概要
男子トイレと女子トイレに分かれていない、男性も女性も共に使えるトイレのこと。現代の日本では数が少なくなっているが、後述するように再評価の流れもある。
形態
個室だけのもの
個室が1つだけで、男女がともに用いるもの
通常の家庭のトイレと同様のものである。
現在でも、規模の小さい飲食店などではよく見られる。
近年、男子トイレや女子トイレとは別に設置されることが多くなった「だれでもトイレ」も、このタイプが中心である。
個室が複数あり、一部は女性専用で、他は男女共用というもの
コンビニエンスストアやファーストフード店などで多用される。
盗撮などの被害に遭うリスクがある女性のために、女性限定の個室を確保しておくべきだという考え方に基づく。
個室が複数あり、すべてを男女がともに用いるもの
アメリカのオフィスなどによくあるらしい。
個室以外に小便器もあるもの
男女共用の個室と男性用の小便器がある、一般的な男子トイレと同じような構成の男女共用トイレ。昔の日本では非常に多かったタイプである。
こうしたトイレでは、朝顔型あるいは壁型の小便器が入り口に対して横向きに置かれている場合など、配置と小便器の形状によっては女性から排尿中の男性の陰茎が見えることがあった。特に、規模の小さなトイレで手洗い台のすぐ隣に小便器が設置されている場合には、女性が手を洗うときに隣で用を足している男性の陰茎が見えやすかった。
このようなことは昔は特に問題視されなかったが、時代の変化とともに嫌がる女性が増えるようになり、また短小や包茎などを気にして女性に陰茎を見られたくないという男性も増えたため、このような男女共用トイレはここ数十年で減少している。
それでも、公園や小さい駅、地方の古い役場や公民館等の公共施設、それに飲み屋などといった場所では、現在でもこのタイプの男女共用トイレが現役であることが多い。また、幼稚園や保育園のトイレも、保育士による管理・指導をしやすくするため通常この形である。
また最近では、人を男女に二分せず多様な性を受け入れるべきであるという観点から、このタイプのトイレに注目が集まっており、実際に台湾の学校などで新しく採用されている。性別に関係なく同じトイレを共有し、個室を使いたい人は個室を、小便器を使いたい人は小便器を使えばよいという発想である。場所をとらずに女子トイレの混雑を緩和できるというメリットがあることも評価されている。