表記ゆれとして『ソードオブソダン』も参照。
概要
Sword of Sodanはアメリカで1988年にAmiga専用ソフトとして発売されたビデオゲームである。
1990年にセガジェネシスに移植され、1991年には日本でもメガドライブ用として発売された。カタカナで『ソード・オブ・ソダン』『ソードオブソダン』といえば、基本的にこのメガドライブ版をさす。
その後、AppleⅡGSやMacintoshOS7にも移植されている。
内容
横スクロールの2Dアクション。ゲームのカテゴリーとしては『ハックアンドスラッシュ』に分類されている。
プレイヤーは双子の兄妹戦士ボルダン(Brodan)とシャルダン(Shardan)のどちらかを操作し、師匠である英雄ソダン(Sodan)から授かった剣を手に、亡き父ロダン(Lordan)の仇敵である悪の魔術師ゾラス(Zoras)を討ち倒すのだ。
『帝王』『牙城』
『ソード・オブ・ソダン』といえば日本では特にクソゲーとして知られており、『BEEP!メガドライブ』誌上における読者投票で最下位23回という記録から、メガドライブ史上の頂点に立つ伝説のクソゲーとされる(セガハード史上での王座は後に『デスクリムゾン』に取って代わられた)。
その根拠には『プレイヤーの感情移入を拒むキャラクターデザイン』や『グロ系の演出』等も含まれるが、これらは洋ゲーには良く見られる特徴(いわゆる『洋ゲーあるある』)。しかしメガドライブ以前のハードでは表現そのものが簡略化されていたこともあり、当時の日本市場では特に強い印象を与える結果になっている。また描き込みの細やかさが、かえって『姿勢や動作の不自然さ』を際立たせてもいる。
それにも増して重要なのは『高すぎる難易度』である。初見殺しの致死トラップが多数設置され、最初のステージで湧く雑魚敵からして主人公より攻撃リーチが長く、耐久力が高く、数に物を言わせて前後から挟撃してくる。
それより何より主人公側の操作性が異常に劣悪であることがバランス崩壊に拍車をかけている。
尚、元となったAmiga版はここまでのバランス崩壊はなく、レスポンスもかなりマシになっている。また、MD/GENESIS版には無いステージやギミックも存在する。
他にもBGMの代わりに鳥の囀りや敵の呻き声や断末魔を延々聴かされる、クリア後のエンディングが(当時の水準と較べて)いやにそっけないなど、メガドライブのスペックを『プレイヤーにストレスを与える方向に』最大限活用したクソゲー界の帝王の名に相応しい内容となっている。
…が、ゲーム中で入手できるポーションの扱い(4種類が存在し、混ぜて服用することで効能が変化する)は後年のゲームにも影響を与えており、攻撃を使い分け間合いを調整する高度な戦略と操作技術で切り抜ける『辛口のアクションゲーム』、クリアしたという事実だけで自慢話が成立する『牙城』として本作を好意的に評価する意見も無くはない。
ちなみに「ポーションの組合せにより各種効果が発動する要素」はMD/GENESIS版から登場したものである。