「ごめんね。私は魔女教、大罪司教『憤怒』担当
――シリウス・ロマネコンティと申します」
「ああ、心を震わす忌まわしき『憤怒』! 怒り、即ち激しい感情! 激情こそが人の心に根付く大罪であるのなら、切っても切り離せない宿業であるのなら、喜びで心を満たすべきなのです! 今このとき、皆の心が一つになっているように!」
「――ああ、優しい世界!」
プロフィール
性別 | 女性 |
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名前の由来 | おおいぬ座α星シリウス(Sirius) |
能力 | 憤怒の魔女因子 |
注意
※本記事はWeb版のネタバレを含みます。※
人物
魔女教の『憤怒』を担当する大罪司教。
頭部を左目を除いて包帯で乱雑に覆い、サイズの合っていない魔女教徒特有の黒いコートを羽織り、両腕には長く歪な鎖を縛り付けフック状の先端を常に地面に引きずっている。
「怪人」としか呼びようがない不気味な人物。
しかし、その異様な見た目と担当する大罪とは裏腹に、喋り方や振る舞い方は完全に変質者だったペテルギウスと比べてだいぶ理性的で、むしろ好意的にすら感じられる。
「世界に『憤怒』など必要ない」と主張し、喜びや楽しさでこそ心を満たすべきだと考え、他者のことを想い、認め合い、そして互いに想いを共有する「皆の心が一つとなった」『愛』に溢れた優しい世界を目指し、その実現を心から望む人格者である。
容姿も一見すれば不気味に思えるかもしれないが、よくよく見るとひょうきんとも思えなくもないし、こちらの世界でいう道化師やピエロと思ってみればさほど世間ズレもしていない。
『大罪司教』という物騒な肩書きを持ってはいるが、警戒すべき相手ではない、むしろ味方サイドの人間と言える人物だろう。
「…気持ち悪い」
真面目な解説
魔女教大罪司教『憤怒』担当。
頭部を左目を除いて包帯で乱雑に覆い…というか全身を覆っており、サイズの合っていない黒いコートを羽織り、両腕には長く歪な鎖を縛り付けフック状の先端を常に地面に引きずっている。
機械的な、自然の発声ではないもののような聞こえ方がする高めの声をしているという。
まごう事なき「怪人」である。
スバル達からは性別の判別が難しいらしく、華奢な身体つきや話し方、仕草から見て恐らくは女性なのではないかと推測されている。(公式で発表されたデザインでは明らかに女性的な容姿で描かれており、まず間違いなく女性)
「皆の心を一つにする」と言ってることはかなりまともなのだが、実際に行っているのは後述する権能を利用した大量虐殺であり、言ってることとやってることが全く一致していない。
それでいて本人はこの惨状を「他者への愛が為した結果」と称して憚らず、自身のやってることは本気で正しい事だと思い込んでいるので始末に負えない。
普段は理性的で穏やかな話し方をしており、友好的に接して来ようとはしてくるが、
思考回路がこのような歪んだ価値観で固定されているため会話を試みようとしても表面的にはできているようで実の所全く意思の疎通がなされていない。
ペテルギウスの姓「ロマネコンティ」を名乗り、ペテルギウスを「あなた」「夫」と呼ぶペテルギウスの自称嫁。
愛し合っていたとは彼女の弁だが、実際のところペテルギウスとは大罪司教同士という事以外何の関係もなく、肝心のペテルギウスからは特に何とも思われていない。
シリウス・ロマネコンティという名前も勝手に名乗っているだけである。
要は思い込みの強いストーカー。
彼女が初登場した時点で既にペテルギウスはスバルに敗れ死亡しており、悲しみに暮れていたが、悲しみながらもその間にはペテルギウスの憑依先となる指先の腹を掻っ捌くという中に誰もいませんよ的な凶行に及んでいたのだから悍ましい。
基本的には落ち着いているのだが、この辺を突っ込まれると突然爆発し言葉遣いも荒々しくなり『憤怒』の名に相応しい激昂っぷりを見せ、めちゃくちゃに暴れまわる。
典型的なヤンデレ気質であるためペテルギウスが執心していた信仰対象の魔女サテラに対しては、仮にも司教を名乗っていながら「クソ魔女」呼ばわりし、怨嗟骨髄に染み渡らんばかりの憎悪を向けている。
また愛しているとしきりに訴えてはいるがこちらの意に沿わない反応が返ってくれば「焼くぞッお前ッ」とブチギレる。
スバル「わっけわかんねぇよお前…」
サテラだけにとどまらず、ハーフエルフであるエミリアにも相当な憎悪を向けており「夫を誑かす売女、淫売」と口汚く罵る。またペテルギウスと同じく妖精であるベアトリスに対しても露骨な嫌悪感を示している。
