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概要
台風15号(アジア名:ファクサイ)は2019年(令和元年)9月5日に南鳥島近海で発生。台風は北西方向に進みながら発達し、8日に神津島付近で中心気圧955hPa・最大風速45m/sの非常に強い勢力と判定された。その後、9日に台風は三浦半島を抜け、東京湾を進み、千葉県千葉市付近に上陸した。なお、関東上陸時には過去最強クラスの勢力を誇っていた。
その後、台風は福島県・宮城県を暴風・強風域に巻き込んで東へ進んだ。
- 関東上陸時の勢力
台風15号(ファクサイ) | |
---|---|
強さ | 強い |
方向・速さ | 北北東25km/h |
中心気圧 | 960hPa |
最大風速 | 40m/s |
最大瞬間風速 | 60m/s |
(出典:ウェザーニュース【速報】台風15号 千葉市付近に上陸 関東では過去最強クラスより)
気象状況
降水量は1時間に70mm以上、瞬間風速は50m/s以上を観測したものを掲載している。
- 大雨の状況
都道府県 | 市区町村名 | 1時間降水量 |
---|---|---|
東京都 | 江戸川区 | 72.0mm(9日4時29分まで) |
大島町 | 89.5mm(8日23時38分まで) | |
千葉県 | 安房郡鋸南町 | 70.0mm(9日3時47分まで) |
神奈川県 | 横浜市中区 | 72.0mm(9日3時50分まで) |
静岡県 | 伊豆市 | 109.0mm(9日0時31分まで) |
高知県 | 土佐清水市 | 76.0mm(7日9時39分まで) |
鹿児島県 | 奄美市 | 73.5mm(7日5時47分まで) |
- 観測した最大瞬間風速
都道府県 | 市区町村名 | 最大瞬間風速 |
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東京都 | 神津島村 | 58.1m/s(8日21時03分) |
新島村 | 52.0m/s(8日23時38分) | |
千葉県 | 千葉市中央区 | 57.5m/s(9日4時28分) |
(出典:国土交通省 令和元年台風第15号による被害状況等について 第8報より)
被害や影響
9月12日現在で死者数は2人、負傷者数は106人に上った。
1人は強風であおられて東京都50代の女性が壁に頭を打って死亡した。もう1人は87歳の男性が切り倒した木の下敷きになって死亡した。(朝日新聞より)
都道府県 | 死者数 | 負傷者数 | 住宅損壊・損傷 | 床上・床下浸水 | 非住宅被害 |
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福島県 | 1棟 | 11棟 | |||
茨城県 | 21人 | 87棟 | 1棟 | 11棟 | |
栃木県 | 1人 | 3棟 | |||
埼玉県 | 10人 | 15棟 | 1棟 | ||
千葉県 | 46人 | 294棟 | 19棟 | ||
東京都 | 1人 | 4人 | 146棟 | 3棟 | 2棟 |
神奈川県 | 11人 | 451棟 | 17棟 | 100棟 | |
静岡県 | 13人 | 40棟 | 2棟 | 1棟 |
(出典:消防庁 令和元年台風第15号による被害及び消防機関等の対応状況 第8報より)
※あくまで表は消防庁災害対策室の調べによるもの。
台風は主に関東地方に強風による飛来物や倒木などによる被害が相次いで発生。さらに約93万戸で停電が発生し、千葉県市原市でソーラーパネルが火災・君津市の送電塔2本が倒壊しているのが確認された。
停電の規模は東日本大震災後では最大とされ、特に千葉県では、エアコンや扇風機が使えず、夜は車のライト以外明かりがなく真っ暗である街が多く存在している。被害は停電の長期化により、日を追うごとに拡大している地域もあり、水道ポンプが動かず、断水も発生している。
千葉県のゴルフ練習場の支柱が倒れて住宅を直撃したり、工事現場の足場が崩れたりした。
台風で大きな被害を受けた千葉県では、全国各地の個人からの支援物資が相次いで寄せられている。
また、茨城県では日本原子力研究開発機構大洗研究所敷地内の冷却塔が倒壊した。
他にも日産自動車の追浜工場・横浜工場・本牧事業所などの製造業にも影響を及ぼし、千葉県・茨城県の農業は億単位の被害額となった。
停電状況
9月13日0時現在、千葉県内の広域で現在も約23万9500戸で停電が発生しており、市区町村によっては1万戸以上が停電している場所も存在している。
東京電力によると、復旧作業には時間を要するため、全面復旧は13日以降となるとしている。
停電情報
交通網
鉄道では台風が接近する前日の8日から、最終電車を早めるなどの対応を行い、JR東日本は、関東圏のすべての在来線で翌日の始発電車から午前8時ごろまで運転を見合わせることを予告していた。しかし、翌日に接近した台風は甚大であったため、運行できない状態が続き、中には1日中運転再開の見込みがたたない状態が継続した路線もあった。そのため、首都圏では、交通機関が大混乱して人が殺到してしまい、改札に入れない状況となった。
航空は、成田空港で孤立状態、いわば陸の孤島かしてしまい、旅行客でごった返すなど、交通の乱れが続いた。そのため、NAAは空港で一夜を明かす利用客らに、水やクラッカーのほか寝袋も配布するなど対応をとった。
関連項目
北海道胆振東部地震:2018年9月6日に発生した地震。停電によりブラックアウトが起きた。
外部リンク
成田エクスプレスは終日運休 台風の交通機関乱れ夕方も 台風15号 成田空港1.4万人足止め 千葉県の停電 全面復旧は13日以降(NHK)