概要
旅客列車用のEF58を基本設計を揃えつつ、貨物列車牽引に適した性能特性にチューニングした機関車。1947年から1958年までに202両が製造され、直流電化区間のあらゆる路線で活躍した。
国鉄の先輪・デッキ付き電気機関車としては最終型に属する。また、本形式をベースに連続勾配区間での運用に適したEF16へ改造された車両もある(一部は後年EF15に復元)。
性能
単機では10‰勾配区間で1,200t列車の牽引が可能である。ただし後続のEH10・EF60等と比べて余力が小さく、関ヶ原の連続勾配区間では主電動機の過熱防止のため1,100tに抑えられていた。
最高速度は75km/hとされているが、厳密に言えば登場当時主流であった最高速度65km/hの貨物列車に適合した性能である。そのため、平坦線で1,200t列車を牽引する場合、速度は68km/hまでしか出せない。これが足掛けとなって後年の貨物列車高速化で苦行を強いられることとなる。
撤退
東海道本線・山陽本線では、新性能電機の台頭と貨物列車の高速化により徐々に活躍の場を狭められ、1978年までに撤退。一方の東北本線・高崎線・上越線などでは1980年代に入っても運用されていたが、ここも後継機の投入や貨物列車の削減、老朽化などによって廃車された。
民営化後もJR西日本に158号機のみが車籍を有した状態で保存されていたが、2011年に車籍が抜かれて形式消滅。車両自体は網干総合車両所宮原支所に現存する。この他各地に保存機が点在する。