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研究不正の編集履歴

2019/09/06 16:26:51 版

編集者:mo

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研究不正

けんきゅうふせい

研究不正とは、科学的な研究に際して行われる倫理上不適切な行為である。

概要

実験データの改ざんや捏造、または他の論文からの剽窃、研究費の不正流用などを指す。また金をもらって結果を歪めて発表するなどのケースもある。また「ギフトオーサーシップ」といい、直接研究に関与しなかった者の名前を著者名に記すのも不正とみなされる場合もある。

こうした行為に手を染める動機は様々だが、日本では2004年国立大学法人化を契機に不正が急増しており、研究者同士の競争の激化や限られた任期中に成果をあげなければいけないというプレッシャーが不正の大きな原因になっていると指摘される。

科学の研究結果は、学術誌に論文として発表される前にその分野の専門家による査読が行われ、研究の妥当性が問われるが、査読を潜り抜け掲載された論文に不正の疑義が持ち上がるのは珍しいことではない。不正が疑われる論文は研究者の実験ノートが検証され、必要なら追試が行われる。

不正な論文は取り消されることになり、悪質な場合は不正に関わったものは職場を追われる。刑事事件に発展することもないわけではないが非常に稀(下記の藤村新一は偽計業務妨害の疑いで告発されたが不起訴になっている)。

理系だけでなく、人文系分野でも剽窃などの不正行為が発覚した場合、学位取り消しなどの処分が行われ懲戒解雇などの社会的制裁が下されることがある。

有名な研究不正事件

医学生物学分野での主な研究不正

  • ウェイクフィールド事件」

イギリスの医師、アンドリュー・ジェレミー・ウェイクフィールドが学術誌「ランセット」で1998年に「新三種混合ワクチン予防接種で自閉症になる」とする論文を発表したが、金銭的利益相反の開示を怠ったことと、研究内容に捏造が発覚したため論文撤回だけでなくウェイクフィールドはイギリスの医師免許を剥奪された。

  • 黄禹錫事件

2005年末に「ヒトクローン胚から胚性幹細胞(ES細胞)を作製することに世界で初めて成功」とされた韓国の生物学者黄禹錫の研究内容に捏造や研究材料の卵子採取手順に倫理的な問題が見つかり、黄は逮捕。2014年に研究費流用や生命倫理法違反などの罪で有罪判決が確定したが、黄の長年の科学の発展への貢献が考慮され執行猶予がついた。

2012年に東京大学医学部附属病院特任研究員の森口尚史が、iPS細胞の世界初の臨床応用となる心筋移植手術を実施したと発表したが他の研究者から疑義の声が続出し、森口は弁明の場をドタキャン、東大を懲戒解雇された。この件を大々的に報道した読売新聞も誤報を認め、謝罪した。

  • ディオバン事件

2013年、日本の5つの大学で行われていた高血圧治療薬ディオバンの臨床実験で、メーカーのノバルティスファーマが有利になるデータ操作が発覚した。200億円以上の損失が出たと試算されている。

  • 曺国一家不正疑惑事件

韓国の有力政治家で法相に指名されたばかりだった曺国の28歳になる娘が高校時代に参加したとされた研究をまとめた、彼女をトップネームとして学術誌に発表されていた病理学論文に、実際には研究にほとんど参加していなかった疑惑が発覚。

大韓病理学会は当該論文の登録を取り消し。さらに法学者でもあった曺国本人の論文にも、日本の論文からの無断転載疑惑が発覚。他にも文系の大学教員である曺の妻や他の家族を含めた利権疑惑が多数噴出し韓国を揺るがす大騒動となった。

人文分野での主な研究不正

  • 旧石器捏造事件

 毎日新聞のスクープをきっかけに在野の考古学者藤村新一のでっちあげが2000年に発覚。日本における前期旧石器時代の存在が白紙に戻り、教科書を書き換えるほどの騒動になった。

  • 『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』論文剽窃事件

2018年、コメンテーターでジャーナリストの渡辺真由子の著書で彼女が慶應義塾大学大学院在籍中に著した博士論文を再構成した書籍『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』に大量の無断転載が発覚、元の博士論文も再点検が行われ2019年に博士号剥奪処分となった。

  • 深井事件

2019年、東京英和女学院院長であった深井智朗教授による著作の捏造が発覚。引用文献とされていた書物の著者「神学者カール・レーフラー」なる人物が架空と発覚。懲戒解雇処分となった。

関連タグ

疑似科学

日本面...2004年以降、科学の研究不正に関わった科学者は日本人が最も多く(撤回論文数上位10人の半数は日本人である)、日本は「研究不正大国」という不名誉な烙印を押されている。

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