概要
1956年6月23日生。新興宗教教祖で霊能者を自称した崔太敏の五女として産まれる。
崔太敏は朴正煕に取り入り、母を暗殺でなくしたその娘朴槿恵にも接近。
これを危ぶんだ金載圭中央情報部長が彼らを告発しようとしたものの追い落としに失敗、金はやがて朴正煕を暗殺する。
その後順実は「セマウム奉仕団」という父の設立した社会奉仕団体で活動。
この活動を通して、順実は朴槿恵と彼女と急速に親しくなり「セマウム奉仕団」代表に朴が就任するまでになる。
その後は会社経営等を行い、非常に羽振りのよい生活をしていた。
癒着疑惑
朴が大統領に就任して後、彼女との公私混同ともいえる癒着が囁かれ始めた。
2016年10月に韓国の放送局「JTB」が、崔が廃棄したパソコンから政府機密文書が発見されたと報じた。これは崔が政府が設立した団体を私物化していたのではないかという疑惑を取材していた過程で掴んだスクープであった。
それと相前後して韓国内では一気に疑惑報道が噴出。
一介の民間人にすぎないはずの崔が大統領府にほぼ顔パスで出入りできている状態にあったことも問題視され、崔本人だけでなく彼女の家族や贔屓のホストなどの周辺の人物にまで大統領が便宜を図っていたのではという疑惑が多数噴出した。
平昌オリンピックや「国民的体操」制定事業といった政府の事業にも順実一派が食い込み利権を狙っていたとも報じられた。
2016年11月3日、崔は職権乱用の共犯と詐欺未遂で逮捕された。
その後も朴大統領の側近や、崔の姪、彼女らの利権に関与したとされる音楽プロデューサーも逮捕。
娘も高校卒業資格と大学入学資格に不正があったとしてそれらを取り消され、滞在先のデンマークで拘束された。
韓国内での反響
ただでさえ景気回復などの課題に有効な策を果たせないでいる朴政権に対するいら立ちが募りだしていた韓国内では、「大統領が一介の民間人に操られていたのでは」という疑念が一挙に政権への不信となり、反政権運動へと火がついた。
20歳になる崔の娘も、名門梨花女子大学への裏口入学および高校の成績評価への不正疑惑が取りざたされ、受験地獄と就職難に苦しむ韓国の若年層の大きな反発を招いた。
火の粉は崔一派が関与したと見られる事業に関わった有名人達にも飛び、「国民の姪」と呼ばれて人気の新体操選手・孫延在も体操事業のイベントに出たことで様々な憶測や疑惑を書き立てられる羽目になった。
多くの韓国内有力財閥も崔一族に取り入って様々な便宜を図った疑惑が取りざたされた。
朴大統領の支持率は過去最低の4%に急落、若年層への調査では支持率0%になったところすらあった。
街では怒る国民達による大規模なデモが頻発。
韓国民の怒りは朴政権や崔のみならず、与党セヌリ党や体制よりと目される朝鮮日報、はては前任大統領の李明博も一緒にdisる歌詞を乗せたデモ用の歌が作られるなどしており、韓国全体を揺るがす騒動に発展している。
挙げ句朴大統領の弾劾決議に発展し、朴大統領は罷免され、初の失職大統領となった。