概要
現地表記は조국 (曺國)。1965年4月6日に釜山で生まれる。
1991年8月にソウル大学校大学院の法学博士課程を修了した韓国でもトップクラスのインテリコースを歩み、27歳で当時史上最年少で蔚山大学教授となった。
その後法学者として様々な大学の教員を歴任し、出身校であるソウル大の教員となった。
学者としての活動と並行して政府の諮問委員会を歴任。
文在寅はもともと彼の著書の愛読者だった縁もあり彼を重用し、文政権発足後は大統領府民情首席秘書官に就任し、文の最側近の一人として次期大統領候補とも目されるほどだった。
妻も大学教員であり、親族達は会社経営をし娘は名門大の学生と何不自由ない華麗なる一族の様相を呈しており、本人も整った容姿と出世街道から「F4」と呼ばれるほどだった。
一方で反日主義の急先鋒としても知られており、Facebookでは日本批判を繰り返していた。
国内的には検察改革をテーマとしていた。これには大学教員時代の教え子で検察官となった男性がパワハラで自殺したことによる恨みも一因とも言われており、後述の疑惑で騒がれた際にはこの弟子の墓にTVカメラを引き連れてお参りをして見せたりもした。
しかしそんな順風満帆に見えた2019年、文大統領から法務部長官(日本の法務大臣相当)候補に指名されたことで、一気にスキャンダルが吹き出した。
「玉ねぎ男」騒動
まず火を吹いたのは娘の名門大である高麗大学への不正入試疑惑と、彼女が高校生の時に病理学論文の筆頭執筆者となったと自称していた研究不正疑惑であった。
これに彼の勤務先だったソウル大の学生をはじめとする若者達が猛反発。ろうそく集会が行われた。
芋づる式に妻が娘の不正入学に関与した疑惑、息子の5度に渡る徴兵逃れと大学院入試の不正疑惑、彼の親族の事業関連の不正蓄財や利権誘導疑惑が次々と噴出。
この釈明で11時間に及ぶ会見をおこなったものの炎上は沈静化せず、疑惑はさらに類焼し野党からの絶好の攻撃材料となってしまい「彼らの曺国(チョグク)を救うため、我々の祖国(チョグク)を捨てた」と批判される。
「反日キャラだったのに会見で三菱鉛筆のボールペンを持ってきた」ことで韓国のネット民の間で祭られる羽目になり、挙げ句の果て、彼の修士論文も日本の学者の論文を剽窃していたとの疑惑まで浮上、「日本依存」と揶揄されることになる。
疑惑が次々出て来ることから「玉ねぎ男」(韓国語の左派の意味の좌파(チャパ)とたまねぎ양파(ヤンパ)の掛詞でもあり、「剥いても剥いても疑惑が出て来る」という意味も込められている)とあだ名されることになる。
検察側からも追求が激しくなり、高麗大学にも捜索が入り、曺の妻も私文書偽造容疑で在宅起訴された。さらに甥も逮捕され、娘と息子も事情聴取を受けた。
あまりにネタが豊富なことから日本のニュース番組やワイドショーでも特集が組まれて頻繁に取り上げられるようになり、それに反発する日本の文政権にシンパシーを持つ左派活動家が「嫌韓報道だ」と激怒するなど事態は混沌。
しかし、文は彼の法務部長官就任を強行。
ただでさえ韓国の長引く不況や日韓関係の悪化の最中であり韓国の国内外に大きな騒動を巻き起こしており、文政権の支持率もこれが原因でジリジリと下がっている。
そして検察当局と文政権側との対立m深まる一方で、文が外遊している間に曺の自宅に家宅捜索が入り、「現役法相の逮捕」という事態も危ぶまれていた。
結局就任からわずか1ヶ月の10月13日、彼は法相の座を辞任、ソウル大に復職届けを出して受理され学者に戻った。
関連タグ
崔順実:韓国の不正入学を含む、大統領繋がり人物の疑惑繋がり。