語の開始前、ラッキー・ザ・ルーレットにミハエルの拉致を依頼したのが、そもそもファサリナである。
厳密にはただ普通に連れてくるように頼んだので、ラッキーが手荒な手段で街を襲いミハエルをボロボロに負傷させて強引に誘拐してきたのは完全に想定外。この件に関しては相当怒っており、後で落とし前をつけさせることを仄めかしていた。
そうした経緯もあって、初対面時におけるミハエルからの第一印象はかなり悪かった。
彼の街に帰る決意も固く、ファサリナも無理強いはしなかったが、最終的に説得してカギ爪の男と引き合わせ仲間にする事に成功。
姉と弟ほどの年齢差がある為か、組織の先輩として彼を導く場面が多かった。色んな意味で
次第にミハエルからは一人の女性として思慕を寄せられるようになり、カギ爪の男の理念に対する迷いを完全に断ち切らせるべく体の関係を迫るなどして懐柔するが、彼女本人としてもミハエルを純粋に愛していた。
そうした好意を形はどうあれ素直に口や行動に出せる点も、素直になれないカルメンの癪に障ったらしい。
因みに、彼女が独断で行動してミズーギィの特殊金属繊維を入手していなければミハエルは大気圏で燃え尽きて死んでいた。
カギ爪の男にとってミハエルの生死など役目を終えた時点でどうでもよく、逆にファサリナは打算や計画抜きにミハエルの命を救おうと奔走していた事実がわかる一幕。
恐らくは産まれて初めて愛した男性であろうミハエルと共に崩落する瓦礫の中に姿を消し、その生死は不明である。
ヨロイ
食虫植物を思わせる姿をしたヨロイで、本来はエンドレスイリュージョンにて反乱を起こした囚人の捕獲に特化した機体だった。
そうした理由からか、触手やGE-R流体を噴出させたトリモチによる搦め手の攻撃手段、透明化など他のオリジナル7とは異なる特殊機能が備わっている。
変幻自在の戦法でダンを圧倒し、ヴォルケインを真っ向から追い詰め、作中ではダン以外のオリジナル7の機体では最も活躍した。
見るからに女性型だが、元からそうだったのか、光学兵器を付加する際にファサリナの象徴として改修されたのかは不明。
なお、この機体が冠する『水曜日』の名は地球(マザー)の神話において『結婚』を意味する。
主な台詞
「私があなたを…大人にしてあげる」※やがて別の意味でも有言実行
「あまり無理はなさらないで。そんな姿を見ていると、私…なんというのでしょうか。その……咲き乱れて…しまいますので」※普通に四方八方から攻撃しているだけです
「あらぁ…激しい……ああ…乱暴すぎますぅ」※普通に突撃を避けているだけです
「あなたに必要なのは、蜜。猛りや怒りを忘れるような、甘い、あまーい…み・つ」※後述のスパロボTのPVにて再現され、話題をさらった
「さあ、一緒になりましょう? 一緒に花を咲かせましょう、花を。私があなたを受け止めます。さあ、私に身を任せて…私に…全て…何もかも…脱ぎ捨てて」※普通に機体を捕縛しているだけです
「あなた達は私怨の為に戦っている。私達は同志の夢を守る為に戦っている。命は守るものを持つ方が強いのです!」
「私には故郷がありません。産まれた時から一人でした。それが日常だったので、『寂しい』という心すら持てません。あなたのように故郷を想う気持ちもわかりません。私の方こそ、あなたを憎むべきだと思います」
「はい、とても良いものでした」※ドラマCDにてカギ爪の男が童貞の尊さを語る際
「はい、とても効き目がありました」※ドラマCDにてカギ爪の男が裸エプロンの有効性を説く際
余談
そのラストについては自由な解釈や考察ができ、一部のスタッフから「死んだ」と語られれば、ミハエル役の保志総一朗を含めてミハエルと共に生存説を唱える声も多い。
最終決戦でカルメンの攻撃で髪を切られてセミロングヘアになるが、実はミハエルとお揃いの髪型。
やたらとセクシャリティな描写に定評があり、実際の性格や恋愛観はピュアなのだが放送時から「存在自体が18禁」と称されるほど有名なお色気キャラとして、もはやネタが独り歩きして伝説と化している。
そして、ゲームではスーパーロボット大戦Kで既に出演していたが、2019年発売のスーパーロボット大戦Tにおいて初のボイス付きとして参戦。
PV第一弾で姿を見せた途端、やはりと言うかロボットの姿が映らない攻撃カットインの紹介だけなのに淫靡な表情や台詞の艶やかなトーンによって一気に話題を呼んだ。
結果、瞬く間に「ファサリナ」のキーワードがツイッターのトレンド上位にランクイン。
「いるだけでCEROを上昇させる」ともっぱらの評判である(実際、(それだけが原因とは考えにくいが)参戦するだけでCEROが上がるとネタにされた作品が不参戦なのにTがCERO-Cとなった)。
今回は新規の台詞収録が確定しているが、PV公開による反響に対して演じる倉田雅世もすぐにコメントを発表し…
「みなさんのご期待通りのすごいセリフでお待ちしております」
ちなみに自軍入りするバグはTでは修正されているので安心して地獄に送ってあげよう。