概要
タイムトラベルをテーマにした映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』には、デロリアン製DMC-12を改造した自動車型タイムマシンが登場する。
このタイムマシン(通称:デロリアン)は時速88マイル(約時速142キロメートル)まで加速した状態で、タイムサーキットを稼動させることで、時間転移を可能にするものであるが、このタイムサーキットを稼動させるのに必要な電力が1.21ジゴワットであると説明されている。
しかし実際にそのような単位は現実の科学では定義されていない。
またメガやギガのような10のn乗倍を示す単位「ジゴ」なのか、ある電力量を示す「ジゴワット」という単位なのかも不明。理由は以下よりお察し。
本来はギガワットなのだが、脚本を書いたボブ・ゲイルが“gigawatt”と書くべきところを“jigowatt”と書いてしまい、日本語字幕をつける工程で戸田奈津子がそれをそのまま音写したため、ジゴワットという架空の単位が誕生することとなった。
何かと誤訳の多いことで知られる戸田だが、今回ばかりは元が間違っていたため仕方ない。
また、現実には存在しない単位が出てくることで、却って作品のフィクション性が高められているという見方もあるため、悪いことばかりとも言い切れない…かもしれない。
日本にはこれを面白がって、フィクションの架空の単位として採用したり、社名にした会社まで存在する。