概要
土星の衛星のうち最大のもの。太陽系の衛星の中でも、木星の衛星ガニメデに次ぐ大きさであり、地球の衛星である月はもとより、準惑星の冥王星や惑星である水星より大きい。
太陽系の天体の中では、金星、地球、火星とならんで一定量・濃度の大気におおわれているという特徴があり、この点衛星としては唯一の存在(後述)。
「寒い地球のような星」
太陽からの距離が約10天文単位、すなわち地球と太陽の距離の10倍ほど離れた土星軌道上にあるため、タイタンの地表は-180℃前後の極低温の世界であり、水は氷の岩盤となって地表面をおおっている。
タイタンの大気は大半が窒素、残りがメタン、水素その他から成る。気圧は地球の大気より高く、約1.5気圧。メタンの1気圧での融点は-183℃、沸点は-161℃であるので、タイタンの両極付近ではメタンは液体となる。このように、タイタンは地表面に一定量の液体が存在する、太陽系では数少ない天体でもある(他は地球のみ)。