概要
星空界に存在する惑星の1つで、OPのラストに登場していた星こそこの惑星レインボーである。その名の通り虹を思わせる色彩を放つ星であり、土星よろしく2つのリングで囲まれている。
劇中プルンスやドラムスは「惑星レインボー」と呼ぶのに対し、公式サイトでは「レインボー星」と表記されている。またブルーキャットことこの星の住人であるユニも「レインボー星」と呼んでいる。
元々この星は酸性雨に晒され生物もいない不毛の大地だったが、この星でのみ採掘できるエネルギー結晶体「レインボー鉱石」を科学の力で活用することによって酸性の雨水は濾過されて飲み水に変わり、石の電磁波が植物の成長を促した為に生命の生きられる条件が整って今に至った(こうした恩恵で農耕による食糧生産も可能になったのは想像に難くない)。
しかし、本編開始の数ヶ月前に全住民が原因不明の石化現象で滅んでしまった。
現在では美しい表層圏とは裏腹に大気圏下は酷く荒れ果てており、荒涼とした大地が広がっている。住む者がいなくなったことでレインボー鉱石によるインフラの稼働もやがて止まり、再び死の星へと戻ったのである。
滅ぶ直前の人口はおよそ1800人。人口の少なさはこの星が元来は生物が住めない環境であることと、彼らが外界からの移民であることを示唆している。詳細は後述。
因みに宇宙星空連合には非加盟の星であった。
この星の宝はどれもレインボー鉱石で出来た大変美しい宝飾品ばかりだったが、民が滅ぶと同時に多くの宝が奪われ、宇宙中に出回る事となった。宇宙怪盗ブルーキャットはこの星の宝を専門に狙う怪盗であり、それ以外は盗んでも貧しい子供達に分け与えていた様だ。
住人
元々は生命がいない死の星だったことからわかるように、今では「レインボー星人」と呼ばれている住人達も外からの移住者である。
彼らは猫の姿をした獣人型宇宙人なのだが、姿形を自在に変えられる変化の能力を生来的に有していた。その変化の能力は凄まじい精度であり、ドッペルゲンガーのように「化けた人物に成りかわって本人のように振る舞う」ことさえ可能。
その力ゆえに彼らは多くの宇宙種族から危険視され差別されてきた。そしていつしか宇宙のどこにも居場所がなくなり、流浪の民となっていた。
旅を続けていた彼らは、住む者もおらず名前すらなかった見捨てられた小さな星へとたどり着く。種族を率いていた長であるオリーフィオの意向の下、ここに自分たちのための国を建設することとなり、星はレインボー星と名付けられた。名付けの由来は「雨の後には美しい虹が輝く」ということから。今までが辛い境遇だったからこそこれからは希望を信じたいという祈りを込めたものである。
星の開拓は苦難の連続であったようだが、エネルギー結晶体であるレインボー鉱石が発見されたことで、それを利用することでどうにか人が住める街を作り出すことに成功。彼らはその限られた空間にへばりつくように生活していたが、念願の故郷を手に入れた彼らはその生活をとても大切にしていた。
また、彼らの生存の要となれるレインボー鉱石は身に付けた者の感情を輝く色で表して読み取る力を持ちながらも、虹色の美しい輝きを放つ代物から、それに魅了された多くの民がこの鉱石を宝飾品に仕立てる彫金技術を発達させていった。それは人々に創作と芸術の喜びを教えることになり、豊かな文化を熟成させていった。
猫型の獣人というだけあって自由を求める気風が高いようで、オリーフィオはノットレイダーに従わないことの理由として倫理や道徳からではなく「私たちは強要されるのが苦手なんだ」と語っている。
宇宙星空連合に加盟していなかったのも宇宙法に縛られるのを嫌ったからかも知れない。
因みにユニの言葉によれば、レインボー星人達はみなオリーフィオの子であり、父であり母であり自身でもある1つの存在らしい。
この言葉について視聴者間では解釈が分かれたが(「民族の団結の比喩」「オリーフィオのみが生殖能力を持つアリやハチのような生態」「1800人のレインボー星人はオリーフィオのクローン」等)、アニメージュ増刊号にて、シリーズ構成の村山功氏からレインボー星人はオリーフィオから発生した単一の生命体であることが明言された。村山氏は「ある意味(レインボー星人)みんながオリーフィオ」とも語っており、住人達はオリーフィオのクローンに近しい存在ということになる。
作中に登場した惑星レインボーの住人
真相
惑星を滅ぼしたのはノットレイダーの幹部アイワーンである。第19話でアイワーン本人からその事実が明かされた。
本編開始より半年ほど前、アイワーンはスターカラーペンが惑星レインボーに飛来してきたのではないかという推測のもとに、この星へ赴きペンを渡せと一方的に迫った。