ペテルギウス以外の事には全く関心がなく、彼女曰く魔女教に所属しているのもペテルギウスがいるから。司教でありながら魔女教の活動内容も全く把握していないし、興味もない。
劇中ではペテルギウスを打倒した事で「見えざる手」の一部を行使できるようになったスバルをペテルギウス本人だと思い込んでしまい、その異常な執着を向ける事となる。
戦闘能力
魔女因子の保有者で、『憤怒』の権能を行使する。
大罪司教の実力の殆どは権能を占めており、大抵は権能さえなければ本人達の戦闘能力は低い場合が多い。
が、シリウスはその中でも戦闘能力が純粋に高く、作者曰く大罪司教内で権能を抜きにした場合の実力比べでは「シリウス一択」とされる程の実力者である。
実際に劇中でラインハルトからは「熟達した技能の持ち主」と評され、プリシラとも肩を並べて戦えるほどの活躍を見せた。
鎖でがんじがらめにした少年を片手で持ち上げたり、胴体に少女をくくりつけた状態でリリアナから「人間ってあんな動きできましたっけ」と言われる程の動きを見せるなど身体能力は相当に高い。
権能によるものかは不明だが凄まじい火力の火炎を扱う事も可能。あまりの熱量でなんならシリウス本人も焼き焦がしてしまうレベルである。
プリシラからは包帯でぐるぐる巻きの姿もそのせいなのではないかと訝しがられていた。
また相手の動きを完全に制止させる描写もあり、中々謎が多い。
戦闘では権能を常時展開させ、専ら炎を身に纏い腕に巻きつけた鎖による殴打を中心に戦う。
権能
- 「感情の共有化」
文字通りシリウスやシリウスが指定した人物の感情を周りにいる人物にも共有させる。
例えばシリウスが大喜びしていれば周りにいる人間は殺される直前まで大喜びし続けるし、シリウスに恐怖している人物がいれば周りにいる人間もどんなに気を強く持っていようが無条件で恐怖する。
一種の洗脳のようなもので、初めはシリウスを警戒していたとしてもシリウスが好意的な態度を保っていればこちらもシリウスを好意的に感じてしまう。
また共有化によって伝染した感情は共振するように増幅していく特性も持つ。
シリウスにAが恐怖する→その恐怖心をBが受ける→Aが元々の恐怖心に更にBの恐怖心を上乗せされる→Bの恐怖心にAの上乗せされた恐怖心が上乗せされる→Aが上乗せされた恐怖心にBの上乗せされた恐怖心が更に上乗せされる→Bの…
といった具合に感染して時間が進むほど症状が悪化していってしまう。これは悲しみだろうと怒りだろうと同じであり、最終的な末路は発狂死である。
シリウスは感染した人物達を操ることも可能らしく、劇中では怒りによって暴徒と化した市民達をスバル達にけしかけていた。
感染してしまう条件は不明だが少なくともラインハルトですら防ぎようがない模様。
「劇場型悪意」
- 「感覚の共有化」
シリウスやシリウスが指定した人物が受けた感覚を「感情の共有化」に感染した周りの人物にも共有させる。
例えば少年が高所から墜落死すれば周りにいた人物も全員墜落と同じダメージを受けて死亡するし、シリウスが真っ二つにされて死亡すれば周りの人間も全員真っ二つになって死亡する。
ただ存在しているだけでも厄介な存在なのに、何も考えず仕留めてしまえば全員同じ末路を辿ることになってしまうという非常に意地の悪い能力。
一重にシリウスを仕留められなかったのもこの権能によるところが大きい。
シリウスはこの権能によってもたらされた地獄のような光景を「皆の心が一つとなった」と表現している。
劇中では市民達に「『愛』の確認作業をしたい」などと言いながら、少女の身代わりとして攫われた少年の勇気を自分と同じ感情を押し付けて無理やり讃えさせ、身勝手に満足したのちに少年を高所から墜落死させて市民達もまとめて皆殺しにしている。
当然市民達は死ぬ直前までシリウスと同じ感情を抱いていたため、墜落していく少年を勇者の凱旋とばかりに拍手で迎えるという狂気と呼ぶことすら生温い行動を取らされていた。
スバル曰く「他人の感情を弄び、身勝手な愛を強要する怪人」
余談
- 目の色
頭部で唯一確認できる左目は「紫紺の瞳」と称される色をしているらしい。
作中で紫紺の瞳を持つキャラといえばエミリアと、フォルトナが登場しているが、果たして…
- ペテルギウス関係
歪んだ愛を見せるシリウスだが、その背景にはかつて「地獄から救い出された」過去がある模様。
- プリシラ関係
プリシラの過去のなんらかを知る人物であるらしく、プリシラに対し『アイリスと茨の王』、『ティレオスの薔薇騎士』、『マグリッツァの断頭台』と意味深な単語を発していた。
聞くやいなやプリシラは激昂していたが真相は不明。