しかしその高圧的な態度に住民たちは反感を示したため、アイワーンは脅しのつもりでダークペンを使って住民の一人をノットリガーに変えようとする。
だが、この当時のダークペンはまだ試作段階であり、アイワーンにも制御しきれない不安定なものであた。ダークペンはアイワーンの意図とは無関係に暴走し、闇のエネルギーを凝縮した黒い霧が生み出され、それに触れたものは次々と石化していった。
アイワーン本人は危険を感じて急いで転移ゲートを開いて避難して無事だったが、黒い霧は自己増殖を続け惑星全体を覆うまでになった。
そしてしばらくして霧が晴れた後に、アイワーンがこの星に舞い戻ると、惑星の住人は全て石化していた。それを良い事にアイワーンはこの星に飛来したペンを回収したうえに、レインボー星の宝である宝飾品を根こそぎ奪い取り、売り飛ばしてしまう。莫大な資金を稼いだアイワーンはそれを研究費につぎ込みダークペンを完成させたのである。
(余談だが、一連の描写は『マグマ大使』【実写版・#2】を彷彿させるものだった)
しかし、この星には一人だけ生き残りがいた。それがユニと呼ばれる少女である。
黒い霧が広がっていく中、ユニはオリーフィオから遠くの鉱山の人々に危機を知らせる事を命じられ、一番早い乗り物として1人乗りの小型宇宙艇に乗って大気圏外を飛行し、鉱山へ向かおうとしていた。
だがその努力もむなしく、あっという間に霧が星を覆ってしまい、鉱山も全滅。結果的に大気圏外を飛行していたユニだけが霧に飲まれずに難を逃れたのである。
その後、ユニは故郷と仲間達を元の姿に戻すべく、レインボー星人特有の変化の能力を駆使し、宇宙アイドルのマオとして各星に潜入して情報を集めながら、宇宙怪盗のブルーキャットとしてアイワーンに売り飛ばされた母星の宝を回収し、ノットレイダーの構成員であるバケニャーンとしてアイワーンに近づき、母星を元に戻す手段を模索していた。
劇中
- 15話
プリンセススターカラーペンの一つがゼニー星の闇オークションに出品されると言う情報を掴んだプリキュア達はそのオークションに参加。オークションではスターカラーペン以外にも様々な宝が出品されていたが、その中に「惑星レインボーのペンダント」もあった。この時にプルンスがプリキュア達に「惑星レインボーは住民が石化して滅んだ星で、その惑星の貴重な宝が闇ルートで宇宙に散逸した」と解説している。このオークションでは、レインボー星のペンダントは宇宙一の大富豪であるドラムスが1億キランで落札したが、最終的には宇宙怪盗ブルーキャットに奪われてしまった。
- 17話
ゼニー星のドラムスの屋敷にある財宝を奪おうとする宇宙怪盗ブルーキャットの計画に、プリキュアr達が巻き込まれてしまうお話。
この話では、ブルーキャットはとある目的の為にプリンセススターカラーペンを入手すると共に、宇宙中に散らばった惑星レインボーの宝を奪還すべく動いていることが明らかになる。
惑星レインボーの宝を間近で目にした時、彼女は本心からの笑みを浮かべており、ここからブルーキャットの故郷こそが惑星レインボーで、彼女はその民の生き残りである事が示唆された。
- 18話
ラストで、ブルーキャットがどこかの星で手に入れたプリンセススターカラーペンをアジトに保管する様子が描かれるが、そのアジトが惑星レインボーであることが続く19話で判明している。
- 19〜21話
18話ラストで出てきたペンの反応を追って宇宙を旅するプリキュアがやってきたのが惑星レインボーだった。そして第19話から21話にかけては惑星レインボーが舞台となる。今までも単語としては何度も出てきた惑星レインボーだが、実際に作中でその姿が初めて描かれたのはこれが初となる。ここでプリキュア達は上述している惑星レインボーが滅んだ真実を知り、新たなるプリキュア・キュアコスモの覚醒を目撃することになる。詳細はブルーキャットの項目にて。
主な住民
唯一生き残ったレインボー星人の少女。同胞達を元に戻し、星の宝を取り戻して故郷の星を救う為、マオ、バケニャーン、ブルーキャットの3つの顔を使い分けて暗躍。レインボー星人であるが故の偏見と差別から来る孤独と猜疑心から自分以外を信じられず、頼る者も無いまま孤独な戦いをしていた。
そうした経緯から当初はレインボー星人の仲間を救う事しか頭になかったが、プリキュア達との間に生まれた縁は、やがてユニを5人目のプリキュア・キュアコスモとして覚醒させ、宇宙を救うべく共に戦う仲間の絆へと発展して行く。
レインボー星人の長。何百年も老いる事無く生き続けている為に「永遠のオリーフィオ」として宇宙にもその名が知れ渡っている。